2016年3月16日(水)
昨日2016年3月15日(火)までのコメントに追記をしたいと思います。
主に以下の13日間のコメントに追記をする形になります。
2016年3月3日(木)
http://citizen.nobody.jp/html/201603/20160303.html
2016年3月4日(金)
http://citizen.nobody.jp/html/201603/20160304.html
2016年3月5日(土)
http://citizen.nobody.jp/html/201603/20160305.html
2016年3月6日(日)
http://citizen.nobody.jp/html/201603/20160306.html
2016年3月7日(月)
http://citizen.nobody.jp/html/201603/20160307.html
2016年3月9日(水)
http://citizen.nobody.jp/html/201603/20160309.html
2016年3月10日(木)
http://citizen.nobody.jp/html/201603/20160310.html
2016年3月11日(金)
http://citizen.nobody.jp/html/201603/20160311.html
2016年3月12日(土)
http://citizen.nobody.jp/html/201603/20160312.html
2016年3月13日(日)
http://citizen.nobody.jp/html/201603/20160313.html
2016年3月14日(月)
http://citizen.nobody.jp/html/201603/20160314.html
2016年3月15日(火)
http://citizen.nobody.jp/html/201603/20160315.html
スーパーやコンビニに行くと、商品に値札が貼ってありますから、
「資産の価格が一番最初に決まる」のはむしろ当たり前なのではないか、と思われるかもしれません。
商品に値札が貼られていないと、いくらか分からないではないか、と思われるかもしれません。
ところが、実はそれも理論の流れとしては逆と言いますか、逆とまでは言いませんが理論上の取引とは少し異なっているのです。
商品に値札が貼ってあるのは、売り手から、
「私はこの商品をこの価格で売りたいと思いますが、消費者であるあなたはこの価格による購入を承諾しますか?」
と取引を申し出ているに過ぎないのです。
買い手であるあなたは、商品(目的物)を欲しいかどうかについて考え、そして次に、その価格に納得できるかどうかを考えます。
買い手であるあなたは、商品(目的物)に納得しない場合、もしくは、商品(目的物)には納得するが価格には納得しない場合は、
商品の購入を承諾しない、すなわち、商品を買わずにそのまま店を出る、という行動を取るわけです。
その商品と価格に納得したならば、あなたは商品を持ってレジに行き、代金を支払うわけです。
それが、売り手の申し出に買い手が承諾をした、ということです。
ただ、通常の取引とは異なり、スーパーやコンビニでは価格交渉は行われないわけです。
売り手であるスーパーやコンビニは、商品に貼られている値札の価格でしか商品の販売に応じない、
という申し出を行っているわけです。
スーパーやコンビニでは、非常に多くのお客さんを相手にしていますから、価格交渉を行う時間的余裕がない、
ということも理由ですし、また、全く同じ商品をお客さん毎に異なる価格販売するのはお客さんの差別につながりますから、
敢えて同じ価格で販売している、ということも理由でしょう。
いずれにせよ、スーパーやコンビニでは商品の価格は先に決まっているわけですが、
それは売り手が価格を申し出ているもの、というふうに捉えるとよいでしょう。
ただ、売り手は値下げなどには応じず価格交渉の余地ははじめから一切ない、という点において、
スーパーやコンビニと消費者との間の取引は、通常の取引とは異なっているわけです。
とは言え、同じ「資産の価格が一番最初に決まる」でも、
スーパーやコンビニにおける商品の販売価格と不動産業者における土地や建物の販売価格とは決定的に異なる点があります。
それは、スーパーやコンビニにおける商品の販売価格は、スーパーやコンビニが決めているのに対し、
不動産業者における土地や建物の販売価格は、国が決めている、という点です。
他の言い方をすれば、スーパーやコンビニにおける商品の販売価格は、「売り手」が決めているのに対し、
不動産業者における土地や建物の販売価格は、「売り手以外」が決めているのです。
売り手が先に価格を申し出ているとは言っても、スーパーやコンビニにおける商品の取引の場合は、
買い手はその価格に納得している、すなわち、
買い手は売り手と価格について合意をしている(あくまで買い手と売り手との間で価格について合意をしている)わけです。
一方、不動産業者における土地や建物の取引の場合は、
買い手はその取引価格にある意味納得していると言えば納得しているわけですが、しかし少なくとも、
買い手は売り手と価格について合意をしている(「買い手と売り手との間で」価格について合意をしている)わけではない、
と言えるわけです。
なぜなら、不動産業者における土地や建物の取引の場合は、価格は売り手が申し出ているわけではないからです。
不動産業者における土地や建物の取引を想定すると、論点がズレてしまうかもしれません。
論点をより明確にするために、一般的な話として、土地の所有者(売り手)と買い手とが取引を行う場面を想定してみましょう。
すると次のように言わないといけないでしょう。
”土地の取引の場合は、
買い手はその取引価格にある意味納得していると言えば納得しているのだが、しかし少なくとも、
買い手は売り手と価格について合意をしている(「買い手と売り手との間で」価格について合意をしている)わけではない。
なぜなら、土地や取引の場合は、価格は売り手と買い手で決めるわけではないからだ。”
土地の価格は、売り手と買い手との間で決めるのではなく、国が決めるのです。
これが取引でしょうか。
英国王は君臨すれども統治せず (The British sovereign reigns, but does not rule.)
という格言があります。
「君臨」と「統治」の違い、「reign」と「rule」の違いが、日本語としても英語としても非常に難しいなと思います。
土地の取引価格について、この格言になぞらえて表現するなら、
当事者は納得すれども合意せず (Both of the parties understand, but do not mutually consent.)
といったところでしょうか。
買い手と売り手は、時価が100円とされる土地について、120円での売買にお互いに合意(mutual
consent)をしたわけです。
ところが、取引において、その土地は時価100円の土地である、と決められてしまいますと、
現実には、時価に従い100円でその土地の売買を行う方が問題がない、ということになってしまうわけです。
売り手の方としては、土地の売却代金として時価以上の金額(ここでは120円)を受け取ってもほとんど問題はありません。
時価との差額20円を受取寄付金と取り扱われようが(注:取引の対称性に着目した参謀独自の見解)、
土地の帳簿価額と受取代金との差額を全額土地譲渡益と取り扱われようが(現行の法人税法上の取り扱い)、
益金額はどちらも同じになるからです。
仮に、売り手の土地の帳簿価額を50円とすると、
前者の場合は、土地譲渡益50円(土地の時価100円−帳簿価額50円)と受取寄付金20円(時価を超える受取代金部分)の合計70円が
土地の取引による益金と認識されます。
後者の場合は、単純に土地譲渡益70円(土地の売却代金120円−帳簿価額50円)が土地の取引による益金と認識されます。