2017年10月21日(土)


2017年10月21日(土)日本経済新聞
日経平均、57年ぶり14日続伸 「大いなる安定」いつまで 世界株高、緩和継続が火種
(記事)


2017年10月21日(土)日本経済新聞
上場来高値、5社に1社 東証1部、今年 省力化や値上げ評価
(記事)


きょうのことば
グレートモデレーション 市場全体の安定期

▽…2000年代半ばから08年のリーマン・ショックに至るまでの間、株式や債券などの資産価格の変動幅が低下し、
市場全体が安定した時期を指す。
米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ理事(当時)が04年にこのタイトルで講演したことで有名になった。
▽…こうした状況を生み出す背景にあったのが世界経済の緩やかな成長とインフレ率の低位安定の併存だ。
ただ安定は永遠に続かない。世界各国の中央銀行による緩和的な金融政策と市場の安定は世界の投資マネーが
運用リスクをとりすぎる状況を促し、リーマン・ショックにつながった。
▽…投資家の心理を測る指標とされ、米国株の予想変動率を示す米VIXは10月に入って9.19まで低下し、
23年10カ月ぶりに過去最低を更新した。日経平均株価の予想変動率を示す日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)も
同じように低水準で推移している。
株式相場の低変動の状態が長期間続いているため、市場ではその反動を警戒する声も一部で出始めている。
(日本経済新聞 2017/10/21付)
ttps://www.nikkei.com/article/DGXKZO22543770R21C17A0EA2000/

 


日経平均株価についての過去のコメント

2017年9月7日(木)
http://citizen.nobody.jp/html/201709/20170907.html

2017年9月9日(土)
http://citizen.nobody.jp/html/201709/20170909.html

 


【コメント】
2017年10月20日(金)の東京株式市場では、日経平均株価が約57年ぶりに14日連続で上昇した、とのことです。
紹介している1つ目の記事の本文の冒頭を引用します。

>日経平均の14日連騰は過去1度だけ記録した連続上昇の最長日数で、今回その記録に並んだ。
>前回は高度経済成長期の1960年12月から61年1月にかけて記録し、
>日経平均の前身である「東証修正平均株価」が1287円から1403円まで9%上昇した。

2017年10月20日(金)の東京株式市場が終了した時点で、日経平均株価が14日連続で上昇したことになるわけですが、
14日間連続というのは、日経平均株価の連続上昇日数の最長タイ記録であるとのことです。
仮に2017年10月23日(月)の東京株式市場でもさらに日経平均株価が上昇すれば、連続上昇日数の最長新記録になるわけです。
また、日経平均株価が14日続伸したことに関して、紹介している2つ目の記事には、次のように書かれています。

>企業業績の拡大を追い風に、2017年に上場来高値を付けた銘柄数は東証第1部で437に達した。
>サービスや小売りなど内需株を中心に、約5社に1社が最高値を付けたことになる。

東証1部に上場している企業は約2,000社あるわけですが、2017年に約5社に1社が上場来高値を付けたとのことですが、
上場来高値とまではいかなくても、2017年に入りどの企業の株価も上昇傾向にあるのだけは間違いないようです。
日経平均株価が14日連続で上昇したことも、株式市場の活況が続いていることの結果なのだと思います。

 


ただ、株式市場に水を差すわけではありませんが、1点だけ正しく理解をしておかなければならない点があると思います。
それは、「日経平均株価が14日連続で上昇したと言っても、
それは構成銘柄225の株価の全てが14日連続で上昇したという意味ではない。」、という点です。
それどころか、14日連続で上昇した銘柄など実際には1つもない、と言っていいと思います。
構成銘柄225の株価の中には、この14日間の最中に下落している株価もあるわけです。
実際には株価が下落している銘柄も構成銘柄の中にはあるのですが、225銘柄を合算して225で割り算して平均をとっているために、
その平均値としては前日終値より大きくなっている(そして平均値としては14日連続して大きくなっている)、
という結果になっているだけなのです。
225銘柄の中には、14日前よりも実は株価が下がっている銘柄もありますし、
また、14日前よりも株価自体は上がっているものの途中で何日間かは下落しているという銘柄もあるわけです。
要するに、個々の銘柄の値動きとは全く無関係に、日経平均株価は算出されると言いますか、
日経平均株価の上昇や下落を見ても、個々の銘柄の値動きは全く明らかにならないわけです。
日経平均株価には構成銘柄が225もありますので、個別の銘柄の値動きというのは、全体的な値動きに吸収されてしまうわけです。
さらに言いますと、14日連続上昇という点ばかりが強調されているわけですが、日経平均株価の計算式(算出方法)を鑑みれば、
2日連続して株価が上昇した銘柄すら1つもない、ということも理論的には全くあり得るわけです。
実際には、この14日間、数多くの銘柄は何日間も連続して上昇したのだと思いますが、
仮に、この14日間、2日連続して株価が上昇した銘柄は1つもない、という状態(個々の銘柄の値動き)であっても、
日経平均株価が14日連続して上昇する、という数値になることは理論上は全くあり得ます。
2017年9月7日(木と)2017年9月9日(土)のコメントでは、
構成銘柄の変更(入れ替え)が行われた場合は、計算式を鑑みれば、何をどうやっても日経平均株価の連続性は絶対に保てない、
と書きましたが、本日、「日経平均株価が14日連続して上昇した。」、という内容の記事を読みまして、
「個別の銘柄の値動きの連続性というのは日経平均株価には現れない。」、という言い方ができるなと思いました。
225銘柄の中には株価が下落した銘柄がいくつもあるにも関わらず、「日経平均株価は14日連続して上昇した。」わけですから。
確かに、「日経平均株価」は参考にはなる株式指標であるとは思うのですが、たとえ構成銘柄の変更(入れ替え)がなくても、
個別の銘柄の値動きという観点から言えば、やはり連続性の点は度外視する(その点は諦める)しかないのだと思います。
そもそもの話をすれば、株式市場の投資家は、日経平均株価を取引するのではなく、あくまで個別の銘柄を取引するのです。
日経平均株価が何日間連続して上昇しようが、自分が保有している銘柄が下落するのでは意味が全くないわけです。
また、仮に、14日前に、投資家が225構成銘柄全てを1単元ずつ購入していたとしても、結局、個々の銘柄の株価上昇率の総計は、
日経平均株価の上昇率とはまず一致しません。
率直に言えば、日経平均株価は、個別銘柄との関連性がないのです。
簡単に言えばそれくらい複雑な計算をして平均値を算出しているのです。
日経平均株価は、マクロ経済の指標としては参考になりますが、実は投資家の投資行動・投資方針にはあまり関係がないのです。

 



The "Nikkei Average" is merely a mix of 225 stock prices.

「日経平均」は、225の株価の混合したものに過ぎません。

 


For example, it is not unnatural that, among the 225 brands,
there is not even one brand whose stock price rose only for two consecutive operating days.

例えば、225銘柄の中で、わずか2営業日連続して株価が上奏した銘柄すら1銘柄もない、
ということはおかしなことではないのです。

 


The "NIkkei Average" is Arrows, whereas each brand is "Heavens!?"

「日経平均株価」はアローズですが、個別銘柄は「あれっ!?」なのです。

 


Buy each and every brand which constitutes the "Nikkei Average" by one unit,
and you can probably see what the "Nikkei Average" is.

「日経平均株価」の構成銘柄の全てを1単元ずつ買いなさい。
そうすれば、「日経平均株価」とは何かがきっと分かるでしょう。