2018年5月24日(木)



最近の66日間のコメントを踏まえた上で、「定款の変更」に関するプレスリリースを4つ紹介し、
「定款」と「登記」とを比較する資料を作成しましたのでその資料を紹介し、
一昨日と昨日のコメントに一言だけ追記をしたいと思います。

 


2018年3月19日(月)
http://citizen.nobody.jp/html/201803/20180319.html

から

2018年5月23日(水)
http://citizen.nobody.jp/html/201805/20180523.html

までの一連のコメント

 


現物取引と先渡取引と先物取引の相違点について書いたコメント

2018年3月12日(月)
http://citizen.nobody.jp/html/201803/20180312.html

 


「オークション方式」に関する過去のコメント

2016年3月27日(日)
http://citizen.nobody.jp/html/201603/20160327.html

2016年7月13日(水)
http://citizen.nobody.jp/html/201607/20160713.html

 

 



2018年5月24日
アルプス電気株式会社
定款の一部変更に関するお知らせ
ttps://www.alps.com/pdf/ir/disclosure/20180524b_info.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)



2018年5月24日
日本アジアグループ株式会社
定款一部変更に関するお知らせ
ttps://www.japanasiagroup.jp/wordpress/wp-content/uploads/2018-05-24_2.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)



2018年5月24日
エイベックス株式会社
定款の一部変更に関するお知らせ(追加)
ttp://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?cat=tdnet&sid=1592079

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)



2018年5月24日   
シダックス株式会社
定款の一部変更に関するお知らせ
ttps://www.shidax.co.jp/upload/1114/201805242.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)




株式会社東芝 上場会社詳細(基本情報)(東京証券取引所)
ttp://www2.tse.or.jp/tseHpFront/JJK010030Action.do;jsessionid=00B78EB08DA872AE9F6FEB350A9DE0EB4


 



Articles of Incorporation are merely one of the bylaws of a company,
whereas a registration is made available for public inspection.

定款は会社の内規の1つに過ぎない一方、登記事項は縦覧に供されます。

「PDFファイル」

「キャプチャー画像」




現在の「定款の認証」は一体何を認証しているのか分からない、という趣旨のことを一昨日書いたわけですが、
「定款」と「登記」とで重複している事項もあるなと思いましたので、両者について比較をし整理をしたいと思いました。
改めて概念整理をしてみますと、「定款は会社の内規の1つに過ぎない一方、登記事項は縦覧に供される。」、
という本質的相違点が両者の間にはあると思いました。
すなわち、元来的・理論的には、「定款」は特段社外のどの利害関係者にも見せるものではない(内部の規則に過ぎない)一方、
「登記」は「定款」とは正反対に社会全体に対して開示をする(縦覧に供する)べきものだ、という本質的相違点があるわけです。
上場企業でよく話題になる「単元株式数」の定めなど分かりやすい例なのですが、
「それを定款に記載して何の意味があるのだ?」と言いたくなる事項が現在の定款にはたくさんあるわけです。
「単元株式数」の定めしかり会社機関の構成員しかり、有効性に関しては「対外的な効力は登記一本」で判断するべきなのです。
つまり、ある決定事項について、定款や内規や議事録等に記載があろうがなかろうが、登記のみでその効力を判断する、
という考え方でなければならないわけです(つまり、理論的には「定款に定めてあるから有効だ。」という考え方はやめるべき)。
極めて簡単に言えば、「定款は人に見せるものではない。」というふうに「定款」と「登記」とを区別するべきなのです。
東京証券取引所の上場会社情報サービスの「株式会社東芝」のページを一連のプレスリリースの次に紹介していますが、
東京証券取引所のこのページから「株式会社東芝」の「定款」がダウンロードできるようになっています。
しかし、「開示」(「ディスクロージャー」)という観点から言えば、
東証のサイトからは「定款」ではなく「株式会社東芝」の「登記事項」がダウンロードできなければならないわけです。
現在では「定款」の位置付けが不明確であるわけですが、「登記事項」が情報開示を目的としたものだけは確かなのです。
やや乱暴に言えば、会社法制度上「定款」は廃止するべきだと思います(端的に言えば「登記」に一本化するべきなのです)。
それから、今日初めて気付いたのですが、2018年5月現在、
「発行可能株式総数」は定款の絶対的記載事項ではなくなっているようです。
従来は「発行可能株式総数」は定款の絶対的記載事項であったわけですが。
今私の手許にある文献やファイル等で推測する限り、
2012年12月時点の会社法では「発行可能株式総数」は定款の絶対的記載事項であったわけですが、
2016年1月時点の会社法では「発行可能株式総数」は定款の絶対的記載事項ではなくなっています。
今まで気がつかなかったのですが、2013年〜2015年の間に会社法が改正されて、
「発行可能株式総数」は定款の絶対的記載事項ではなくなったのだと思います。
株式分割の際に、株式分割に伴い定款に記載する「発行可能株式総数」を増加させる、ということが実務上行われるわけですが、
「発行可能株式総数」が定款に記載されなくなったということを鑑みますと、
改正後は「発行可能株式総数」の定めは「登記」に一本化された、という見方ができるのだと思います。

 


Any other business incidental or relating to the businesses referred to in any of the foregoing items.

前各号に附帯又は関連する一切の事業

 

A rule called "articles of incorporation" is one of the bylaws of a company.

「定款」と呼ばれる規則は、会社の内規の1つなのです。

 

The purpose of registration is exactly "disclousure," actually.

登記の目的は、まさに「ディスクロージャー」(情報開示)なのです。

 

As of now, it is of no effect even if it is prescribed in Articles of incorporation,
concerning the "Total Number of Authorized Shares."

今じゃ、定款に定めてもダメなんだよ、「発行可能株式総数」の場合はね。

 

As of now, the "Total Number of Authorized Shares" can not be provided for in articles of incorporation, actually.
As of now, the "Total Number of Authorized Shares" can be provided for only by means of registration.
Therefore, Article 37 of the current Companies Act had better be revised at the earliest possible opportunity.
It can probably be made in this session of the Diet.
Registration exceeds Articles of incorporation.
In order to avoid contradictions and redundancies,
provisions themselves on Articles of incorporation in the current Companies Act should totally be deleted.

現在では、実は「発行可能株式総数」を定款で定めることはできません。
現在では、「発行可能株式総数」は登記によってのみ定めることができます。
したがって、現行の会社法の第37条は、可及的速やかに改正するべきなのです。
今国会でできるでしょう。
登記は定款に勝るのです。
矛盾と重複を避けるために、現行の会社法の定款に関する定め自体を全て削除するべきなのです。