2018年12月12日(水)
2018年12月12日(水)日本経済新聞 公告
資金移動業の廃止の公告
株式会社ジャックス
(記事)
資金移動業とは(一般社団法人日本資金決済業協会)
ttps://www.s-kessai.jp/businesses/funds_transfer_overview.html
>銀行等以外のものが100万円に相当する額以下の為替取引を業として営むことをいいます。
>資金移動業を営むには、「資金決済に関する法律(以下、法という)」に基づき、事前に内閣総理大臣の登録を
>受けなければなりません。無登録で資金移動業(為替取引)を行った場合、
>銀行法第4条に違反する無免許業者として銀行法上の罰則の適用を受けることになります。
「資金を移動させることだけを営む事業者というのは現実には観念できないように思う。」という点と、
「割賦販売法に定める前払式特定取引業においても、資金決済に関する法律に基づく前払式支払手段においても、
資金移動業者(決済のための現金を預かっている業者)内に言わば「擬似預金」の状態が生じる。」、
という点について書いた時のコメント↓。
2018年11月20日(火)
http://citizen.nobody.jp/html/201811/20181120.html
「1980年くらいに友の会で発行されたお買物券は特段の根拠法に基づくことなく発行されていたはずだ。」
という点について書いた時のコメント↓。
2018年11月24日(土)
http://citizen.nobody.jp/html/201811/20181124.html
事業者のみなさまからよくあるご質問(一般社団法人日本資金決済業協会)
Q12.
未達債務はいつ発生するのですか。また、未達債務の移転時期及び消滅時期についても教えてください。
ttps://www.s-kessai.jp/businesses/faq_01_18_b_answer2.html#q12
「資金決済に関する法律」の公式英訳を見ますと、資金移動に関する用語である「未達債務」は英語で、
"outstanding obligations
in the process of being
transferred"と訳されています。
直訳すれば「移動過程における未済の債務」となるかと思いますが、簡単に言えば「未送金債務」という意味合いなのだと思います。
「未達債務」は、「資金移動業」の文脈においては、公式英訳ではなく私個人の試訳になりますが、
"executory
funds"(「今後履行すべき資金」)という勘定科目名を用いても意味は通じると思います。
それから、「未達債務はいつ発生するのか?」について一言だけ書きたいと思います。
たとえ資金移動業者が利用者に為替取引に関し送金債務を負担することとなったとしても、
送金資金をいまだ受領していない場合は、当該債務の額を未達債務の額として計上する必要はありません。
確かに、法律上は、送金資金をいまだ受領していなくても送金債務を負担することになるわけですが、
会計上は、送金資金をいまだ受領していない時点では送金債務を認識することはしません。
会計上は、その債務の大きさを金額で表現することはできない、と考えなければなりません。
会計が対象としている債権や債務は、法律の文脈における債権や債務と比較すると、非常に狭い範囲に留まるのです。
この点について改めて考えていましたら、会計が対象としている債権や債務に関してあることに気が付きました。
それは、
「『同時履行』ではない場合に、会計が対象としている債権や債務が発生する。」
という点です。
逆から言えば、「同時履行」が行われる場合は会計が対象としている債権や債務は発生しないのです。
「同時履行」が行われる場合に会計が対象としている債権や債務が発生するということは観念できないように思いました。
私が今指摘している内容は、むしろ、会計が対象としている債権や債務の定義に近いものかもしれません。
「同時履行」が行われる場合は、当然に会計が対象としている債権や債務は発生しないわけです。
「同時履行」という概念や考え方や用語が頭に浮かびました。
そして、上記の「同時履行」という概念を踏まえますと、「お買物券」の会計処理が頭に浮かびました。
2018年11月20日(火)と2018年11月24日(土)のコメントで書きました百貨店の友の会のお買物券に関して言いますと、
友の会の会費(現金)の授受(会費の支払い)は、お買物券に関しては「同時履行」ですが、
真の目的物(百貨店の商品)に関しては「同時履行」ではないわけです。
すなわち、友の会の会費(現金)の授受(会費の支払い)と真の目的物(百貨店の商品)の購入とは、
切り離されている(それらは別々の取引である)わけです。
「同時履行」という概念を軸に取引を捉えますと、
真の目的物(百貨店の商品)の購入に応じて収益を認識するということはできない、という結論になると思います。
すなわち、友の会の会費(現金)の受領時に百貨店は受領額の全額を収益として認識する、という会計処理になると思います。
例えば、「前受金」勘定で会計処理する場面というのは、真の目的物(百貨店の商品)と代金とがリンクしているわけです。
真の目的物(百貨店の商品)の引渡しと代金の支払いとが同時ではない(「同時履行」ではない)というだけなのです。
一方、買い物に際して百貨店の友の会のお買物券が介在している場合は、
真の目的物(百貨店の商品)の引渡しとお買物券の使用とが理論上は関係がないため、
お買物券の発行を「前受金」勘定で会計処理することは理論上は間違いなのだと思います。
百貨店の友の会のお買物券を介した買い物というのは、概念的には、もはや「『同時履行』ではない」ですらないわけです。
百貨店の友の会のお買物券の発行と買い物とを同時に行うでしょうか。
むしろ話は逆であり、百貨店の友の会のお買物券の発行と買い物とは全く別の取引なのです。
百貨店の友の会のお買物券の発行と買い物とを同時に履行することはそもそも観念できないことであるわけです。
経営上、百貨店としては百貨店の友の会のお買物券の発行と買い物とを損益計算の上で関連付けたいと思う気持ちは分かりますが、
百貨店の友の会のお買物券の発行(収益の類)と買い物(費用の類)とを対応させることは実は理論上は絶対的にできないのです。
百貨店の友の会のお買物券の発行と買い物を同時に履行することは絶対的に不可能なのです。
Banks and post offices have been operating the "funds transfer business" ever
since their origin.
To put it simply, they also serve for a "funds transfer
business operator" from the beginning.
Figuratively speaking, a "funds
transfer business operator" is selling a beer
inside a beer factory where a
brewer serves the same beer gratis for tourists of the factory.
銀行や郵便局はその起源の時以来ずっと「資金移動業」を手がけてきているのです。
簡単に言えば、銀行や郵便局は「資金移動業者」を始めから兼ねているのです。
例えて言うならば、「資金移動業者」というのは、
ビール会社が工場見学者に無料でビールを提供しているその工場内で同じビールを販売しているのです。
Customers' money (the remainder of a charged amount) which a "funds
transfer business operator" manages
is a quasi-deposit.
「資金移動業者」が管理する顧客の金銭(チャージされた残高)は、擬似預金なのです。