2018年11月21日(水)
「『債権の譲渡は、担保が付いている債権についてのみ認める。』という証券制度や民法の規定も考えられる。」
という点についてコメントを書いた時のコメント↓。
2018年11月13日(火)
http://citizen.nobody.jp/html/201811/20181113.html
「債権の保証」についての記事を紹介した時のコメント↓。
2018年11月14日(水)
http://citizen.nobody.jp/html/201811/20181114.html
2018年11月13日(火)のコメントでは、「譲り渡す債権には担保を付けなければならない。」という旨の規定を
民法に置くべきだという趣旨のことを書きました。
また、2018年11月14日(水)のコメントでは、「債権の保証」に関する記事を2本紹介しました。
イーギャンティは商取引の結果発生する債権(売掛金や受取手形)の保証を行っているのに対し、
信用保証協会は金融取引の結果発生する債権(貸付金)の保証を行っているという違いはあるものの、
債務者が債務を履行しない場合は自分が代わりに債権の弁済をしなければならないわけですから、
保証に際しては「債務者の支払能力」を基に保証を引き受けるか否かを判断しなければならないという点において
両者が行っている保証には共通点があるわけです。
親や親戚による保証とは異なり、ビジネスとして債権の保証を行う際には、保証人は、
「債務者は債務を履行しないだろう。」と判断して保証を引き受けたりはしないわけです。
現実には、保証人は債権者以上に債務者のこと(事業内容や今後の支払能力)を詳しく知っておかなければならないのです。
それから、昔の民法の規定では、債権を譲渡する場合は必ず債権には担保が付いていなければならなかったわけですが、
その昔の民法の条文の文言は分からないのですが(条文そのものはまだ読んだことがないので)、民法の趣旨から推論するに、
投資家(債権の買い手、債権者)の保護のために、民法は「民法上の担保」を債権の譲渡に求めていたのではないかと思います。
すなわち、より正確に言えば、民法は「担保物権」を債権の譲渡に求めていたわけであり、
より民法の条文に即して実務上のことを言えば、民法は「抵当権の設定」を債権の譲渡に求めていたのではないかと思います。
なぜこのことに言及しているのかと言えば、昔の民法では「人による保証」では債権の譲渡は認めていなかった、
という考え方になるのだろうと思ったからです(「抵当権の設定」をしていない場合は債権の譲渡自体が民法上無効になるのでは)。
記事に即して言えば、イーギャランティが保証をしている債権の譲渡は昔の民法ではできなかったはずだと思ったわけです。
その理由は、確かに債権には保証が付いているとは言え、その債権の保証は結局人に依拠しているからです。
言葉を換えれば、昔の民法では、「物による保証」を債権の譲渡に求めていたのだと思います。
信用保証協会による債権の保証は判断が難しいのですが、地方政府(地方公共団体)による債権の保証ということであるならば、
「物による保証」そのものではないとは言え、実質的に「物による保証」に準じた保証(担保物権と同じ)と言えると思います。
「人による保証」にはカウンター・パーティー・リスクが存在しますが、「物による保証」には絶対的にそれがないのです。
昔の民法では、「物による保証」すなわちカウンター・パーティー・リスクが全くない保証を債権の譲渡に求めていたのだと思います。