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2013年12月4日(水)



2013年12月4日(水)日本経済新聞
阪急電鉄社長 中川氏が昇格 角氏は会長に
(記事)




2013年12月3日
阪急電鉄株式会社
代表取締役社長の交代並びに役員人事について(2014年3月1日付)
ttp://holdings.hankyu-hanshin.co.jp/ir/data/ER201312031N1.pdf

 

 


2013年11月30日(土)日本経済新聞
船井電機社長に上村氏が昇格 林社長が副会長
(記事)




2013年11月29日
船井電機株式会社
代表取締役の異動に関するお知らせ
ttp://www.funai.jp/pressrelease/2013/topic_131129.html


 



2013年12月4日(水)日本経済新聞 公告
投資口分割基準日設定公告
日本ビルファンド投資法人
(記事)




2013年11月13日
日本ビルファンド投資法人
投資口分割、規約変更及び1口当たり予想分配金の修正に関するお知らせ
ttp://www.nbf-m.com/nbf/release/files/release689.pdf

 

 


【コメント】
「投資口」とは事実上いわゆる「株式」と同じものと言っていいのだと思います。
株式に株式分割があるように、投資口にも投資口分割があるようです。


私は以前、「0.5株と0.5株は1株ではなく0.5株が2つだ」と書きました。
株式は足し算できないものではないだろうかと書きました。
この考えが正しいのなら、株式も(投資口も)分割することはできないかもしれません。


 


2013年12月4日(水)日本経済新聞
ソフトバンク系合併 イー・アクセスとウィルコム
(記事)




2013年12月3日
ソフトバンク株式会社
当社子会社間の合併に関するお知らせ
ttp://www.softbank.jp/corp/news/press/sb/2013/20131203_01/

 


2013年12月3日
イー・アクセス株式会社
株式会社ウィルコム
合併に関する基本合意書締結のお知らせ
ttp://www.eaccess.net/press_img/11717_pdf.pdf
ttp://www.willcom-inc.com/ja/corporate/press/2013/12/03/pdf/20131203press.pdf

 


【コメント】
イー・アクセス株式会社が議決権数の多い種類株式を発行している関係で、
ソフトバンクのイー・アクセス株式会社に対する議決権保有割合は33.29%にとどまっています。
合併に際してソフトバンクが受け取る対価次第でしょうが、仮に対価がイー・アクセス株式であれば、
合併後はソフトバンクのイー・アクセス株式会社に対する議決権保有割合は過半数に達するかもしれません。

 

 



2013年12月4日(水)日本経済新聞 社説
経営者は国籍を超えられるか
(記事)




2013年12月3日(火)日本経済新聞
仏ダノンCEOに聞く ヤクルト株「売買せず」 合弁進展には意欲示す
(記事)



 

【コメント】
「Domestic Directors」(各国各国専業の取締役)という言葉が思い付きました。
この言葉はドラッカーの著書「Effective Executives」から取りました。
法律であったり言語であったり商慣習であったりといったことを考えますと、
経営者は Domestic Directors(取締役一人の担当国は一カ国が限度)とならざるを得ないのだろうか、と思いました。

例えば仏ダノンであれば、日本語は複雑であり、日本の法律はフランスの法律とは様々な点で異なるという理由で、
いわゆる本社の取締役に「日本担当取締役」が必要だ、というような考え方はあるのだろうかと思いました。
事業別や職域別の担当取締役は多くの企業にいるかと思いますが、
仮に経営がグローバル化してくると、地域別の担当取締役が必要になってくるのだと思います。

 

 


2013年12月4日(水)日本経済新聞
楽天株、初日は小幅安 堅調な株価予想する声も 東証1部上場
東証、株価指数 楽天除外のミス
(記事)




2013年12月3日
楽天株式会社
東京証券取引所 市場第一部への上場市場変更に関するお知らせ
ttps://corp.rakuten.co.jp/news/press/pdf/20131203_2_JP.pdf

 


2013年12月3日
楽天株式会社
スポンサー付きADR(米国預託証券)プログラム設立にかかるティッカーシンボル(Symbol)決定のお知らせ
ttps://corp.rakuten.co.jp/news/press/pdf/20131203_1_JP.pdf


 


【コメント】
楽天が12月3日に東京証券取引所1部市場に上場市場を変更したようです。
予想通り、特に何と言うことはなかったようですが。

 

それよりもその下の記事が気になりました。
東京証券取引所はJASDAQ市場の株価指数を算出・発表しているようなのですが、ミスがあったようです。
ただ意味がよく分からないのですが、「楽天株式を除外したことがミスだった」とのことです。
JASDAQ市場の株価指数に、本来は楽天株式を「来年の10月まで組み入れる予定だった」とのことです。
東京証券取引所1部市場のみに上場するようになったのですから、「楽天株式を除外する」で正しいのではないかと思いますが。


仮にJASDAQ市場でも引き続き重複上場しているのなら、楽天株式は除外すべきではないということになるのだと思いますが。
もちろん、今の時代、そもそも重複上場など一切必要ないわけですが↓。


2013年11月29日(金)日本経済新聞
■富士通 ロンドン上場を廃止
(記事)



2013年11月28日
富士通株式会社
株式の上場廃止申請に関するお知らせ
ttp://pr.fujitsu.com/jp/news/2013/11/28-4.html

>ロンドン証券取引所における当社株式の取引は僅少であり、

とのことですが、実際に海外に株主がいる場合は会社はどう対応を取ればいいのでしょうか。
それとも、預託証券を保有しているというだけでは株主ではない、という位置付けなのでしょうか。

 

 


2013年12月3日(火)日本経済新聞
東京海上、優先株などに投資 買収支援ファンド新設 民間資金の受け皿
日本市場の「不足」補う
(記事)





2013年12月3日
東京海上日動火災保険株式会社
資産運用サービス新会社の設立について
ttp://www.tokiomarine-nichido.co.jp/j0201/pdf/131203.pdf


 



【コメント】
メザニン(mezzanine)とは、「中二階」のことです。
1階が資本、2階が負債、その中間だからメザニンと呼んでいるのでしょう。
ただ、この中二階は、両者のいいとこ取りではなく、その正反対の”悪いとこ取り”と言わねばなりません。
どこがどう”悪いとこ取り”かを説明するために、記事中の表を訂正してみました。

「訂正:メザニンの特徴」



一目瞭然かと思います。
なぜこのような”悪いとこ取り”という結果になってしまうのかと言えば、
債権者は債権者で己の利益を既に最大化しようとしていますし、株主は株主で己の利益を既に最大化しようとしているからです。
己の利益を最大化しようとするというのは、己の利益を害されないような体制・仕組みを既に作っている、という意味です。
普段は会社は株主のものです。
債権者に会社に物を言う権利はありません。
株主は債権者に対する義務を果たした後は、残りの利益は独り占めすることができます。
その代わり、会社倒産時には、株主の権利は真っ先にゼロになり、会社は債権者のものになります。
もはや株主に物を言う権利は一切なく、会社財産は債権者が弁済に充てることになります。
株式会社では、「平常時は誰に物を言う権利があり会社倒産時には誰に物を言う権利があるのか」を明確に定めてあるわけです。
そのような体制・仕組みを作ることによって、債権者の利益は保護され、また、株主の利益は保護されるのです。
このような体制・仕組みが法制度として制度設計されていないならば、
会社利益に対する不毛な争いが利害関係者間(株主vs.債権者)で常に生じることになりますから、
株式会社へ出資したり現金を貸し付けたりする人はこの世に一人もいないでしょう。
究極的には、株式会社への資金の出し手は、株主(資本)か債権者(負債)か、のどちらかしかいないわけです。
率直に言えば、メザニンという形で会社に資金を提供する隙間は株式会社には一ミリもないのです。
株主は株主で己の利益を守ろうと必死ですし、債権者は債権者で己の利益を守ろうと必死です。
メザニンが入り込む隙間はないのです。

 



記事の表を見ますと、「中二階」ということで、返済順位やリスクとリターンは”中”と書かれていますが、
実際には返済順位は極めて低いですし、したがってリスクも実際には極めて高いのです。
記事には、メザニンは、

>返済順位が低い代わりに、5%~15%程度の高い利回りを得られる

と書かれています。
ここだけ読むとリターンは非常に大きいではないかと思われるかもしれませんが、
それは「会社が絶対に倒産しないこと」という大前提があってのことです。
万が一会社が倒産すれば、利回りは5%どころか、実際には元本すら1円も返ってきません。
その会社は絶対に倒産しないとなぜ言えるのでしょうか。

プレスリリースには、

>銀行ローンよりも返済・償還順位が劣後するものの比較的高水準の利息・配当(インカム)が付されており、
>ミドルリスク・ミドルリターンの投資特性を有しています。

と書かれていますが、実際にはまさに「ハイリスク・ローリターン」と言わねばならないと思います。
究極的なことを言えば、株式会社の資金調達には、負債と資本のどちらかしかありません。
負債と資本のの中間に位置する資金調達などそもそも存在しないのです。
企業の資金調達に「ミドルリスク・ミドルリターン」などなく、
「ハイリスク・ハイリターン」(資本)か「ローリスク・ローリターン」(負債)かしかないのです。

 


また、私が書きました「訂正:メザニンの特徴」を見ても分かるように、
劣後ローンや優先株式だけでなく、実際には結局普通社債もここでいうメザニンに含まれてくるわけです。
なぜなら、社債は通常「担保無金融債権」に分類されるからです。
仮に社債に担保が付くのなら(確かに実務上担保有社債もありますが)、それは会社にとっては銀行借り入れの方が手軽で早いと思います。
理屈では、社債を発行する場面というのは、これ以上担保がないため銀行借り入れが行えず、なおかつ、増資も様々な理由により行えない場合に、
高い利息を支払ってでも資金調達をしたいとの考えから高い利率の社債を発行するのだと思います。
様々な事例を見ますと、実務上は結局社債の利率も行政指導のような形で機械的に決まっている(当事者間で決められない?)ようなのですが、
理論上と言いますか理屈を言えば、そのような場面が想定できると思います。
ここで、会社は倒産しないであろうと予測している人が運よく現れれば、そのような利率で社債を引き受ける(もしくは資金を貸し付ける)、
ということが可能になるでしょうが、実際には万が一のことを考えると、
高い利率であっても金額は極少額のみに留まるでしょうし期間も極短期間のみ、という形になってしまうと思います。
要するに、資金の出し手の立場から見ると、実際には会社は非常に高い利率であっても十分な額の資金調達はできないのではないか、
という側面がある気がするわけです。
仕入債務に対する債権者(仕入元)であれば、その債権者一人一人で言えば、金額は少額のみであり期間も短期間のみ、という形ですから、
無担保のリスクに耐えられるわけです。
また、仕入債務であれば、会社倒産時の弁済順位も相対的には非常に高いわけです。
これなら債権者は無担保のリスクに何とか耐えられるでしょう。
しかし、無担保社債であったり無担保の貸付となりますと、いくら利率が高くても債権者は無担保のリスクに耐えられないでしょう。
資金の出し手からすると、「金額は極少額のみで期間も極短期間のみであれば貸してもいいが・・・」、という話になると思います。
そういったことを考えますと、実際には会社は非常に高い利率であっても十分な額の資金調達はできないと思います。
このことは何を意味するかと言うと、無担保の社債というのは実際には発行できないであろう(引き受け手がそもそもこの世にいないであろう)、
ということを意味するわけです。
そして全く同じ理由により、実際には優先株式というものは実際には発行できないであろう(引き受け手がそもそもこの世にいないであろう)、
という結論に必然的に行き着くわけです。
仮に優先株式を引き受ける人がいたら、その人に対しこう問わねばなりません。
「その会社は絶対に倒産しないとなぜ言えるのでしょうか。」と。

 


それから、メザニンといいますと全て無担保の証券になると思います。
ですからここでは特に「無担保の証券」についてということで法律面の話をしましょう。

まず、社債と劣後ローンと優先株式は結局実質的には同じものであると言っていいと思います。
金融機関に対する自己資本比率規制の計算上、自己資本に算入してよかったりダメだったりという違いがあるだけで、
実際にはどれも実質的には同じであるわけです。
ではここで、そういった金融機関に対する自己資本比率規制云々ではなく、
単純に社債と劣後ローンと優先株式という三種類の証券をこれから新たに発行する場合のことを考えてみましょう。

この時、あくまで理論上の話になりますが、社債と劣後ローンと優先株式には「発行できる順番」というものが理論上考えられます。
どういう順番かと言えば、「1.社債→2.劣後ローン→3.優先株式」、という順番です。
会社は、例えば「優先株式→劣後ローン→社債」という順番では証券は発行できないわけです。
これは例えば、優先株式を発行している状況下では社債は発行できない、ということになるわけです。
なぜなら、優先株式よりも社債の方が弁済の順位が高いからです。
なぜ弁済順位が高い方の証券を低い方の証券よりも後には発行できないかと言えば、
それはまさに会社倒産時の弁済順位が理由になります。
つまり、優先株主からすると、自分達よりも弁済順位の高い証券を発行されてしまうと、自分達の利益が害されることになるわけです。
自分達よりも弁済順位の低い証券を発行される分には一向に構いませんが、自分達よりも弁済順位の高い証券の発行は困るわけです。
本来ならば会社倒産時には自分達の債務の弁済に充てられていたはずの会社財産が、
後から発行された弁済順位の高い証券(債務)の弁済に充てられてしまうことになるからです。
この例で言えば、優先株主からすると、社債の発行は認められない、ということになろうかと思います。
優先株式を発行している会社が新たに社債を発行する場合には、全優先株主の承認が必要、という考え方になるわけです。
債権者保護手続きならぬ、優先株主保護手続きが必要、といったところでしょうか。
優先株式には議決権はありませんが、弁済順位の高い証券の発行に異議を述べる権利はあるべきかもしれません。
これは株主としての権利ではなく、将来弁済を受けるべき潜在的な債権者としての権利、、といったところでしょうか。

 



社債と劣後ローンと優先株式という弁済順位の異なる証券の発行に関する取扱いについてはどの法律でもサポートされていないと思います。
また、会社倒産時の社債と劣後ローンと優先株式の弁済順位に関しても、会社更生法その他、どの法律でもサポートされていないと思います。
これはそういった法整備を進めるべき問題なのか、それとも、社債や劣後ローンや優先株式という証券自体が概念上おかしいため、
そういった証券の発行自体を禁止する方向の法整備を行うべき問題なのか。
後者に関して言えば、例えば、優先株式が所定の期日通り償還が行われなかった場合、会社や会社財産はどうなるのか、という問題があります。
優先株式が所定の期日通り償還が行われなかった場合、それはいわゆる債務不履行なのか、
それとも優先株式は債務(負債)ではなく資本なのだから、債務不履行ではなくまた何か別の取り扱いになるのか。
優先株式が所定の期日通り償還が行われなかったことは債務不履行であるのなら、優先株式はそもそも負債(債務)でしょう。
優先株式が所定の期日通り償還が行われなかったことは債務不履行ではないのなら、
では優先株式とはそもそも何なのか、という議論になるわけです。

 


優先株式が所定の期日通り償還が行われなかった場合、それを会社の債務不履行と考えるなら、
会社は100%減資(もちろんここでは普通株式のみですが)という形になり、優先株主は倒産会社の一債権者という位置付けになります
(一応法律上は普通株主にも残余財産分配請求権はありますが)。
ただ、会社倒産時の優先株式の弁済順位は全債務の中で一番低いわけです。
当然1円も弁済されないでしょう。
次に、優先株式が所定の期日通り償還が行われなかった場合、
それは会社が債務を履行できなかった(所定の期日に負債を弁済できなかった)ということとは異なる「別の法律行為」であると考えるなら、
「・・・じゃあそれは何だ?」という議論になろうかと思います。
優先株式が所定の期日通り償還が行われなかったことを、
もし債務不履行でないとするなら、それを法律上どうとらえればいいか誰にも分からないわけです("If not failure, what is that?")。
優先株主からすると、償還されなかったことを法律上債務不履行ということにしてしまうと、かえって不利になるわけです。
かと言って、優先株主は、所定の期日通りに会社は償還を行うという約束で会社に”出資”したわけです。
償還しなくてよいというのもおかしな話でしょう。
まあ実務上は会社と優先株主が改めて交渉するなり(当初の契約にはなかったとしても)普通株式へ転換するなりといったことをするのでしょうが、
理論上の話をすると、「『会社は優先株式に対する配当を必ず支払うことや所定の期日に必ず償還を行うこと』が間違いなく絶対に可能である」
ということがまず大前提としてあって、優先株式は発行されているものである、と私は思います。
優先株式が所定の期日通り償還が行われない場合、それは法概念上は説明の付かない事象ということになるでしょうし、
また、法概念上どのように解釈するにせよ優先株主の利益を著しく害する行為である、ということにもなります。
会社側(法人側)からの説明を試みると、それは単に債務不履行だというふうにとらえるべきなのかもしれません。
なぜなら、弁済順位を無視すれば、結局のところ会社にとっては社債=劣後ローン=優先株式なのですから。
まあ会社にとってそれが債務不履行であるのなら、優先株主にとってもそれは債務不履行だ、と法概念上は考えねばならないのだと思います。
一方にとっての債務不履行が他方にとっては債務不履行ではない、などということが法概念上あり得るのかどうか。
債務者にとっては債務不履行だが債権者にとっては債務不履行ではない、などということが法概念上あり得るのかどうか。
一つの債務不履行には法律上債権者と債務者が1セットになるのだろうと思いますが。
まあそういった法概念上のことはともかく、所定の期日通りの配当支払いや償還が保証されていない限り、
優先株主ははじめから著しく不利な立場に立たされていることになる、ということだけは確かでしょう。
そのような株式を引き受ける人がこの世にいるとはとても思えませんが。

 



株式会社において、株主と債権者との間には、どちらが有利・どちらが不利、ということは一切ありません。
株主と債権者とは、その時々(平常時か倒産時か)の権利関係において、両者は完全にフェアです。
定められた会社制度設計に従ってそれぞれが会社から当然の利益を受け取る、という健全な利害対立が両者の間にはあるだけです。

しかし、それは「全株主は皆平等であり全債権者は皆平等である」という前提があって成り立つことです。
株主間でどちらが有利・どちらが不利ということがありますと、上記の議論のように、法概念上説明が付かない事象が起こり得ますし、
会計理論上も利益剰余金を巡る利益処分権の問題が生じます。
また債権者間でどちらが有利・どちらが不利ということがありますと、これもまた上記の議論のように、
倒産時の会社財産を巡って弁済順位に関する問題が生じるでしょう。
究極的には「全債権者は皆平等」と考える方が法概念上は一番すっきりするような気がします。
ただ実際の法の定めはこの考え方を少しだけ修正していて、大まかに言えば、
会社倒産時は、全債権者の中でも、まず従業員の未払給与の弁済に会社財産を使うこととなっており、
次に仕入元に対する仕入債務の弁済に会社財産を使うこととなっています。
通常はこの時点で会社財産はゼロになります。
これより弁済順位の低い債権者(株主は言うに及ばず)の債務は1円も弁済されません。
メザニンだなどと言わなくても、弁済の順位というのははじめからあるわけです。
これは労働者保護の観点であったり商行為を行っている者(仕入元)を優先して保護するといった考え方が根底にあるのだと思います。
これはこれで現実の取引を踏まえた適切な修正であろうと思います。
ただ、基本的考え方としては「全債権者は皆平等」であるわけですから、これら以外の債権者の間には弁済の順位などあってはならず、
したがって、社債や劣後ローンや優先株式、すなわち弁済順位に違いがある証券の発行などは法制度上は認めるべきではないと思います。
社債保有者と劣後ローン保有者との間で弁済順位の合意をするなど、
私的自治の原則(契約自由の原則)の範囲を本来は超えるものではないかと思います。
なぜなら、経済原理に従えば(己の利益を最大化する・己の利益を守ることを考えれば)、
自分よりも弁済の順位が高い証券の発行を認めるなど、本来は絶対にあり得ないことであるわけですから。

 



ちなみに、いわゆる銀行からの借入金ですが、これは会社倒産時の取り扱いは完全に別枠となっております。
平常時は銀行はまさに債権者ですが、会社倒産時は銀行は債権者ではないのです。
物権者です。
銀行は担保物権を持っているからです。
物権は債権よりも強いわけですから、会社倒産時は銀行は従業員(=未払給与を受け取る権利を持つ債権者)よりも強いのです。
「全債権者は皆平等」であるのなら、会社倒産時も銀行も一債権者という立場であるべきという考え方もあるのだとは思いますが、
銀行は担保物権者であるという側面を重視しているということか、弁済に際し担保物権を解除するという考え方はしていないようです。
「全債権者は皆平等」という点に重点を置くのなら、弁済に際し銀行の担保物権は解除されねばならないでしょう。
また逆に、あくまで排他性や直接性といった物権の本質に重点を置くのなら、担保物権の解除など法理上絶対に考えられない、となるでしょう。
この問いに法概念上の絶対的な答えはないのだとは思いますが。
実務上はともかく、理論上は弁済に際し銀行に対し担保物権を解除させることは考えられると思います。
まあその場合は、何のために担保を取っているか分からないわけですから、銀行ははじめから担保は取らないでしょうが。
この「銀行が持ってる担保何とかならないか」という議論については、
2013年6月8日(土) と2013年6月9日(日) に書いていますので、読んでいただければと思います。


2013年6月8日(土)
http://citizen.nobody.jp/html/201306/20130608.html

2013年6月9日(日)
http://citizen.nobody.jp/html/201306/20130609.html

 

2013年6月8日(土) にも書いていますが、私は法律は専門のではありませんので、記述内容に間違っていても一切責任は負えません。
そのことを分かった上で以上の文章は読んでいただければと思います。