2018年8月9日(木)
「会社に満了期日がない場合は、投資家から見ると、株式が変動利の『永久債』に類似した有価証券になってしまう。」、
という点について指摘をした時のコメント↓。
2018年8月6日(月)
http://citizen.nobody.jp/html/201808/20180806.html
上記の2018年8月6日(月)のコメントで、@会社に満了期日がない場合の株式と、
A元本が償還されることはないが固定の利子が支払われるわけでもない変動利の永久債は類似している、と指摘しました。
簡単に言えば、株式と債券とは、元来的には資本と負債という企業会計上は正反対の性質を持つ有価証券であるわけですが、
会社に満了期日がなく、さらに、債券に弁済期日がない、という場合は、
特に投資家の立場から見ると、株式と債券とは類似してくる、と私は思ったわけです。
逆に、会社に満了期日があり、さらに、債券に弁済期日がある、という場合は、
債券は弁済期日に弁済され、株式は満了期日に利益(残余財産)の分配が行われる、ということになるわけです。
そして、現代の株式会社のように、会社に満了期日はないが負債には弁済期日がある、という場合は、
債券は弁済期日に弁済され、株式は清算手続きを通じて残余財産の分配が行われる、ということになるわけです。
そうしますと、一般に、負債の弁済には法人格との関連性はないが、株式への残余財産の分配には法人格との関連性がある、
という言い方ができると思います。
通常(倒産時ではなく平時の場合)、会社は法人格を維持したまま(法人の継続を前提に)負債の弁済を行いますが、
株式に関しては、会社は常に法人格を消滅させる手続きの中で(法人の消滅を前提に)残余財産の分配を行うのです。
会社にとって、負債の弁済と法人格とは全く関係がありません。
一方、残余財産の分配は法人格の消滅と同時に行われます。
法人格が消滅しないにも関わらず残余財産が分配されることはないのです。
企業財務上は、株式と負債とに類似性がある場面も非常に多いわけですが、
法人格との関連性という点では、株式と負債とに類似性はない、と一般に言えるのです。
難しい法律用語を用いれば、負債の弁済には法人格との牽連性はないが、株式への残余財産の分配には法人格との牽連性がある、
という言い方ができると思います。
負債の弁済と法人格の消滅とは全く関係がない一方、
残余財産の分配と法人格の消滅とは会社制度における概念としてはイコールとすら言っていいわけです。
残余財産の分配がなされたにも関わらず法人格が消滅しないということはあり得ません(そのような状態を制度上観念できない)。
残余財産の分配がなされる際には会社の法人格は必ず消滅するのです。
このような関係を、残余財産の分配と法人格(の消滅)の牽連性、と表現できるわけです。
「牽連性」についてインターネットで検索していましたら、「牽連性」について実に興味深い記述を見かけましたので紹介します↓。
「まる覚え司法書士U 【民法編】」 水田嘉美
著 (週刊住宅新聞社)
ttps://books.google.co.jp/books?id=2dN-tDqIVJIC&pg=PA173&lpg=PA173&dq=%E7%89%BD%E9%80%A3%E6%80%A7&source=bl&ots=
Typ4WrEifo&sig=pBOfjuOrKMCeZByla_9wdL60KXg&hl=ja&sa=X&ved=2ahUKEwigm5fy-9_cAhVFS7wKHQ45BvY4ChDoATAHegQIAxAB#v=
onepage&q=%E7%89%BD%E9%80%A3%E6%80%A7&f=false
(キャプチャー画像)
2018年5月14日(月)
http://citizen.nobody.jp/html/201805/20180514.html
The term "Kenrensei" in Japanese means "simultaneous performance."
A
distribtuion of residual assets of a company and extinction of a juridical
personality of the company
are always fulfilled at the same time.
日本語の「牽連性」という用語は、「同時履行」という意味なのです。
会社の残余財産の分配とその会社の法人格の消滅は、必ず同時に行われるのです。