2017年10月11日(水)


記事を1つ紹介し、ここ8日間の論点に関して一言だけ追記をします。


2017年10月7日(土)日本経済新聞
築54年の空き家の再生 投資を賃貸で回収、街活性化に一役
(記事)



築54年の空き家、再生できるか 賃貸で投資を回収へ
(Nikkei Style マネー研究所 2017/9/20)
ttps://style.nikkei.com/article/DGXMZO21110030U7A910C1000000

 

ここ8日間のコメント

2017年10月3日(火)
http://citizen.nobody.jp/html/201710/20171003.html

2017年10月4日(水)
http://citizen.nobody.jp/html/201710/20171004.html

2017年10月5日(木)
http://citizen.nobody.jp/html/201710/20171005.html

2017年10月6日(金)
http://citizen.nobody.jp/html/201710/20171006.html

2017年10月7日(土)
http://citizen.nobody.jp/html/201710/20171007.html

2017年10月8日(日)
http://citizen.nobody.jp/html/201710/20171008.html

2017年10月9日(月)
http://citizen.nobody.jp/html/201710/20171009.html

2017年10月10日(火)
http://citizen.nobody.jp/html/201710/20171010.html

 



昨日のコメントに一言だけ追記をします。
昨日は、相続税評価額は大きく2つに区分できる、という点について書きました。
相続財産の相続税評価額は、@「ストックに関する評価額」とA「フローに関する評価額」の2つに分類できるわけです。
相続財産の種類によって、どちらで相続税評価額を算定するかが決まっているわけです。
すなわち、相続税評価額を「ストック」で評価する相続財産もあれば「フロー」で評価する相続財産もあるわけです。
「ストック」で評価する相続財産としては、現金・預金や土地や建物や有価証券になります。
「フロー」で評価する相続財産の最も典型的な例が「著作権」であるわけです。
一般的には、相続税評価額という場合は@「ストックに関する評価額」を意味していることがほとんどだと思いますが、
相続財産の種類によっては、A「フローに関する評価額」を意味していることもあるわけです。
それで、今日紹介している記事についてなのですが、この記事は、相続そのものとは直接的には関係はないものの、
空き家を改修して人に貸す、ということについて解説をした記事になります。
記事で問題になっているのは、「投資(改修費用)は回収できるのか?」という採算性であるわけです。
記事の事例では、月々の賃貸収入と賃貸期間とを見積り、空き家の改修工事を行い賃貸をする方が有利であったようです。
記事にありますように、改修工事を行い賃貸をするという土地と建物の活用方法は経済的にはもちろんあるわけなのですが、
土地と建物というのは、収入を得る手段だけではなく、自分が住むという活用方法もあるわけです。
しかし、自分がその土地と建物に住むという場合、その土地と建物からは収入(キャッシュフロー)は一切発生しないわけです。
このことは当たり前と言えば当たり前なのですが、しかしそれでもその土地には例えば「路線価」が公示されるわけです。
その「路線価」には、当然のことながら、収入やキャッシュフローという概念や金額は一切反映されてはいないわけです。
それは結局のところ、ストックとして評価額はフローの概念や金額とは無関係に決まっている、ということを意味しているのです。


Concerning a set of land and a vacant house built on the land,
whether you scrap the house or leave the house as it is, and whether you live in the house or lend the house,
your behavior has no effect on an "asset value" of the land which is publicly assessed.
In other words, after all,
an "asset value" of the land which is publicly assessed is totally independent of how the land is actually used.
To put it simply,
a value of a "flow" is not reflected in an "asset value" publicly assessed from a viewpoint of a "stock" at all.
The authorities assess an "asset value" from a viewpoint of a name value and convenience, etc.,
but they don't take a "flow" from the asset into consideration at all on the assessment.

土地とその上に建っている空き家に関して言えば、その空き家を、解体しようが放置しようが、自分が住もうが人に貸そうが、
どのような行動を取ったとしても公示される土地の「資産価値」には影響を与えません。
他の言い方をすれば、結局のところ、
公示される土地の「資産価値」というのはその土地の実際の使われ方とは完全に無関係だ、ということです。
簡単に言えば、「ストック」の観点から見て当局が評価した「資産価値」には「フロー」の価値は全く反映されてはいない、
ということです。
当局は、ネームバリューや利便性といった観点から「資産価値」を評価しますが、
評価をするに際し、当局はその資産からの「フロー」を考慮することは一切しないのです。