2018年8月10日(金)



2018年8月9日(木)日本経済新聞
西友漂流 上
異業種台頭「毎日安く」埋没 ウォルマート流 改革停滞
(記事)




2018年8月10日(金)日本経済新聞
西友漂流 下
甘く見た日本の商習慣 卸を軽視 品ぞろえ弱く
(記事)



 

米ウォルマートが西友を売却することについての一連のコメント↓


2018年7月13日(金)
http://citizen.nobody.jp/html/201807/20180713.html

から

2018年7月16日(月)
http://citizen.nobody.jp/html/201807/20180716.html

までのコメント

 


東武鉄道が東武ストアを完全子会社化することについてのコメント↓

2018年8月1日(水)
http://citizen.nobody.jp/html/201808/20180801.html

 

 


【コメント】
記事中に出てくる小売業や他の大手小売業の発祥について考えてみました。

○米ウォルマート→小売業が発祥
○ダイエー→小売業が発祥
○イトーヨーカ堂→小売業が発祥
○イオン→小売業が発祥
○西友→西武鉄道が発祥
○東武ストア→東武鉄道が発祥
○阪神阪急百貨店→阪神電機鉄道・阪急電鉄が発祥
○三越伊勢丹、高島屋→小売業(百貨店)が発祥
○西武百貨店→西武鉄道が発祥
○そごう→小売業(百貨店)が発祥

「小売業」というキーワードで検索してみますと、家電量販店やカジュアル洋服店やドラッグストアや家具販売店等々も
「小売業」というカテゴリーに分類されるようです(全国に店舗がある大手書店も「小売業」に分類されてしまうでしょう)が、
今日は「小売業」の範囲を限定し、スーパーマーケットと百貨店のみについて考えてみたいと思います。
ざっと思い付いた大手「小売業」を挙げてその発祥をまとめてみたのですが、
「小売業」の発祥は、「@小売業そのもの」か「A鉄道業」かのどちらかであると思いました。
鉄道業を本業とする企業が自社の鉄道の駅と事実上一体化させる形で店舗を展開していった、
という経緯を持つのが鉄道業を発祥とする小売業であるわけです。
鉄道業を本業とする企業にとっては、シナジーの追求が小売業を手掛ける目的であったわけです。
逆に、小売業を発祥とする小売業は立地条件を勘案しながら街中に店舗を展開していったわけです。
小売業を発祥とする小売業にとって、シナジーの追求は小売業を手掛ける目的ではなかったわけです。
小売業もここ20年間に大規模なM&Aが行われまして、
例えば西武鉄道が発祥の西武百貨店が現在ではイトーヨーカ堂を源流とするセブン&アイ・ホールディングスの傘下にありまして、
現在ではあまりその発祥(「@小売業そのもの」か「A鉄道業」か)は関係がないのではないか、と思われるかもしれません。
確かに、小売業(会社、法人)としての規模が大きくなり、親会社(鉄道業)からは独立して小売業を営むようになりますと、
発祥が相対的に関係がなくなってきますし、まさに西武百貨店がそうであるように、
現在ではその発祥は関係がなくなっている(西武百貨店はセブン&アイ傘下でも順調に営業が行われている)と言えると思います。
しかし、そもそもの話をすると、鉄道業を本業としている企業は「この場所に店舗を作ればシナジーを追求できる。」
と判断して店舗を作っていた経緯があるわけです。
その点において鉄道業を発祥とする小売業は、小売業そのものを発祥とする小売業とは、
店舗の意味が全く異なると思ったわけです。
鉄道業を発祥とする小売業は駅前の一等地に所在することが非常に多いので事の本質が見えづらくなっているだけであり、
一般論と言いますか普遍的な経営戦略論としては、たとえ鉄道業を発祥とする小売業にとって立地条件が良い店舗でも
小売業を発祥とする小売業にとっては立地条件が悪い店舗である、ということがあり得るわけです。
他の言い方をすると、鉄道業を発祥とする小売業の店舗は鉄道業を前提とした店舗である、という言い方ができるわけです。
一言で言えば、「立地条件は決して全社共通ではない。」(立地条件は会社毎に異なる)、と表現できるわけです。
今日紹介しています昨日と本日の2本の日本経済新聞の記事は、端的に言えば戦術面に関する内容であるわけですが、
大きな視点から小売業を見ますと、(鉄道業から見た・鉄道業を前提とした)戦略(店舗設立の経緯・背景)が元来的にはあった、
という点は理解しておいてよいのではないかと思いました。