2015年4月21日(火)


第一三共、印サン・ファーマの保有全株式を売却

[東京 21日 ロイター] - 第一三共は21日、インドの製薬大手サン・ファーマシューティカルズ・インダストリーズの
保有株式のすべてを売却したと発表した。
売却損益などの詳細は、2015年3月期の決算発表時に公表する。
第一三共は20日、サン・ファーマの保有株式の一部あるいはすべてを売却すると決議していた。
第一三共は今年3月、子会社の印ランバクシー・ラボラトリーズをサン・ファーマが吸収合併したことに伴い、
サン・ファーマ株式の約9%を取得していた。
(ロイター 2015年 04月 21日 15:37 JST)
ttp://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPKBN0NC0HV20150421

 


第一三共、インドの後発医薬品会社の全株式売却=総額3800億円

 第一三共は21日、保有していたインドの後発医薬品大手サン・ファーマシューティカル・インダストリーズの
全株式を売却したと発表した。保有資産の流動化が目的。
売却額は約2000億ルピー(約3800億円)で、売却益は2015年3月期決算に反映させる。
(時事通信 2015/04/21-17:15)
ttp://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2015042100742

 


2015年4月21日
第一三共株式会社
当社所有株式の売却完了に関するお知らせ
ttp://www.daiichisankyo.co.jp/news/detail/006276.html

 

昨日の第一三共株式会社についてのコメント↓

2015年4月20日(月)
http://citizen.nobody.jp/html/201504/20150420.html

 



【コメント】
プレスリリースには、第一三共株式会社は所有していたサン・ファーマシューティカル・インダストリーズ株式の全てを売却した、
とだけ書かれてあり、売却相手や売却価額等については全く書かれてありません。
時事通信には、株式の売却価額は約3,800億円と書かれていますが。
また、時事通信には、売却益は2015年3月期決算に反映させる、と書かれていますが、プレスリリースには、

>2.業績に与える影響
>本売却により発生する売却損益等、業績に与える影響につきましては、2015年3月期決算発表時に改めてお知らせいたします。

と書かれてあるだけです。
参考までに、本日2015年4月21日に第一三共株式会社が切った仕訳を書くと以下のようになります。
株式の売却価額は3,800億円であり、第一三共株式会は合併期日である2015年3月24日に交換差益を認識していた、とします。


2015年4月21日の第一三共株式会社の仕訳

(現金) 3,800億円     / (サン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.株式) 4,247億円
(株式売却損) 447億円


上記の仕訳を切ったのはあくまで本日2015年4月21日であるわけです。
つまり、2015年3月期の決算期末日である2015年3月31日より後の日であるわけです。
したがって、このたびの株式売却損は2015年3月期の決算には全く反映されないのです。
逆から言えば、2015年3月31日の時点では、
第一三共株式会社はサン・ファーマシューティカル・インダストリーズ株式を現に所有していたわけです。
つまり、2015年3月31日現在の第一三共株式会社の貸借対照表に、
サン・ファーマシューティカル・インダストリーズ株式は計上されていなければならないわけです。
ですから、このたびの株式売却損は2015年3月期の決算に反映させたくても反映させられないのです。

 



それにしても、第一三共株式会社は一体誰にサン・ファーマシューティカル・インダストリーズ株式を売却したのでしょうか。
仮に、株式市場で9%もの株式を一気に売りさばいたのだとすると、サン・ファーマシューティカル・インダストリーズの株価は、
30パーセント以上も40パーセント以上も下落すると思いますが、実際にはそうはなっていないようです。
株式市場内の取引だが、特定の相手方と申し合わせて直近の株価と全く同じ価格で売り注文と買い注文を同時に出して売買を成立させた、
ということかもしれません。
大企業の9%分もの株式の売却となりますと、著しく価格を下げないと買い手自体が株式市場にいない、という状態になると思います。
購入希望者全員に株式が行き渡った後は、株式市場内に買い注文を出す投資家がいなくなる、と言えばいいでしょうか。
極端に言えば、価格を下げさえすれば株式の買い手は株式市場内に必ずいる、というわけではないわけです。
確かに、サン・ファーマシューティカル・インダストリーズ株式の場合はある程度売り注文の価格を下げれば、
買い注文を新たに出す投資家が株式市場内にいると思いますが、
本当に無価値な株式の場合は、1円で売り注文を出しても買い手は株式市場に1人もいないわけです。
このたびの第一三共株式会社の株式売却がどのような売却方法だったのかは分かりませんが、1日で売却し終えるとは驚きました。

 

 


「ムーアの法則」から50年、インテル日本法人が都内で記念展示会

 米インテルは21日、共同創業者のゴードン・ムーア氏が半導体技術の急速な発展を予測した「ムーアの法則」から
50年が経ったとして、都内で関連展示を行うと発表した。
 ムーア氏は1965年4月、米誌に「集積回路の集積度は1年で倍増し、それに反比例して製造コストは減少する」という論文を掲載。
インテルによると、同社のトランジスターで比較すると性能は現在までに3500倍、電力効率は9万倍に向上し、
コスト単価は6万分の1に縮小したという。これにより、
パソコンやスマートフォン、ビデオ・ゲームなど、さまざまな機器が生み出された。
 展示は、半導体の「イノベーションの歴史」の図解や、基板材料となるシリコンウエハーなどになる予定だ。
夏休み期間中に東京都千代田区の「科学技術館」で行われる。日程や展示時間は未定。
 インテル副社長の阿部剛士取締役は「ムーアの法則は、膨大な経済的価値を創出し、社会の発展にも貢献した」と話している。
(産経新聞 2015.4.21 17:37)
ttp://www.sankeibiz.jp/business/news/150421/bsj1504211737008-n1.htm

 


過去を振り返らないインテルだけど、これだけは別: 「ムーアの法則」50年の進化を車のエンジンに例えると?
(ITmedia 2015年04月21日 18時23分 更新)
ttp://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1504/21/news137.html

 


ムーアの法則の50年(インテル公式サイト)
ttp://www.intel.co.jp/content/www/jp/ja/silicon-innovations/moores-law-technology.html

 


いわゆる科学技術に対する私の率直な感想↓

2015年4月8日(水)
http://citizen.nobody.jp/html/201504/20150408.html

 



【コメント】
科学技術に対する私の考えは、2015年4月8日(水) のコメントで書き尽くしていると思います。
2015年4月8日(水)から13日経って今日改めて自分で読み返してみたのですが、
短い文章ですが自分が科学技術について感じていることはやっぱりこれで全部だなと感じます。
いわゆるコンピューター技術やITの分野に関しては、自分なりに少しは勉強はしてみたのですが、
やはり何と言いますか、いくら学んでも「自分は技術の根幹部分には触れていない。」という感覚をどうしても拭い去れなかったのを
今でも覚えています。
市販されている教科書や独習者向けのプログラミング言語のテキストを購入し自分なりに学んではみましたが、
結局、コンポーネントは既に作られてしまっていると言いますか、
小プログラムが既にあってそれらをつなぎ合わせているだけに感じる部分があったと言いますか、
「自分は誰かが作ったものを組み合わせているだけなのではないだろうか。」
という感覚がどうしてもあったのです。
自分が何かのプログラムを書くにしても、自分は根幹部分から作り上げてはいない、という感覚がどうしてもあったわけです。
上手く言えませんが、自分はミドルウェアの上でプログラムを書いているだけに過ぎないと言いますか、
開発者がプログラムを書く土台部分は既に完成してしまっているように感じたわけです。
もちろん、新しいソフトウェアを開発していく上ではそういった開発環境作りが大切なのだと思いますが、
自分はどちらかと言うと、コンピューターの動作原理そのものの方に興味があったわけです。
「コンピューターはなぜ動くのか?」を知り学び理解したい、という思いがあったわけです。
しかし、コンピューターの基礎技術に関する教科書を読んでも自分には理解できなかったと言いますか、
プログラムが動く仕組みとCPUの動作原理とは極めて密接な関係にあるのだと思いますが、
私の能力を超えていたということだと思いますが、最後の最後はコンピューターの原理部分は自分には理解できませんでした。
できあいのプログラムの上で新しいプログラム(ソフトウェア)を開発するのではなく、
自分としてはコンピューターの動作原理そのものに関連のある部分で何かやっていけたらと思っていたのですが、
その部分は自分の能力を完全に超えている部分であったように感じます。
「コンピューターの動作原理には触れていない」と感じていましたので、原理や本質や根源部分に興味関心がある私としては、
コンピューターの基礎も自分には向いていない分野だ、やはり自分には科学技術を理解するのは無理だ、
というふうにまたしても思いました。
C言語にせよhtml言語にせよ、そのコンピューター言語自体に一定数のプログラムが既に実装されているということだと思いますが、
私には逆に、自分とコンピューターとの間にできあいの何かが入っている(コンピューター(の動作原理)に触れていない)、
と感じました。
ひょっとすると私は「コンピューター言語自体を自分で開発する」と言っているのに等しいのかもしれませんが、
それはとても自分にはできないことだ思いました。
それで、2015年4月8日(水) のコメントでも書きましたように、
自分としては紙と鉛筆だけで勝負できる分野でなければとてもやっていけない、と思いました。
「紙と鉛筆だけの世界」というのは、どの分野であれ、それが根源部分だ、と私には思えるのです。
紙と鉛筆より細かくはできないと言いますか、紙と鉛筆が人間の理解の起源であると感じるわけです。
それで、「紙と鉛筆だけの世界」となりますと、文系全般と、理系で言えば実験が全くない数学が主な学問分野になると思います。
科学技術全般が人間の能力を超えている、ということなのかもしれません。
私としては今後とも「紙と鉛筆だけの世界」で勝負をしていければと思っているところです。

 


「紙と鉛筆だけの世界」と言いますか、紙と鉛筆だけで勝負できる分野に、法律や会計があります。
今日は「法人事業税」について、次の資料を参考にしながら一言だけコメントします。

 

2015年4月2日
Vol.123 日本企業の「稼ぐ力」向上をめざす法人税改革
ttp://www.nikkoam.com/files/fund-academy/gokuyomi/pdf/2015/0402.pdf
(日興AMファンドアカデミー  語句よみ)

>株式会社などの「法人」組織は、その事業で得た収益の内、一定の割合を法人税として国に納めるほか、
>法人事業税や法人住民税などを地方税として各自治体に納めています。

 

事業税の概要(大原簿記学校)
ttps://www2.o-hara.ac.jp/best/zeirishi/50th/zeirishi_50th_15.pdf

事業税の特徴1
(2/5ページ)

事業税の特徴2
(3/5ページ)

>分割法人(個人)
>2以上の道府県に事務所又は事業所を設けて事業を行う法人(個人)をいう。
>分割法人(個人)は、事務所又は事業所所在の道府県がそれぞれ課税権を有しているので、
>関係道府県間で課税権の調整を行う必要がある。

 



なぜ「法人事業税」について書いているのかと言えば、
現代の株式会社(法人)であれ明治三十二年商法における会社(法人ではない)であれ、
法理的には会社はいわゆる支店は開設できない(開設できなかった)、という解釈になると私は思っているからなのです。
そこで、「法人事業税」の考え方が、私の解釈を補強する材料になると思いました。
税法上、分割法人や分割個人という考え方を行うことによって、会社(商人)が支店を開設することはむしろ容易なのではないか、
と思われるかもしれません。
しかし、私は、それは正反対だと思っています。
その理由を一言で言えば、「課税所得額(課税標準額)は分割できない。」からです。
分割法人や分割個人という考え方では、課税所得額(課税標準額)は分割できることを制度上の前提としているわけです。
しかし、課税所得額(課税標準額)はそもそも分割できない、と考えなければならないのです。
上記の資料では、課税標準額を事業所の従業者の数(分割基準)でA県、B県及びC県に分割していますが、
法人・個人の課税標準額は、「総額」で1つです。
課税標準額を一定の基準によって分割する、という考え方自体がないと理解しなければなりません。
収益獲得への貢献度は決して従業者数では計れません。
A県で受注した注文をB県で生産しC県で引き渡したとした場合、どの事業所の貢献が大きかったと言えるでしょうか。
また、その売上高は、A県の売上高でしょうか、B県の売上高でしょうか、それともC県の売上高でしょうか。
また、給与・賃金の金額も従業者によって大きく異なるわけです。
勤続年数の長い年長者もいれば、入社したての新人くん(まだ試用期間の最中かもしれません)もいるわけです。
また、ジョブローテーションや新人研修の一環と言うことで、従業者が全国各地の事業所を3ヵ月ごとに回っていく、
ということもあるでしょう。
生産方式の現場への指導ということで、全国各地の工場を1年を通して定期的に回っている、ということもあるでしょう。
普段は全国各地で労務を行っているが、1年のうち合計1ヶ月間くらいは本社に業務報告に訪れている、ということもあるでしょう。
もしくは、数ヶ月以上に渡る長期出張やさらには客先への常駐ということもあるでしょう。
その場合、その従業者は弊社のどの事業所にもいませんが、という話になるわけです。
会社と従業者との雇用契約はあくまで1つのなのです。
給与・賃金を支払う者も1人、受け取る者も1人なのです。
従業者は、各事業所へは、職務上は割り振れますが、法律上は決して割り振れないのです。
各事業所毎の課税所得額(課税標準額)など、絶対に算出できないのです。
課税所得額(課税標準額)の算出は、法人単位もしくは個人(商人)単位でしかできないのです。

 



むしろ、課税所得額(課税標準額)に明確に線を引くために、「会社」を作るのではないでしょうか。
「会社の課税所得額(課税標準額)はいくらです。」と、金額を明確化するために、敢えて「会社」を作るわけです。
この点については、2015年4月16日(木) に、「帝都高速度交通営団(営団地下鉄)」を題材にして以下のように書きました。


2015年4月16日(木)
http://citizen.nobody.jp/html/201504/20150416.html

>しかし、「帝都高速度交通営団(営団地下鉄)」の場合は、資産の範囲がない、というような言い方をしていいわけです。
>会社を作るとは、資産の範囲を限定することです。
>線を引く、という言い方をしてもいいかもしれません。
>会社を作ることで、資産の範囲、負債の範囲、事業の範囲に、線を引くわけです。
>それを金額で表示したものが、貸借対照表であるわけです。


「会社」を作らない場合は、課税所得額(課税標準額)の範囲が明確ではなくなる部分がある、というような言い方をしていいわけです。
会社を作るとは、課税所得額(課税標準額)の範囲を限定することです。
線を引く、という言い方をしてもいいかもしれません。
「会社」を作ることで、課税所得額(課税標準額)の範囲、金額、帰属先に、線を引く(明確化する)わけです。
それを特に金額で表示したものが、損益計算書であるわけです。
課税所得額(課税標準額)を分割してしまっては、「会社」の意味が全くないわけです。
乱暴に言えば、分割法人だなどという考え方は、法人格否認の法理にも近いものがあるように感じます。
課税所得額(課税標準額)は分割できませんし、むしろ、
課税所得額(課税標準額)を分割してしまっては法人のそもそもの意味・目的がなくなる、とすら言っていいと思います。
以前は、「益金の発生場所・損金の発生場所」という切り口で自分の解釈の説明を試みたわけですが、
今日の説明も本質部分は同じ様な観点から説明しています。
税法に「法人事業税」という税目がありますので、これは自分の解釈を補強するのに使えるなと思いましたので、
「法人事業税」(特に分割法人という考え方)を叩き台にして、自分の解釈の説明を試みてみました。
「益金の金額・損金の金額」は、割り算をして算出するものではありません。
「益金の金額・損金の金額」は、「益金の発生場所・損金の発生場所」から一意に決まるものです。
より正確に言えば、「益金の金額・損金の金額」は、結局のところ、取引により一意に決まるのです。
取引により発生したその益金や損金を、割り算をして再計算したり各場所に割り振ったり、という考え方はそもそもないのです。

 


The profits of a company can't be divided among the places of business.

会社の利益を事業所間で分割することなどできないのです。

 

The profits of a company is indivisible or one in all.

会社の利益は分割できない、すなわち、全部で1つなのです。

 

The only possible allocation basis for distributing the profits of a company is the amount of an investment.
Paying a dividend is without any arbitrariness
because the amount of a dividend is always determined uniquely according to only the amount of an investment.

会社の利益を分配するための考えられる唯一の配賦基準は、出資金額です。
配当金の金額は出資金額のみに従って常に一意に決まりますので、配当金を支払うことには恣意性は全くないのです。

 

There is no dividing the tax base.
The tax base is in one-to-one correspondence with a person or a hard entity for a business.

課税標準を分割することなどできません。
課税標準は、人もしくは事業のための確たる器と一対一に対応しているのです。

 

管理会計でいういわゆる「全社共通費」は、各事業に配賦できません。
「本社費用」を支社に配賦できるでしょうか。
「従業者」は明確な配賦基準にならない、と考えるべきだと思います。

課税所得額(課税標準額)の割り算(分割、割り振り)が概念的にできないわけです。

税率が都道府県毎に異なっていたら、と考えてみて下さい。
会社と従業員との「雇用契約」は1つだけです。
「事業所」(労務を行う場所)は雇用契約だけでは明確ではないはずです。