2018年11月22日(木)



2018年10月30日(火)日本経済新聞
総合取引所「速やかに」 日本取引所CEO 東商取と合意巡り
(記事)



2018年10月30日(火)日本経済新聞
日本取引所 純利益5%増 4〜9月
(記事)



2018年11月9日(金)日本経済新聞
総合取引所構想 「前提は活性化」 浜田東商取社長
半導体ウエハー出荷面積 3四半期連続最高 7〜9月3%増 「IoT」需要伸びる
北米産丸太値下がり 11月積み 日本向け3ヵ月連続
印刷・情報用紙値上げ 北越コーポ 来年1月出荷から
(記事)



2018年11月13日(火)日本経済新聞
再浮上した総合取引所構想 「隔たり」は埋まるか
(記事)



2018年11月14日(水)日本経済新聞
データで読む商品
大田市場、入荷10年で14%増 地方市場は苦戦、青果集中
(記事)



2018年11月14日(水)日本経済新聞
商品先物3社、最終赤字 4〜9月
(記事)

 


2018年11月16日(金)日本経済新聞
総合取引所「来春に方向性」
JPXCEO 清田 瞭氏 日本市場拡大に必須
東商取社長 浜田 隆道氏 メリットあれば合意
劣勢覆す最後の機会
(記事)



2018年11月20日(火)日本経済新聞
商品先物 苦境の構図 上
勧誘規制で売買高8割減 FXなどと競合 流動性落ち魅力薄れ
(記事)



2018年11月21日(水)日本経済新聞
商品先物 苦境の構図 中
商品拡充も利用定着せず 実需家参加より売買高優先
(記事)



2018年11月22日(木)日本経済新聞
商品先物 苦境の構図 下
海外マネーに活路 清算機構の強化に課題
(記事)

 

 


「『総合取引所』という概念は投資家の利益を害さない。」、という点について考察を行った時のコメント↓。

2018年10月28日(日)
http://citizen.nobody.jp/html/201810/20181028.html

 

「現物の価格と現物の価格を比較するのが先物取引である。」、という点について考察を行った時のコメント↓。

2018年11月7日(水)
http://citizen.nobody.jp/html/201811/20181107.html

 

「東京商品取引所(TOCOM)が開設・運営している商品市場は、
『先物市場ではなく現物市場なのだが現物の受渡しは行われない現物市場』である。」という点と、
「株式であれ商品であれ、現物の受渡しが行われさえすれば、投資家は後のことは一切気にならない。
なぜならば、現物の受渡しが行われさえすれば、投資家は取引により目的物の本源的価値を手に入れるからである。 」、
という点について考察を行った時のコメント↓。

2018年11月8日(木)
http://citizen.nobody.jp/html/201811/20181108.html

 

 



【コメント】
東京商品取引所(TOCOM)が開設・運営している商品市場(日本ではどういうわけか「商品先物市場」と呼んでいるようです)は、
「先物市場ではなく現物市場なのだが現物の受渡しは行われない現物市場」であるわけですが、
紹介している記事を読んで、現物の受渡が行われないことの問題を一言で説明する言葉を見かけました。
それは、「実需」という言葉です。
国語辞書を引きますと、「実需」とは「消費者の実際の需要」という意味であり、また、
「実需」の対義語は「空(カラ)需要」であると載っています。
国語辞書を引きますと、「空(カラ)需要」とは、
文字通り「商品・株などの先行き値上がりを見越して、買い注文がふえること」と載っています。
「実需」は英語で"real demand"と訳すのではないだろうかと思ったのですが、
インターネットで調べてみますと、"actual demand"という英訳が最も一般的である(訳例が最も多い)ようです。
ただ、「空(カラ)需要」をインターネットで調べても適当な英訳は見当たらなかったのですが、
個人的には、「空(カラ)需要」は英語で"imaginary demand"と訳すことができるのではないかと思います。
「空(カラ)需要」の「空」は「空っぽ」という意味もあるわけですが、ここでは「架空」という意味合いが強いと思います。
「実需」と「空(カラ)需要」の対比(対照的な状態)から考えますと、「商品先物市場」という文脈においてはやはり、
「実需」は"real demand"、「空(カラ)需要」は"imaginary demand"と訳すべきではないだろうかと思います。
日本語の英訳に話が少し脱線しましたが、「商品先物市場」では「実需」は全く関係ないわけです。
「商品先物市場」では「実需」は全く関係なく、上場商品の取引が行われているわけです。
「実需」は全く関係ないとなりますと、その上場商品の取引の根拠は勢い「架空」になります。
投資家は、実際に商品を買うことを考えているのではなく、
頭の中で「この商品の価格は将来上がるだろう」と考えているだけなのです。
取引において「実需」は全く関係ないとなりますと、上場商品そのものが架空でも全く構わないということになります。
例えば、「1ヘクタール当たり現在の品種の2倍の米を収穫できる苗」(新種の苗)を「商品先物市場」に上場させることができる、
といった具合になるわけです。
実際には「1ヘクタール当たり現在の品種の2倍の米を収穫できる苗」は存在しませんが、
そのような苗があることにして上場商品に仕立て上げることはできるわけです。
実際にはその苗を相手方に受け渡すことはありませんから、そのような苗は実際には存在しなくても何ら支障はないわけです。
実際には「1ヘクタール当たり現在の品種の2倍の米を収穫できる苗」は存在しないにも関わらず、
投資家は「1ヘクタール当たり現在の品種の2倍の米を収穫できる苗」を「商品先物市場」で取引することができます。
今年は空梅雨だの冷夏だの豊作だの作況指数はいくらだの台風被害に遭っている農家が多いだのといった報道や情報を根拠に、
投資家は実際には存在しない「1ヘクタール当たり現在の品種の2倍の米を収穫できる苗」を
現実に「商品先物市場」で取引することができるのです。
しかし、その取引に意味があるでしょうか。
その取引というのは、一定の意味ありげな情報を根拠にしているとは言え、結局はただのギャンブルなのではないでしょうか。
他の言い方をすれば、「1ヘクタール当たり現在の品種の2倍の米を収穫できる苗」に付いている価格に意味はあるのでしょうか。
価格には意味があるのです。
「それを手に入れるためにはこの対価を支払っても構わない。」と買い手が納得して支払ったお金を価格というのです。
ないものに対価を支払うというのはおかしいのではないでしょうか。
買い手はこの時、一体何を手に入れたというのでしょうか。
上場商品を購入するとその後売却益を得られる場合があるので、この問題点が見えづらくなっているだけなのです。
「1ヘクタール当たり現在の品種の2倍の米を収穫できる苗」は、当たるかもしれないし外れるかもしれない宝くじなのです。

 



The fact that spot goods are not transferred in the market means
that those spot goods themselves don't have to exist from the beginning, actually.
In other words, in such market system, supply and demand for spot goods have nothing to do with the price in the market.
Investors in such market want to buy
not spot goods themselves but something whose price in the market is expected to rise in the future.

市場で現物の受渡しをしないというのは、実はそれら現物そのものが始めから存在しなくてもよい、という意味なのです。
他の言い方をすれば、そのような市場制度においては、現物の需給は市場における価格と関係がないのです。
そのような市場における投資家は、現物そのものを買いたいのではなく、
市場価格がその後上昇すると見込まれる何かを買いたいのです。

 

Spot market where spot goods are not transferred.

現物の受渡は行われない現物市場

 

Spot market where spot goods are transferred.

現物の受渡が行われる現物市場

 

A price has a meaning in it.

価格には意味があるのです。

 

The fact that spot goods are not transferred in the market means that an investor pays the price for nothing.
And, the investor can sell the "nothing" to another investor in the market in the future.
The price of a lottery doesn't depend on the supply and demand.
Neither spot goods which are not transferred nor a lottery has the intrinsic value in it.

市場で現物の受渡しをしないというのは、投資家はないものに対して代金を支払っているという意味なのです。
そして、その投資家はその後その「ないもの」を他の投資家に売却することができるのです。
宝くじの価格は、需要と供給に基づいてはいないのです。
受渡は行われない現物にも宝くじにも、本源的価値はないのです。