2016年7月22日(金)
IRニュース
ttp://www.toshiba.co.jp/about/ir/jp/news/index_j.htm
2015年度 - 第177期
(2016年3月期)決算短信
ttp://www.toshiba.co.jp/about/ir/jp/library/er/er2015.htm
過去の関連コメント
2016年7月12日(火)
http://citizen.nobody.jp/html/201607/20160712.html
2016年7月20日(水)
http://citizen.nobody.jp/html/201607/20160720.html
2016年7月21日(木)
http://citizen.nobody.jp/html/201607/20160721.html
【コメント】
東芝は、2016年5月12日に2016年3月期の決算短信を発表したのですが、その後その決算数値に訂正が生じたということで、
2016年5月23日になって発表済みの決算短信を訂正したようです。
ウェブサイトには訂正後の決算短信のみを掲載するようにしたようです。
紹介している2016年5月24日(火)の日本経済新聞の記事が、2016年5月23日付けの決算短信の訂正についての記事であるわけです。
ところが、話はこれで終わらず、
2016年5月23日に訂正した決算短信にも誤りがあったようで、2016年6月24日になって再訂正を行っています。
また、2016年6月22日に第177期定時株主総会を開催したようです。
そして、2016年6月24日に「第177期有価証券報告書」を提出したようです。
再訂正日や株主総会の招集通知の送付のことを考えますと、2016年6月22日に開催した定時株主総会では、
再訂正の内容は反映されないまま、株主総会決議が取られたのだと思います。
もちろん、株主総会後に決算の内容が訂正されたからと言って、株主総会で取られた決議が無効になるということはありません。
他の言い方をすれば、計算書類の内容に誤りがあったことは、招集手続きに瑕疵があることは意味しないのです。
さらに他の言い方をすれば、計算書類の内容に誤りがあったことは、株主総会決議の無効原因にはならないのです。
計算書類に誤りがあることが発見されても、現実的には、
株主総会決議自体は有効なまま、事後的に誤りに対し修正や対応を取っていくことしかできないわけです。
2016年7月12日(火)
、2016年7月20日(水)、2016年7月21日(木)
に書いてきたことですが、
結局のところ、「財務諸表に誤りがあった場合はどうするのか?」という問いには答えはないのだと思います。
タイムマシンがない限り、財務諸表に誤りがあったことに対する根治は絶対的に不可能なのです。
人間にできることは、財務諸表に誤りがあったことに対して、事後的に問題が小さくなるよう対応を取っていくことだけなのです。
東芝は、2016年6月24日に決算の内容の再訂正を行ったわけですが、
では7月になって再々訂正を行うことになったとしたら、どのような対応が考えられるでしょうか。
その間株式の売買を行った投資家の利益はどのように考えるべきでしょうか。
また、間違った内容の計算書類に基づいて株主総会で決議を取ったことになるわけですが、そのことは問題ないのでしょうか。
いくら考えても、この問題の解決策はないわけです。
会社側が始めから正しい財務諸表を作成する、これ以外の答えはないわけです。
紹介している記事では、東芝は監査法人の指摘を受けて決算の内容を訂正することにした、と書かれています。
しかし、理論上は、会社が決算期末日に財務諸表を作成した時点でその財務諸表は確定しているわけです。
決算期末日以後に把握した事実は、財務諸表に反映させるべきではないわけです。
極端に言えば、確定している財務諸表に対して会計監査を行っていること自体が、理論上の矛盾だと言えるでしょう。
仮に会計監査を行うとすれば、決算期末日後に「確定した財務諸表」に関して行うのではなく、
期中に「財務諸表を作成する手続きに入る前に」定期的・経常的に日々の仕訳に関して行うようにするべきなのだと思います。
本来的には、法人税法に基づく確定申告は会社だけで完結しているように(確定申告書に税理士の監査は不要)、
たとえ上場企業であろうとも、会社が財務諸表を作成してそれで確定・完了、というだけのことであるべきだと思います。
An impairment loss itself has nothing to do with shareholders.
減損損失そのものは、株主には関係ありません。