2018年3月19日(月)
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2018年3月20日(火)
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2018年3月21日(水)
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2018年3月22日(木)
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2018年3月24日(土)
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2018年3月25日(日)
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2018年3月26日(月)
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2018年3月27日(火)
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証券取引等監視委員会
最近のインサイダー事案の傾向と当局の取組み
ttps://www.fsa.go.jp/sesc/torikumi/20111125-1.pdf
>ある上場企業の株式に関する投資家の投資判断に影響を及ぼすような重要な未公表の情報を持つ当該会社の役職員や
>当該会社と契約関係にある者が、当該情報が一般に公表される前に会社の株式等を取引する行為
教科書の他の部分にも、「未公表」や「公表する前に」といった言葉がたくさん出てきます。
簡単に言いますと、「インサイダー情報は公表される。」という将来の予定がインサイダー取引の前提となっているわけです。
今日紹介しています証券取引等監視委員会の資料「最近のインサイダー事案の傾向と当局の取組み」の中にも、
「重要事実の公表前に」という言葉がどの紹介事例においても出てきています。
「公表前に」という時間的要素が、インサイダー取引を定義する上での本質的要素(なくてはならないもの)なのだと思います。
また、金融商品取引法にはどうように定められているだろうかと思い、
インサイダー取引が定義されています「第百六十六条」(会社関係者の禁止行為)を見てみました。
すると、「第百六十六条」を簡単に要約しますと、次のようになります(「会社関係者」がいわゆる「インサイダー」を指します)。
”「会社関係者」は、当該業務等に関する重要事実の公表がされた後でなければ、売買をしてはならない。”
参考までに、金融商品取引法の公式英訳を見ますと、英文を簡単に要約しますと、次のようになります。
A "Corporate Insider" shall not make sales or purchase
before the Material
Facts Pertaining to Business or Other Matters are
Publicized.
(「会社関係者」は、当該業務等に関する重要事実の公表がされる前には、売買をしてはならない。)
なぜこの点が気になったのかと言いますと、内部情報の全てが公表されるわけではないからです。
たとえ上場企業であろうとも、公表される情報というのは、会社の内部情報のうち、極一部だけであるわけです。
そうしますと、現行の金融商品取引法に従いますと、「公表される予定のない内部情報」を有しているインサイダーというのは、
結局のところは、会社の株式の売買を一切行ってはならない、という解釈になるのだろうかと思いました。
その理由を簡単に言えば、そのインサイダーにとっては、売買をしてよい時期が到来しない、ということになるからです。
現行の金融商品取引法上の「重要事実の公表前に」の意味を狭く捉えるならば、インサイダー取引の規制の対象となる情報は、
「公表される予定となっている内部情報」のみを指すと解釈できる一方、
現行の金融商品取引法上の「重要事実の公表前に」の意味を広く捉えるならば、インサイダー取引の規制の対象となる情報は、
「公表される予定となっている内部情報」だけではなく「公表される予定のない内部情報」までをも含むと解釈できるわけです。
条文解釈の話になりますが、投資家保護の趣旨を踏まえれば、後者の解釈を行うのがやはり自然であろうと思いました。
2005年10月20日
エア・ウォーター株式会社
タテホ化学工業株式会社
株式交換によるタテホ化学工業株式会社の完全子会社化に関するお知らせ
ttp://www.awi.co.jp/news/624/
(上記ウェブページの本文部分を保存したhtmlファイル)
旧商法における株式交換の事例ということになるわけですが、プレスリリースを読んで、
株式交換に伴う完全親会社の資本金・資本準備金の増加額が興味深いと思いました。
簡単に言えば、株式交換に伴う完全親会社の資本金・資本準備金の増加額は、
完全子会社の資本金・資本準備金ということになります。
旧商法における株式交換では、そのような定めになっていたのかと思いました。
一言で言えば、資本金・資本準備金の増加額は簿価に基づく、という定めになっているわけです。
完全親会社であるエア・ウォーター株式会社の株価も、完全子会社であるタテホ化学工業株式会社の株価も、
資本金・資本準備金の増加額とは関係がないわけです。
さらに言えば、完全親会社であるエア・ウォーター株式会社による完全子会社であるタテホ化学工業株式会社の株式の取得価額も、
完全子会社であるタテホ化学工業株式会社の資本の簿価に基づくことになります。
簡単に言いますと、完全親会社であるエア・ウォーター株式会社は、
完全子会社であるタテホ化学工業株式会社の株式を簿価で取得したもの、という考え方(会計処理)になります。
完全親会社は完全子会社株式を簿価で取得した、とだけ聞きますと、それは果たして正しい会計処理だろうかとも思うわけですが、
株式交換に伴う完全親会社の資本金・資本準備金の増加額は完全子会社の資本(簿価)に基づく、
という考え方に重きを置いているということなのだろうと思いました。
株式と株式を交換するだけなのだから(完全子会社の株主の出資は完全親会社へと承継されるのだから)、
この会計処理が結局のところは最も自然なのかもしれないなと思いました。
旧商法の規定は、示唆に富む(旧来の考え方が実は正しかったのではと気付かされる)ことが多いように思いました。
The fact that an increase of shareholders' equity is calculated on the
basis of a book value
means that an acquisition value of a share is
calculated on the basis of a book value.
In other words, it means that an
acquisition value of a share is determined by a existing book value.
Needless to say, the reason for it is that the debit side balances with the
credit side.
In this case, an increase of shareholders' equity (i.e. the
credit side)
precedes an acquisition value of a share (i.e. the debit
side).
In other words, an increase of shareholders' equity (i.e. the credit
side)
determines an acquisition value of a share (i.e. the debit side).
A
share price in the market doesn't determine an increase of shareholders' equity
nor an acquisition value of a share.
株主資本の増加額が簿価に基づいて算定されるということは、株式の取得価額もまた簿価に基づいて算定されるということです。
他の言い方をすると、株式の取得価額は現存する簿価によって決定されるということです。
言うまでもなく、その理由は借方は貸方とバランスするからです。
この場合は、株主資本の増加額(貸方)が株式の取得価額(借方)よりも先に来るのです。
他の言い方をすると、株主資本の増加額(貸方)が株式の取得価額(借方)を決めるのです。
市場の株価は、株主資本の増加額を決定しませんし、株式の取得価額も決定しないのです。