2016年3月26日(土)


今日も、新規上場時の「公開価格」について、一言だけ書きたいと思います。
主に、以下の4日間のコメントに対する追記になります。


2016年3月2日(水)
http://citizen.nobody.jp/html/201603/20160302.html

2016年3月23日(水)
http://citizen.nobody.jp/html/201603/20160323.html

2016年3月24日(木)
http://citizen.nobody.jp/html/201603/20160324.html

2016年3月25日(金)
http://citizen.nobody.jp/html/201603/20160324.html


株式の公開価格の決定方式として、一般競争入札方式とブックビルディング方式があるようなのですが、
現在は、ブックビルディング方式による株式公開が主流となっているようです。
それで、インターネットで検索してみますと、ブックビルディング方式による公開価格決定については解説記事が多いのですが、
一般競争入札方式による公開価格決定については解説記事が極めて少ないように思います。
一般競争入札方式については、私は詳しくはありませんので、自分のための勉強という意味も含め、
昨日のように、まずはインターネット上の解説記事を引用してみたいと思います。

 



「マネー百科」の「金融用語辞典」には、次のような解説記事が載っていました。

 

>競争入札方式
>
>競争入札方式とは、公開株式の50%以上を一般投資家による競争入札に付し、
>この入札結果である落札価格を加重平均して算出した価格を基準として、
>当該入札の実施状況、上場日までの期間に係る株式相場の変動により発生し得るリスクおよび公募増資等に対する需要見通し等
>を総合的に勘案して、公募価格を決定する方式です。
>入札にあたっては、証券会社等(金融商品取引業者)が投資家から入札の取次ぎをします。
>また、類似会社比準方式に基づき算出した価格に85%を乗じた価格が最低入札価格とされます。
ttp://money.infobank.co.jp/contents/K200192.htm


>ブックビルディング方式
>
>ブックビルディング方式とは、公開価格の決定方式の1つで、需要積み上げ方式とも呼ばれるものです。
>ブックビルディング方式では、まず引受証券会社が、発行会社の目論見書に基づいて株価算定能力が高いと思われる
>機関投資家等の意見をもとに公開価格の仮条件を決定します。
>その後、仮条件を投資家に提示して、投資家の需要状況を調査し、結果を集計します。これをブックビルディングといいます。
>この集計結果をもとにマーケットの環境などを勘案した上で、主幹事証券と発行会社が協議して、最終的な公開価格を決定します。
>1997年8月までは、株式の新規公開に際しては競争入札方式しかありませんでしたが、
>競争入札方式では公開価格が高く設定されがちで公開後の株式の円滑な流通に支障を来すといった指摘があったため、
>同年9月以降は競争入札方式とブックビルディング方式のいずれかを選択できるようになりました。
>1997年のブックビルディング方式導入後は、すべての企業がこの方式を選択しています。
ttp://money.infobank.co.jp/contents/H300061.htm

 



「株式投資を始めるなら押さえておきたい事! 株式投資を始める心構え」というサイトは、次のような解説が載っていました。

 

>株式公開価格の決定方法とは
>
>株式公開価格の決定方法は2種類あります。それは、一般競争入札方式とブックビルディング方式です。
>一般競争入札方式では、業種や財務内容などが似ている他社の株価等を参考にしながら、
>下限価格だけを決めてから入札を行ないます。そして、この入札結果に基づき公募価格が決められます。
>入札では高い価格をつけた者から落札できますから、公募価格は高騰しやすくなります。
>反対に上場後は価格が急落するという現象が起きやすいため、株式の流通に支障があると問題視されていました。
>そのため、現在はブックビルディング方式が主流となっています。
>ブックビルディング方式では、主幹事となる証券会社が、業種や財務内容が似ている他社の株価等を参考にしながら、
>公開会社の成長性や業績予想を勘案して参考価格を決めます。
>その後、機関投資家へのヒアリングを行い、主幹事証券会社と公開会社で協議し、発行価格の上限と下限を設定します。
>これを仮条件といいます。この仮条件を機関投資家や個人投資家に提示して、需要の申告をしてもらいます。
>その結果を価格帯ごとに集計して、株式市場の状況なども考慮しつつ、
>主幹事証券会社と公開会社が協議を行なった上で公開価格が決定されます。
ttp://www.tcparadise.com/ketteihouhou/

 

>ブックビルディング方式って何?
>
>株式会社が新規上場すると市場によって自由に株式取引を行えるようになるため、公開される株価が重要となります。
>そのため新規上場会社は上場前に必ず株価を公開されなければならないのですが、
>その上場前の公開価格を決定する方式が必要となります。
>そして、ブックビルディング方式とは株式の公開価格を決定する方式の一つで、機関投資家の意見を元にして仮条件を決定し、
>投資家にその条件を提示した上で、マーケットの動向や投資家の需要等により公開価格を決定されるとする方式のことです。
>またの名を投資家の需要に応じて決定することから需要積み上げ方式とも呼ばれて、
>新規上場の申請会社が、この方式を選択することが可能です。
>その他の方式には入札方式がありますが、この方式だと公募による入札で公開価格が便乗値上げされやすいという難点があり、
>円滑な取引が成立されにくいことから、需要積み上げの方式にシフトした経緯があります。
>ただ新規上場会社の取締役会で、どちらの方式を採用するかを選択することが可能であり、
>入札方式を選択することも現在でも可能です。
>なお国際的にも需要積み上げの方式の方がメジャーになり、しかも投機的ではない適正な公開価格を設定できることもあり、
>多くのケースでその方式が採用されることも多いです。
ttp://www.tcparadise.com/bookbukkubirudingu/

 


一般競争入札方式についての私の理解はまだ不十分なところがあり、間違っているのかもしれません。
その場合はご容赦いただきたいと思います。
では、一般競争入札方式とブックビルディング方式と対比しながら、現在自分が理解している点について書いてみたいと思います。
以上の解説記事を読みますと、1997年9月からブックビルディング方式が始まったということですが、
おそらく、このブックビルディング方式において私が批判している証券会社による「買取引受」が行われるのだと思います。
つまり、一般競争入札方式では、証券会社による「買取引受」が行われない、ということなのではないかと思います。
他の言い方をすれば、証券会社による「買取引受」は、1997年9月から行われるようになった、ということではないかと思います。
ブックビルディング方式では、証券会社による「買取引受」が行われ、
一般競争入札方式では、証券会社は純粋に取り次ぎ・窓口・仲介者に徹する(株主にならない)、ということになると思います。
また、ブックビルディング方式は、一般募集に応募した全投資家が同じ価格(公募価格)で株式を購入するのに対し、
一般競争入札方式では、一般募集に応募した全投資家が同じ価格で株式を購入するわけではなく、
応募をした投資家毎に株式の購入価格は異なる、ということではないかと思います。
応募を行った投資家は、窓口である証券会社に対し、購入希望価格を伝え(これが「入札」)、
その入札では高い価格をつけた投資家から株式を落札(購入)できる、ということなのではないかと思います。
つまり、現在のブックビルディング方式でいう「公募価格」に該当する、全投資家に統一的である価格というのは、
一般競争入札方式にはない、ということではないか、と思います(簡単に言えば、一般競争入札方式では「公開価格」などない)。
一般競争入札方式では、公募価格(応募価格)は投資家毎に異なる、ということになると思います。
株式市場における日々の株式の取引では、一番高い買い注文を出した者から株式を買えるかと思いますが、
新規上場時の一般競争入札方式というのは、上場後の株式市場における株式の売買方法に合致している、
ということではないかと思います。
逆から言えば、ブックビルディング方式は、上場後の株式市場における株式の売買方法に全く合致しない(矛盾すらしている)ので、
ここ数日私が書きましたように、論理的には、上場後株式の売買は行われない状態になる、ということになるのではないでしょうか。
引用した上記の解説記事には、一般競争入札方式では”円滑な取引が成立されにくい”、と書かれていますが、
実は話は正反対であり、論理的には、ブックビルディング方式では”円滑な取引が成立されにくい”、ということになると思います。
ブックビルディング方式では、株式の流通に支障がある、すなわち、
論理的には、私が昨日書きました、「誰も買わない。誰も売らない。」という状態になると思います。
もちろん、一般競争入札方式による場合でも、誰も損はしたくなく、誰もが利益を得たいと思うことは変わりありません。
つまり、一般競争入札方式であろうとも、投資家はできるだけ低い価格で株式を買い、
できるだけ高い価格で株式を売りたい、と考えるという点に、ブックビルディング方式の場合とで違いはありません。
例えば、一般競争入札方式により高い価格で株式を買ってしまった投資家は、自分の購入価格よりも低い価格では売りたくない、
という考えを持つことには変わりはないわけです。
しかし、それを言うなら、上場後、株式市場では、まさに一般競争入札方式により株式の取引はなされていくわけです。
自分の購入価格よりも低い価格では売りたくないなどというのなら、株式投資自体を行うべきではない、
というところまで話はさかのぼってしまうでしょう。
「自分が購入した価格よりも高い価格で株式は将来売れるはずだ。」という予想を持って株式を売買するのが、
株式市場における株式の取引というものでしょう(これは株式投資の大前提でしょう)。
要するに、一般競争入札方式では投資家は損をしない、などということを私は言いたいのではありません。
新規上場時、一般競争入札方式を行えば、それは上場後の株式の取引方法に合致する、と私は言いたいだけです。