2018年4月8日(日)
2018年3月19日(月)
http://citizen.nobody.jp/html/201803/20180319.html
から
2018年4月6日(金)
http://citizen.nobody.jp/html/201804/20180406.html
までの一連のコメント
「オークション方式」に関する過去のコメント
2016年3月27日(日)
http://citizen.nobody.jp/html/201603/20160327.html
2016年7月13日(水)
http://citizen.nobody.jp/html/201607/20160713.html
2018年4月7日(土)日本経済新聞
トリプルB格の利回り急上昇 欧米社債に新たな火種 信用悪化、日本は限定的
(記事)
2018年4月1日(日)のコメントでは、市場で売買がなされる目的物について、次のように書きました。
>結局のところ、1日に何回も売買が繰り返される目的物というのは、株式だけであると思います。
そして、2018年4月2日(月)のコメントでは、市場で売買がなされる目的物を整理するために、
「Classification of an
object traded in the
market.」(「市場で取引される目的物の分類」)という表を作成しました。
また、2018年4月2日(月)のコメントでは、社債に関連するきじを計4本紹介しているわけですが、
今日は同じく社債に関する昨日2018年4月7日(土)付けの日本経済新聞の記事を紹介しています。
2018年4月2日(月)に書きました社債に関するコメントも振り返りながら、今日もコメントを書きたいと思います。
今日考えたいテーマは次のような論点です。
「同じ『市場で取引される目的物』(上場目的物)なのに、『市場で頻繁に売買が繰り返される類の目的物』もあれば、
『市場で売買が繰り返されることはない類の目的物(市場では1回のみ売買がなされる類の目的物)』もあるのだが、
その原因・理由はどこにあるのだろうか?」
2018年4月2日(月)のコメントで作成しました
「Classification of an object traded in the
market.」(「市場で取引される目的物の分類」)という表でいうところの
第一次産業と第二次産業と第三次産業とで違いがあるということだろうか、と考えてみたわけです。
この点について考察を行ってみたのですが、辿り着いた答えは、次のような結論です。
「目的物の種類によって売買頻度(回転率)が変わるのではなく、
市場参加者1人1人が算定する目的物の本源的価値が変動する結果として、市場において目的物の売買がなされる。」
一言で言うならば、「目的物の本源的価値が変動」が目的物の売買頻度(回転率)を決定付けるのです。
例えば、第一次産業に分類される目的物の場合は市場で頻繁に売買されることはない、とは一概には言い切れないわけです。
ただ、第一次産業に分類される目的物の場合は、日持ちがせず消費期限がありますので、
その意味において、結果的に、「目的物の本源的価値が変動しづらい。」(変動する間もなく消費期限が到来してしまう。)、
ということが言えるだけなのだと思います。
長い時間が経つと、たとえ第一次産業に分類される目的物であっても、
市場参加者の評価が変わる(つまり、前回よりも高い価格で購入しても構わないと判断する取引参加者が市場に現れ得る)、
ということは十分に考えられるわけです。
2018年4月1日(日)のコメントでは、私は次のように書きました。
>買い手が大田市場で購入したある「花き」を大田市場で他の買い手に売却する、ということは現実にはないわけです。
この時は、大田市場は卸売市場であるという点や消費者は大田市場に参加しないからだ、といった点から説明を試みたわけですが、
その説明は現実的にはやはり正しいと今でも思いますが、別の視点からの説明として、今日辿り着いた結論に即して言えば、
「花きの場合は、その本源的価値が変動しないからである。」という説明付けが可能なのではないかと思いました。
そして、社債の場合は、発行者が倒産しない限り「社債の本源的価値」は一定不変であるわけです。
社債がその額面金額以上の本源的価値を持つことなど絶対にあり得ないわけなのですから、
倒産の可能性が予見されない限り、市場で社債の売買が繰り返されることは理論的にはない(社債の回転率は著しく低い)のです。
Some objects traded in the market make a very high turnover, and others only
one time.
The latter objects are traded in the market only one
time.
Whether the turnover of an object in the market is high or low depends
on
how easily the intrinsic value of the object cauculated by each
participant in the market varies.
The more easily the intrinsic value varies,
the higher the turnover is in theory.
If the intrinsic value of an object
doesn't vary at all, the turnover of the object in the market is only one
time.
The cause for the variation in the intrinsic value of an object
is,
most typically and most familiarly, "disclosure" by an issuer of an
object,
and, for example, a public declaration on a foreign policy issued by
the U.S. Presidential Press Secretary,
the raise in the price of petrol
determined by the Organization of the Petroleum Exporting Countries,
a
weather forecast for a long period of time,
a report concerning an abundant
or an average or a bad crop by a farmer of produce,
findings saying that the
electorate have answered that
the Opposition party will win the next the
general election of members of the House of Representatives,
a trade paper
carrying to stakeholders in the trade that a rollback in the vehicle emissions
control
is likely to be O.K.'d in the next year session the Diet,
domestic
foreign news about political situations in North Korea,
domestic foreign news
about the fact that one country is planning to erect a tariff wall newly
and
that another country is laying down the lines of a cut in a corporation tax rate
in the near future, etc.
The degree of variations in the intrinsic value of
an object determines a turnover of the object in the market.
Which of the
primary sector, the secondary sector and the tertiary sector an object is
classified as
has nothing to do with a turnover of the object in the market.
市場で取引される目的物の中には、回転率が非常に多い目的物もあれば回転率が1単位だけの目的物もあります。
後者の目的物は、市場で1回だけ売買がなされます。
市場における目的物の回転率が高くなるのか低くなるのかは、
市場参加者1人1人が算定する目的物の本源的価値の変動のしやすさ次第となります。
本源的価値が変動しやすければ変動しやすいほど、理論的には目的物の回転率はより高くなります。
目的物の本源的価値が一切変動しない場合は、市場におけるその目的物の回転率は1回のみとなります。
目的物の本源的価値が変動する原因は、最も典型的かつ最も馴染み深いものとしては
目的物の発行者による「ディスクロージャー」がありますし、さらには、例えば、
アメリカ大統領報道官により発表された外交方針に関する公式声明であったり、
石油輸出国機構(OPEC)による原油価格の引き上げ決定であったり、天気の長期予報であったり、
農産物を生産する農場経営者からの豊作や平年作や凶作に関する報告であったり、
次の衆議院議員総選挙では野党が勝つだろうと有権者が答えたという調査結果であったり、
来年招集される国会で自動車排ガス規制の緩和が承認されそうだと業界関係者に伝える業界紙であったり、
北朝鮮における政情に関する国内外の報道であったり、
ある国が新たに関税障壁を設けることを計画しているという国内外の報道であったり、
またある国が近い将来法人税率を引き下げる方針を打ち出しているという報道であったり、などなどです。
目的物の本源的価値の変動の度合いが、市場におけるその目的物の回転率を決定するのです。
目的物が第一次産業、第二次産業、第三次産業のうちどれに分類されるのかは、市場におけるその目的物の回転率とは無関係なのです。