2016年7月30日(土)
http://citizen.nobody.jp/html/201607/20160730.html
2016年7月31日(日)
http://citizen.nobody.jp/html/201607/20160731.html
2016年8月1日(月)
http://citizen.nobody.jp/html/201608/20160801.html
2016年8月2日(火)
http://citizen.nobody.jp/html/201608/20160802.html
昨日、投資法人の合併公告を2つ紹介しました。
一方は債権者のみを対象とした公告、もう一方は債権者ではなく反対投資主を対象とした公告であったわけです。
それで、トップリート投資法人が「投資口の買取請求」に関する公告を行っていたわけなのですが、
トップリート投資法人が合併の承認決議を取った時の投資主総会の招集に関する公告がありましたので紹介します。
2016年5月27日(金)日本経済新聞 公告
投資主総会招集及び基準日設定公告
トップリート投資法人
(記事)
昨日も書きましたが、多数決で議事を決することにしている場合は、多数決で決まったことは全会一致で決まったことと同じです。
総会では、「どの議案に全ての株式の取り扱いを合わせるか」について決議を取るわけです。
一部の株式の取り扱いについて総会で決議を取るわけではないのです。
その意味において、反対株主の意見は、多数決の結果、度外視されることになったのではなく、
可決された議案に合わせることになっただけなのだ、というふうに理解をしなければならないでしょう。
The majority drives out the minority.
過半数は半数未満を駆逐する。
それから、他の合併公告や吸収分割公告を読んでいて、ふとあることに気が付きました。
行われる組織再編行為が合併か吸収分割かなのかはここでは問題ではありません。
債権者保護手続きの中で、「最終の貸借対照表」を閲覧するために、何を参照するよう告げているか、
について注意して各公告を読んで下さい。
2016年7月21日(木)日本経済新聞 公告
吸収分割公告
株式会社クラウディアコスチュームサービス
株式会社クラウディアブライダルサービス
(記事)
2016年5月4日(水)日本経済新聞 公告
第6期決算公告
株式会社クラウディアブライダルサービス
(記事)
2016年5月5日(木)日本経済新聞 公告
第17期決算公告
株式会社クラウディアコスチュームサービス
(記事)
In this announcement, the daily newspaper says "Please refer to the past issue of this newspaper."
この公告では、「弊紙の過去の新聞を参照して下さい。」と日刊新聞紙が言っているわけです。
In this announcement, the daily newspaper says "Please refer to the past issue of this newspaper."
この公告では、「弊紙の過去の新聞を参照して下さい。」と日刊新聞紙が言っているわけです。
この公告では、「官報の過去の号を参照して下さい。」と日刊新聞紙が言っているわけです。
紹介している公告は全て、日本経済新聞に掲載されている公告であるわけですが、
今日私がふと気が付いたことというのは、当事会社の「最終の貸借対照表」を閲覧するために参照するべき媒体です。
株式会社クラウディアコスチュームサービスと株式会社クラウディアブライダルサービスの吸収分割公告には、
過去の「日本経済新聞」に最終の貸借対照表を開示しましたのでそれを参照して下さい、と書かれてあるわけです。
また、株式会社神明ホールディングスと株式会社神明の合併公告にも、
過去の「日本経済新聞」に最終の貸借対照表を開示しましたのでそれを参照して下さい、と書かれてあるわけです。
ところが、ボストン・サイエンティフィックジャパン株式会社と日本AMS株式会社の合併公告には、
過去の「官報」に最終の貸借対照表を開示しましたのでそれを参照して下さい、と書かれてあるわけです。
これは考えようによっては少しおかしいといえるのかもしれないな、と思いました。
日本経済新聞に掲載されている公告なのに、官報を参照して下さい、というのは、
情報の伝達手段としての統一性がないように思いました。
日本経済新聞に公告を掲載するのであれば、日本経済新聞だけを見ていれば必要な情報が完結するよう取り計らうべきであり、
また、官報に公告を掲載するのであれば、官報だけを見ていれば必要な情報が完結するよう取り計らうべきなのではないか、
とふと思いました。
特に上2つの公告では、日本経済新聞だけを見ていれば必要な情報が完結する(別途官報を参照しなくてよい)わけです。
情報の伝達手段としては、1つの媒体のみで完結する方が望ましいような気がするな、と思ったわけです。
複数の媒体に必要な情報が分かれて掲載されているというのは、1つの媒体のみに必要な情報が掲載されているよりも、
情報利用者(ここでは特に債権者)の立場から言えば、決して望ましくはないように思いました。
確かに、日本経済新聞にせよ官報にせよ、該当する過去の掲載紙を閲覧するためには、実際には図書館に赴くことになるでしょう。
日本経済新聞であれ官報であれ、過去の号を全て手許に保管している、などという読者はいないわけです。
その意味では、参照すべき情報が日本経済新聞と官報とに分かれていても、かかる時間や手間は結局同じかもしれません。
しかし、理論的には、どれか1つの媒体を購読していれば必要な情報は全て伝達される、という状態でなければならないと思います。
そうでなければ、会社法では「両方の媒体に公告を掲載しなければならない。」と定めなければならないでしょう。
「公告を掲載するのは日刊新聞紙か官報のどちらかでよい。」では、対象者はどちらを見ればよいか分からなくなるわけです。
情報伝達の観点から、「これを見るようにして下さい。」と会社法では定めなければならないのではないでしょうか。
情報伝達媒体を一本化することを考えれば、理論的にはやはり、公告は官報のみに掲載する、という考え方になると思います。