2017年8月8日(火)

昨日までの一連のコメントに一言だけ追記をします。
特に2017年8月4日(金)のコメントの続きとして一言だけ書きたいと思います。

 

過去の関連コメント

2017年7月25日(火)
http://citizen.nobody.jp/html/201707/20170725.html

2017年7月27日(木)
http://citizen.nobody.jp/html/201707/20170727.html

から

2017年8月7日(月)
http://citizen.nobody.jp/html/201708/20170807.html

までの一連のコメント。

 


2017年8月4日(金)のコメントでは、「収益認識」(何をもって収益を認識するのか)に関連し、
グローブライド株式会社の事例(記事とプレスリリース)を紹介しました。
今日は、基準日とは何か、という点について一言だけ書きたいと思います。
題材として、東和フードサービス株式会社の記事とプレスリリースを紹介します。

 


2017年6月27日(火)日本経済新聞
議決権基準日 5月末に 東和フード 株主と対話促進
(記事)



東和フード、議決権基準日を5月末に 株主と対話促進

 高級喫茶店「椿屋珈琲店」などを手掛ける東和フードサービスは26日、定款を一部変更すると発表した。
4月末にしていた議決権行使の基準日を5月末にずらす。
株主が有価証券報告書をじっくり読み込める期間を長く取り、総会で経営陣と株主の対話促進を目指す。
 7月25日に開催予定の定時株主総会で決める。今後は総会の開催日も従来の7月を変更し、8月末まとする。

 会社法は議決権を行使できる株主を確定する基準日から、3カ月以内に株主総会を開くよう求めている。
3月期決算企業の多くは、基準日を決算期末と同じ3月末に設定しているため、約3カ月後の6月末に総会が集中しやすい。
 東和フードは4月期決算で、基準日は決算期末に合わせていた。
企業統治(コーポレートガバナンス)向上の一環として投資家との対話促進を強化する。
(日本経済新聞 2017/6/26 22:52)
ttp://www.nikkei.com/article/DGXLZO18129850W7A620C1DTA000/

 



2017年6月26日
東和フードサービス株式会社
定款一部変更に関するお知らせ
ttp://www.towafood-net.co.jp/Portals/0/20170626定款一部変更の件(基準日変更).pdf

 

2017年7月25日
東和フードサービス株式会社
東和フードサービス株式会社定款(2017年7月25日)
ttp://www.towafood-net.co.jp/Portals/0/101定款(2017.7.25).pdf

 

2017年7月25日
東和フードサービス株式会社
コーポレートガバナンス報告書
ttp://www.towafood-net.co.jp/Portals/0/コーポレートガバナンス報告書.pdf

 



東和フードサービス株式会社は4月期決算であるわけですが、
ここではより話を一般化し、3月期決算の企業を想定した上でコメントを書きます。
端的に言えば、3月期決算の企業が定時株主総会の開催日を7月にしたい場合は、
基準日を本来の3月末日から4月末日に変更すればよい、ということになるわけです。
基準日が3月末日の場合は、6月末日までに定時株主総会を開催しなければならないのですが、
基準日を4月末日した場合は、7月末日までに定時株主総会を開催すればよい、ということになるわけです。
また、基準をいつに設定するかについては、会社法上特段制限はないようです。
ですので、3月期決算の企業が基準日を4月末にすることも5月末にすることも6月末にすることも会社法上は可能だと思います。
この場合、定時株主総会は、それぞれ7月末まで、8月末まで、9月末まで、に開催すればよい、ということになります。
理論的には、「基準日とは決算日のことである。」の一言であるわけですが、
基準日と決算日が異なることの会計面から見た一番大きな問題点は、
「配当の財源と配当の受取人とが日付という点においてズレている。」ということになります。
当期の経営の結果(会社が稼得した利益)を株主に支払おうという時に、次期の期中の株主に対して支払ってどうするのでしょうか。
当期の経営の結果(会社が稼得した利益)は当期の株主に支払うべきでしょう。
「当期の株主」とはこの場合、「当期末の株主」という意味です。
基準日と決算日が異なっていますと、会計理論的には、もはや誰に配当を支払っているのかが不明(理論的整合性がない)、
という状態になってしまうのです。
基準日が決算日であることには、会計理論に基づく本質的理由があるのです。
以下、東和フードサービス株式会社は3月期決算であると勘違いして書いた点も少しあるのですが、
東和フードサービス株式会社が3月期決算であろうが4月期決算であろうが、
基準日と決算日が異なるという点に本質的違いはありません。
一番重要なことは、基準日と決算日は同じ日でなければならない、ということなのです。

 


「定款一部変更に関するお知らせ」
1.変更の理由
2.変更の内容
3.日程
(1/1ページ)


「東和フードサービス株式会社定款(2017年7月25日)」
株主総会
(2/7ページ)

>(招 集)
>第 11 条 当会社の定時株主総会は、毎年8月末日までに招集し、臨時株主総会は、必要あるときに随時これを招集する。
>(定時株主総会の基準日)
>第 12 条 当会社の定時株主総会の議決権の基準日は、毎年5月31日とする。

 


「コーポレートガバナンス報告書」
V株主その他の利害関係者に関する施策の実施状況
1.株主総会の活性化及び議決権行使の円滑化に向けての取組み状況
(6/8ページ)

 


A record date is a closing date.

基準日とは決算日のことです。

 

If a company's purpose is enhancing its agility, it should move up its date of an annual meeting of shareholders.
The fact that a company holds an annual meeting of shareholders at the end of August means
that the shareholders discuss the company's matters as of the end of March at the end of August.

会社の目的が迅速さを向上させることにあるのなら、会社は定時株主総会の期日を前倒しするべきなのです。
会社が8月末に定時株主総会を開催するというのは、
株主は3月末時点の会社の事柄について8月末に議論をする、という意味なのです。

 

In theory, a director's tenure of office is
from the beginning date of a business year to the end date of the business year.
That is to say, in case of TowaFoodService CO., LTD., each director's tenure of office is
from April 1st to March 31st of the next year in theory, even after this change of a record date.

理論上は、取締役の任期というのは、事業年度の開始日から事業年度の終了日までなのです。
すなわち、東和フードサービス株式会社の場合は、各取締役の任期は、理論上は4月1日から翌3月31日まででとなるわけです。
このたびの基準日の変更後であってもそうなのです。

 

Even though all of the listed companies hold their respective annual meetings of shareholders at the same date,
what you call a "sokaiya" can easily attend all of the meetings.
For a "sokaiya" has a lot of constituent members in it.
The number of listed companies in Japan is less than 4,000,
whereas the number of constituent members from certain quarters in Japan is more than 80,000.

たとえ上場企業の全社が同一の日に定時株主総会を開催したとしても、
いわゆる「総会屋」は開催された全ての定時株主総会に簡単に出席することができるのです。
というのは、「総会屋」にはたくさんの構成員がいるからです。
日本の上場企業の数は4,000社未満ですが、日本のその筋の構成員の数は80,000人を超えているのです。