2016年2月20日(土)



ここ7日間のコメントに一言だけ追記します。


2016年2月13日(土)
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2016年2月14日(日)
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2016年2月15日(月)
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2016年2月16日(火)
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2016年2月17日(水)
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2016年2月18日(木)
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2016年2月19日(金)
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「1948年(昭和23年)改正商法」と「1947年(昭和22年)法人税法」が、
現在人々が「会社」と聞いてイメージする株式会社の元祖となっている法律なのだと思います。
「1947年(昭和22年)法人税法」については図書館に行って条文を読んでみないといけないなと思っているところですが、
今日は、条文は見ずに推論で書きたいと思います。
おそらく、現在に通じる益金と損金の基本部分は、「1947年(昭和22年)法人税法」で整備されているのだと思います。
私が今気になっているのは、
会社が従業員(被雇用者)に対して支払う「給与」の取り扱いと、借入金の「支払利息」の取り扱いです。
現行法人税法では、どちらも損金という取り扱いであるわけですが、
おそらく「1947年(昭和22年)法人税法」でも、「給与」と「支払利息」はどちらも損金という取り扱いになっている
のであろうと思います。
「1947年(昭和22年)法人税法」では、減価償却費ですら損金であるわけですから、
「給与」と「支払利息」もどちらも損金という定めになっているであろう、と推論しているところです。
会社のいわゆる「3大固定費」は、人件費、減価償却費、金融費用です。
「3大固定費」は、「1947年(昭和22年)法人税法」で全て損金という定めになっていたのではないか、と推論しています。
税務理論上、人件費、減価償却費、金融費用のうち、一番損金として認めづらいのはどれであろうか、と考えているわけですが、
私の考えでは、条文を定めるに際し、減価償却費が税務理論上は一番損金として認めづらいのではないか、と思います。
その理由は、減価償却では、資産の取得原価を分割する、という極めて特殊なことを行うからです。
そして、その分割した取得原価を各期に規則的に損金として算入する、というわけですから、
税務理論上は、減価償却そのものの考え方も含め、
減価償却費を損金として認めるというのは、理論的ハードルが極めて高いと思います。
また、給与と支払利息はまさに現金支出です。
一方、減価償却費は現金支出ではありません。
基本的考え方は、現金支出が損金という考え方だと思います。
もちろん、会社は資産の取得時に現金支出は行っているわけですが、
取得時から現金支出期と損金算入の期が異なることを前提にしている、という点でも、
減価償却という考え方はやはり極めて特殊だと思います。
棚卸資産の場合も、現金支出期と損金算入の期が異なることはあるわけです(だから、貸借対照表に棚卸資産勘定が計上される)が、
棚卸資産の場合は、現金支出期と損金算入の期が同じである(同じ期に販売時が実現した場合)ことの方が相対的には多いと思います。
少なくとも、棚卸資産は、現金支出期と損金算入の期が異なることを前提にして取得したりはしないわけです。
税務理論上、極めて特殊な位置付けにある減価償却費ですら「1947年(昭和22年)法人税法」では損金であるわけですから、
給与と支払利息も「1947年(昭和22年)法人税法」では損金である、というふうに推論しているところです。
「3大固定費」である人件費、減価償却費、金融費用が、
1947年(昭和22年)の時点で全て法人税法上損金という取り扱いになっているとすると、
「1947年(昭和22年)法人税法」が現在の法人税法の基本的枠組みになっていると言っていいと思います。

 



また、不況期に真っ先に削られる経費を俗に「3K」と呼ぶことがあります。
「3K」とは、交通費、広告宣伝費、交際費です。
現行法人税法では、交通費と広告宣伝費は損金であるわけです。
そして、交際費は損金不算入であるわけです。
では、「1947年(昭和22年)法人税法」ではこれらの取り扱いはどうなっているであろうか、と考えているところです。
交際費が損金不算入であるのは間違いないわけですが。
仮に、「1947年(昭和22年)法人税法」では人件費、減価償却費、金融費用が損金であるのだとすると、
交通費と広告宣伝費も損金という定めになっているであろう、と思います。
この私の推論が正しいとすると、
やはり「1947年(昭和22年)法人税法」が現在の法人税法の基本的枠組みになっていると言っていいと思います。
なぜこの点が気になっているのかと言えば、
現行の法人税法は、1965年(昭和40年)改正の法人税法が基礎となっている、と考えられているようだからです。
1965年(昭和40年)改正の法人税法とは、正式には「法人税法(昭和四十年三月三十一日法律第三十四号)」というようです。
「法令データ提供システム(r-Gov)」で法人税法を見てみましても、
現行法人税法の正式法律名は「法人税法(昭和四十年三月三十一日法律第三十四号)」となっており、

>法人税法(昭和二十二年法律第二十八号)の全部を改正する。

と書かれています。
わざわざこのように書かれますと、1965年(昭和40年)改正の法人税法とそれ以前の法人税法とでは、
考え方や定めが大きく異なるのだろうか、と思っているわけです。
正確なところは、図書館に行って条文を見比べてみるしかないわけですが、
減価償却が「1947年(昭和22年)法人税法」ですらあったくらいですから、推論で書くならば、
1965年(昭和40年)改正の法人税法とそれ以前の法人税法とでは、考え方や定めは基本的には同じ、
なのではないだろうか、と思います。
これは推論というより完全に推測なのですが、仮に、「1947年(昭和22年)法人税法」では、
人件費、減価償却費、金融費用、交通費、広告宣伝費は全て損金なのだとすると、
もはや考え方や定めは大きく変えようがないのではないか、と思うわけです。
例えば、2006年5月に商法の全部を改正し新たに会社法が制定されました。
しかし、条文の構成や章立て等が完全に変わっただけであり、基本的考え方や定めは大きくは変わってはいないわけです。
商法にはなかった考え方や手法は追加されましたが、定めの大枠は同じなままであったわけです。
ですので、2006年5月の商法の全部改正を参考にすれば、
1965年(昭和40年)法人税法における法人税法の改正点は実は多くはない(基本的考え方は同じ)のではないかと思います。

 


この点に関して書きますと、2016年2月18日(木)のコメントで、

>法人税法の損金には、資産の取得原価のほかに、給与などの営業費用もあります。
>それら営業費用と資産の取得原価の全てを損金算入できるだけの十分な益金を会社は将来獲得できる、
>ということを元祖財務諸表理論では理論上の前提としているのだと思います。

と書きました。
これは、元祖財務諸表理論や「1947年(昭和22年)法人税法」を念頭に置きながら書いたわけですが、改めて考えてみますと、
会社は法人ではあるが給与の支払いは前提とはしない、すなわち、法人税法上給与は損金ではない、
という考え方や定めも理論的にはあり得るのではないか、と思ったわけです。
日々業務を執行するのは、株主に選任された役員だけであり、従業員(被雇用者)という存在は会社(法人)にはいない、
という会社も理論上は考え得るな、と思ったわけです。
ひょっとしたら、「1947年(昭和22年)法人税法」では給与は損金ではないのだが、
1965年(昭和40年)に法人税法が全部改正されて、1965年(昭和40年)改正法人税法から給与が損金になった、
という改正もあり得るような気がするな、と思ったわけです。
正確なところは、図書館に行って条文を見てみるしかありません。
ただ、推論するに、「1947年(昭和22年)法人税法」で減価償却費は損金であるならば、
「1947年(昭和22年)法人税法」では給与も損金であろうと思います。
そう推論できるほどまでに、減価償却という考え方は特殊であると思います。
最初に書きましたが、やはり、「1948年(昭和23年)改正商法」と「1947年(昭和22年)法人税法」が、
現在人々が「会社」と聞いてイメージする株式会社の元祖となっている法律なのだと思います。
この時の会社の計算(日々の経理や計算書類の作成等)は、法人税法に完全に則っていなければならない、
ということになると思います。
そうでなければ、計算された当期純利益や利益剰余金が、債権者の利益にも株主の利益にも中立であるとは言えないからです。
理論上は、法人税法に従って計算された当期純利益や利益剰余金が、債権者の利益にも株主の利益にも中立であると考えるわけです。
このことは、会社は法人税法上損金算入されない現金支出は行ってはならない、という考え方に行き着くと思います。
会社が法人税法上損金算入されない現金支出を行うことは、債権者の利益も害しますし株主の利益も害するわけです。
2016年2月17日(水)のコメントで、週刊ティーアンドエーマスターの広告を紹介しているかと思います。
「2014年12月15日号」には、特集記事として”受取配当益金不算入はこう変わる!”と書かれています。
益金不算入となる収益(現金収入)を獲得する分には、債権者の利益も全く害しませんし株主の利益も全く害さないわけです。
しかし、損金不算入となる費用(現金支出)を支払うことは、債権者の利益と株主の利益の両方を害するのです。
以上の考え方を担保するためには、商法に会社は法人税法上損金算入されない現金支出は行ってはならない旨、定めが必要でしょう。
また、十分な益金がない場合は結果的に損金算入されない費用(費用項目としては損金)が発生してしまうわけですが、
法理上は十分な益金があることを前提にしている、と考えるしかないと思います(そう考えないと資産計上もできない)。
最期に、「理論上、受取配当金は益金不算入が正しいのか、それとも、益金算入が正しいのか?」という点についてですが、
私の見解は、「理論上、受取配当金は全額益金算入が正しい。」となります。
その理由は単純であり、法人と株主とは別の人(納税主体が異なる)からです。
受取配当金を益金算入と考えても、理論上は何ら二重課税にはならないのです。
”理論上は受取配当金は益金不算入が正しい”という論調もあるのようですが、逆に理論上は受取配当金は益金算入が正しいのです。