2017年2月21日(火)
2017年2月21日(火)日本経済新聞
企業向け情報開示の新規制 「開示に影響」5割超 IR協議会調査
(記事)
2017年2月20日
アスクル株式会社
平成 29
年5月期第3四半期決算(9ヶ月累計)発表日に関するお知らせ
ttp://pdf.irpocket.com/C2678/o1Tt/eoEw/RNOF.pdf
2017年2月20日
一般社団法人
日本IR協議会
フェア・ディスクロージャー・ルール案を知っている企業が回答社の8割
ttps://www.jira.or.jp/file/topics_file1_37.pdf
2017年2月13日
株式会社ピーシーデポコーポレーション
平成29年3月期第3四半期決算発表について
ttp://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?cat=tdnet&sid=1442326
過去の関連コメント
2016年11月28日(月)
http://citizen.nobody.jp/html/201611/20161128.html
2017年1月28日(土)
http://citizen.nobody.jp/html/201701/20170128.html
2017年2月20日(月)
http://citizen.nobody.jp/html/201702/20170220.html
>第3四半期決算の発表日を平成29 年3月16 日(木)に予定しておりましたが、平成29 年2月16
日(木)に発生いたしました
>「ASKUL Logi PARK
首都圏」(物流センター)における火災に伴い、一旦未定とさせていただきます。
>なお、発表予定日につきましては、決定次第速やかにお知らせいたします。
「2017年5月期第3四半期」の決算期末日は「2017年2月28日」です。
このたびアスクル株式会社において発生した火災による影響額のうち、「2017年2月28日」時点までに判明したり
合理的な見積りとして金額の見通しが立ったものについては、「2017年5月期第3四半期」の業績に織り込まなければなりません。
「2017年3月1日」以降に判明したり見通しが立った分については、逆に「2017年5月期第3四半期」の業績に織り込んではなりません。
あくまで決算期末日である「『2017年2月28日』時点」で判明したり見通しが立っている分について、
「2017年5月期第3四半期」の業績に織り込むことが、財務諸表の作成の上で必要であり十分なのです。
それで、昨日書きました論点と関係がある点について書きたいのですが、
このたびのアスクル株式会社の事例では、火災の影響額がどの程度になるかについての精査(被災状況の確認)が必要となるために
決算短信の発表を延期するとのことです。
しかし、一般論としての話になりますが、例えば、
経理部で火災が発生し財務諸表作成のための経理資料が焼失した結果、決算短信の発表が当初の予定よりも大幅に遅れる、
という事態も現実には起こり得ると思います。
その場合、昨日書きました私のコメントに即して言えば、統一された決算短信の開示日時である「2月の第2土曜日の朝9時」に
間に合わなくなってしまう、ということになります。
全上場企業で決算短信の開示日時を統一することにしているにも関わらず、ある1社だけは決算短信を開示できない、となりますと、
それでは何のために開示日時を統一しているのか分からなくなると言えるでしょう。
現実に起こり得る火災が原因となりますと、その場合は証券取引所も市場の投資家も現実にはどうしようもないのかもしれませんが、
今日の日本経済新聞には、火災が原因で決算短信の発表を延期する、という事例が載っていましたので、
統一された開示日時に決算短信を開示できない場合も現実にはあり得るなと思い、その点について一言だけ書きました。
>企業が伝えている情報のうち、どれが株価に影響を与えそうな「重要情報」かをたずねたところ、
>「直近に公表した業績予想修正の要因」、「業績予想修正の機会とリスク」など業績関連情報をあげる企業が多くありました。
全ての上場企業が必ずしも業績予想の修正を行うわけではありませんし、また、
全ての上場企業が必ずしも業績予想の修正を行う可能性を秘めているわけでもありません。
それどころか、業績予想の修正は行わないに越したことはないわけです。
「当初の予想とは異なる数値が発表された」という点において、業績予想の修正が行われて喜ぶ投資家はいないのです。
なぜなら、例えば、当初の業績予想では減収減益予想であったので株式を売却してしまったのだが、
後に業績予想の修正が行われ、増収増益へと業績予想が上方修正された結果、
それならば株式を売らなければよかった、と嘆くような投資家が現れてしまうからです。
社会・世間一般では、株式投資はギャンブルに近いと思われているところがあると思いますが、
理論的には・法制度構築上は・元来的には、株式投資は何らギャンブルではないのです。
ところが、業績予想だ業績予想の修正だとなりますと、途端にギャンブルの要素・要因が株式投資に生じるのです。
率直に言えば、「企業の業績を予想する」のは市場の投資家なのです。
企業自身ではないのです。
理論上の結論を言えば、実は、「企業は業績予想の開示を行ってはならない。」のです。
企業の経営企画部などで、経営計画を立案したり将来の業績見通しを立てることは経営管理上重要なことであるわけですが、
その将来の業績見通しを市場に開示すると、株式市場がカジノ(ギャンブルをする場)になってしまうのです。
「フェア・ディスクロージャー・ルール」導入の議論では、「どの情報を開示すべきでありどの情報は開示してはならないのか」
についての線引きが理論上も実務上も極めて難しいと言われますが、それはそのはずでしょう。
理論上は、企業は業績予想の開示すら行ってはならないのですから。
It is not a listed company itself but each investor in the market
that
expects future financial results of the company, actually.
実は、上場企業の将来の業績を予想するのは、企業自身ではなく、市場の各投資家の方なのです。
Each one of the investors in the market has his own expectation on a company.
市場の投資家には、企業についてのそれぞれの業績予想があるのです。