2018年5月2日(水)
2018年3月19日(月)
http://citizen.nobody.jp/html/201803/20180319.html
から
2018年5月1日(火)
http://citizen.nobody.jp/html/201805/20180501.html
までの一連のコメント
現物取引と先渡取引と先物取引の相違点について書いたコメント
2018年3月12日(月)
http://citizen.nobody.jp/html/201803/20180312.html
「オークション方式」に関する過去のコメント
2016年3月27日(日)
http://citizen.nobody.jp/html/201603/20160327.html
2016年7月13日(水)
http://citizen.nobody.jp/html/201607/20160713.html
まず最初に、昨日書きました英文に誤植がありましたので、訂正をしたいと思います。
昨日書きました次の英文の2つ目の"to
be"の後の"have"は"having"(現在分詞ではなく動名詞です)の間違いです。
>On any accounting stadard, any asset must be recognized to be having come
into a buyer's hands
>the instant it is recognized to be have gone out of
a seller's hands.
正しくは次のようになります↓。
On any accounting stadard, any asset must be recognized to be having come
into a buyer's hands
the instant it is recognized to be having gone out of a
seller's hands.
次に、単語のつづりの間違いになりますが、昨日書きました次の英文の"adpots"は"adopts"の間違いです。
>In any transaction, when one party adpots the delivery-based accounting standard, then the other should in theory.
正しくは次のようになります↓。
In any transaction, when one party adopts the delivery-based accounting standard, then the other should in theory.
最後に、これは意味が正反対になってしまう重要な間違いなのですが、昨日書きました次の英文の"can"は"can't"の間違いです。
>As of May 1, 2018, in Japan, investors can make a spot transaction of listed shares, actually.
正しくは次のようになります↓。
As of May 1, 2018, in Japan, investors can't make a spot transaction of listed shares, actually.
昨日紹介しました有限責任監査法人トーマツの「第2回
『金融商品の発生及び消滅の認識』」という資料について一言書きます。
金融商品会計基準における金融商品の「発生」及び「消滅」という用語をどのように英訳するべきか、私も非常に悩みました。
スキャンして紹介している「金融商品の発生及び消滅の認識の意味」にも書かれていますが、
「金融商品の発生及び消滅の認識」とは、確かに法律上は債権債務関係の発生と消滅という意味合いで捉えてよいのですが、
会計という文脈においては、「金融商品をどのように貸借対照表に計上するか?」という議論になるわけです。
昨日は、「金融商品の発生及び消滅の認識」を英訳する時に、実は私は"record"(計上する)という単語を用いようかとも思った
のですが、考えに考えた挙句、この単語でも通じるはずだと思い、"be"(存在する、ある)という単語を用いることにしました。
「会社に存在すると認識されたものは、貸借対照表に計上されることになる。」、という意味を込めてこの単語を用いました。
私が悩んだ点と全く同じことが「第2回
『金融商品の発生及び消滅の認識』」に書かれていまして、読んで昨日は驚きました。
IFRSと米国会計基準中の"Initial
recognition"と"Derecognition"という用語では、会計上の意味合いを表現し切れていない、
と感じましたので、僭越ながら、昨日はそれぞれ"Initial
recording"と"End of recording"と訳語を提案した次第です。
"What represents ownership?" (何が所有権を表すのか?)
所有権の表現方法は、財産の種類によって異なります。
簡単にまとめれば次のようになると思います。
@有体物全般 → 人が目的物を現に手許に持っていること
A不動産 → 目的物の登記が行われていること
B有価証券 → 株式や社債は名簿に名義人が記載されていること。手形や小切手等は証書に名義人が記載されていること。
株式に関して言いますと、紙の「株券」を持っていても株式を所有していることにはならないわけです。
株主名簿に自分の名前が記載されて初めて株式を所有していることになるのです。
株式の所有権の根拠は、株主名簿が絶対であり、紙の「株券」は株式の所有権を表象しないのです。
その意味において、株式の譲渡とは、まさに株主名簿の名義人の書き換えを意味するわです。
紙の「株券」の受け渡しは、上場企業であろうが非上場企業であろうが、本質的ではないと言えるのです。
ただ、法理的には、紙の「株券」は、不動産登記でいう「登記済証」と同じ意味の効力を持っていると言えると思います。
すなわち、法理的には、紙の「株券」を持っている人が株主だ、という意味が紙の「株券」にはあるわけです。
簡単に言えば、不動産登記でいう「登記済証」も紙の「株券」も、本人確認の手段であるわけです。
元来的・理論的には、不動産登記でいう「登記済証」も紙の「株券」も、「持っている人が本人だ。」という考え方になるわけです。
ただ、現実的なことを鑑みて、性悪説に立って取引の安全性(紛失や盗難等の可能性)などのことを考えると、
「持っている人が本人だ。」という確認方法は現実には問題があると言えるわけです。
そこで実際には、顔写真付きの身分証明書等の提示を求めることで、本人確認の手段としているわけです。
ところが、顔写真付きの身分証明書等の提示を求めることを本人確認の手段とするのであれば、
すると今度は逆に、不動産登記でいう「登記済証」も紙の「株券」も全く不要である、ということになるわけです。
現実には、管理者が管理する名簿(不動産登記簿や株主名簿)と顔写真付きの身分証明書等の提示による本人確認により、
不動産や株式の所有権を管理することにしているわけです。
簡単にまとめれば、不動産は不動産登記簿が所有権を表象し、株式は株主名簿が所有権を表象する、という考え方になります。
不動産登記でいう「登記済証」も紙の「株券」も、法律上は基本的には既に廃止されていると言っていいわけですが、
実務上のことを鑑みれば、法理通り不動産登記でいう「登記済証」と紙の「株券」が所有権を表象していた時代というのは、
実は全くなかったと言っていいと思います(取引時には、別途顔写真付きの身分証明書等の提示が求められていたはずです)。
上場株式の取引で言えば、紙の「株券」の受け渡しは証券制度上は当初から全く想定していなかったと言っていいと思います。
1986年の10月に掲載された「課長
島耕作」の「STEP28 ドント
エクスプレイン」(単行本第4巻収録)には、
島耕作が上司からの指示を受けて金庫から紙の「株券」を取り出してアタッシュケースに入れてタクシーで証券会社に赴き、
持ち込んだ初芝株式の売却をカウンターで担当者にお願いする、というシーンがあるのですが、
このシーン(顧客・投資家が紙の「株券」を証券会社に持ち込むこと)はおそらくフィクションだと思います。
株式の名義人は株主名簿で管理をすれば必要十分であるわけですから、紙の「株券」は実務上は不要であるわけです。
上場株式の取引は始めから全て電子データの形で行われていたと思います。
株主名簿の名義書換も始めからコンピューター上で行われていただけだと思います。
2018年4月25日(水)と2018年4月26日(木)と昨日のコメントとで書きましたように、有価証券の決済に関する結論を一言で言えば、
>「有価証券の取引では、約定と同時に決済・受け渡しをする。」という考え方・決済制度でないとおかしいと思います。
の1文に尽きるわけです。
現在では、明示的に上場株式の取引が全て電子データの形で行われています(株主名簿の名義書換もコンピューター上で行う)
ので(いわゆる「株券の電子化」)、「有価証券の取引では、約定と同時に決済・受け渡しをする。」
という決済方法を行うことは、技術的に非常に容易なことだと思います。
それから、上場株式や証券制度(有価証券の上場制度)とは全く関係のない話になるのですが、
「財産の所有権」を表象するものを考える上で理解を深めるヒントになるのが、「船荷証券」だと思います。
「船荷証券」については、数多くの簿記・会計のサイトでも解説されているのですが、
次のような貿易に関するサイトでも「船荷証券」について解説がなされていましたので紹介します。
このような解説サイトがあるのかと知ってびっくりしました。
「船荷証券(B/L)」の記載内容はじっくり確認!
(2015/06/15
Mon 貿易キャラナビTlady)
ttps://b.pasona.co.jp/boueki/word/281/
(キャプチャー編集画像)
>一般に、ある目的物を譲渡する際には、売り手はその目的物の所有権を有していなければなりません
と書きましたが、まさに輸入業者は「貨物」の所有権を有していなければ卸売業者へ「貨物」を販売できないわけです。
「船荷証券」を有していることが、まさに「貨物」の所有権を有していることなのです。
「貨物」の現物が輸入地に到達していれば話は簡単(卸売業者に現物を見てもらえばよい)なのですが、
「貨物」はまだ輸入地に到達していない(まだ海の上の船の中にある)状況下で輸入業者は卸売業者と商談を行うわけです。
「自分は間違いなく『貨物』の所有権を有しており、『貨物』が荷揚港に届いたならば確実に『貨物』の譲渡を行うことができる。」
ということを証明するために、輸入業者は「船荷証券」という証書・仕組みを用いるわけです。
確かに、実務上は、「船荷証券」には「貨物」の引換券・「貨物」の引取証の意味もあるわけですが、
その役割は「船荷証券」の流れ全体で言えば極めて局所的・付随的なものに過ぎず、
「船荷証券」の本質は、「所有権の表象」にあるわけです。
「登記済証」を持っていれば不動産を所有していることを意味するように、
「船荷証券」を持っていれば「貨物」を所有していることを意味するのです。
ウィキペディアの「船荷証券」の項目には、次のようなことも書かれています。
>輸送距離が近い場合、あるいは高速コンテナ船による輸送の場合など、貨物の輸送時間が短い場合には
>荷受人=輸入者が船荷証券(B/L)を受け取るよりも先に貨物が荷揚げ港に到着してしまうことがある。
上記のような状態もまた、概念的には(定義・仕組みとしては)、「船荷証券」の前提ではない、と言わねばならないでしょう。
実務上は「船荷証券」はエアメールで郵送するわけですが、理論的にはと言いますか、「船荷証券」の定義・仕組みとしては、
輸入業者は「船荷証券」が発行されると同時に「船荷証券」を手許に持っている、という状態になることが前提となっています。