2019年4月20日(土)



「お札に渋沢栄一」61年ぶりの復活当選 「紙幣肖像の近現代史」から(上)
(日経BizGate  2019/4/12)
ttps://bizgate.nikkei.co.jp/article/DGXMZO4364828011042019000000

 

「岩倉具視」も反転 知られざる紙幣史 「紙幣肖像の近現代史」から(中)
(日経BizGate  2019/4/17)
ttps://bizgate.nikkei.co.jp/article/DGXMZO4382749017042019000000

 

「令和の新札」肖像を右側に描くワケ 「紙幣肖像の近現代史」から(下)
(日経BizGate  2019/4/19)
ttps://bizgate.nikkei.co.jp/article/DGXMZO4389535018042019000000/

 

 


2018年12月18日(火)のコメントで、ソフトバンク株式会社の上場に関する記事を計26本紹介し、
「有価証券の上場には4つのパターンがある。」という資料を作成し、以降、集中的に証券制度について考察を行っているのだが、
2018年12月18日(火)から昨日までの各コメントの要約付きのリンクをまとめたページ(昨日現在、合計123日間のコメント)。↓

各コメントの要約付きの過去のリンク(2018年12月18日(火)〜)
http://citizen.nobody.jp/html/201902/PastLinksWithASummaryOfEachComment.html

 

 



【コメント】
2024年に発行が予定されています新紙幣についての記事を計3本紹介しています。
紹介している記事は、「紙幣に描かれる肖像」についての考察になります。
ユーロ紙幣は当初、特定の国の人物を描くのは好ましくないとして、建築物や橋梁を図柄に採用していたわけですが、
紙幣には肖像を採用するべきなのです。
紙幣に肖像が採用される理由は、「本物との相違点に最も気が付きやすいから」です。
人は、人の顔を無意識のうちに注意深く見るものなのです。
人は、風景や建築物は違いに気が付きにくいのですが、人の顔の違いには気が付きやすいのです。
紹介している記事の「下」には次のように書かれています。

>もし本物と比べてわずかでも違っていれば、人間は容易に相違点が判別できる

端的に言えば、紙幣に描かれる肖像画の大きさ(紙幣に占める肖像画の面積)は大きければ大きいほどよいのです。
2024年に発行が予定されている新紙幣では、従来の紙幣と比較して、
肖像画の面積が広がっている(約1.3倍の大きさになっている)、とのことです。
また、肖像は紙幣の右側に描くべきなのか、肖像は紙幣の左側に描くべきなのか、
はたまた肖像は紙幣の中央に描くべきなのか、という点についても考えてみたのですが、
この問いに絶対的な答えは内容に思います。
肖像を紙幣の右側に描いても、肖像を紙幣の左側に描いても、大きな問題はないと思います。
ただ、紙幣は実生活上2つに折り曲げることがありますので、
その場合紙幣の中央には折れ目ができてしまい肖像が不鮮明になります(偽札であると気付きにくくなる)ので、
肖像を紙幣の中央に描くことは避けるべきでしょう。
これまで日本では右側に肖像を置く紙幣が圧倒的に多かったようですが、
紹介している記事の「下」には、日本人は右利きが多いことを根拠として、その理由について次のように書かれています。

>紙幣を手で勘定する場合には、一般的に肖像の頭部を上部に向ける傾向が多い。
>右利きの人には右側に肖像があった方が便利という事情も考慮したのかもしれない。

紙幣を数える際のことを鑑みれば、「肖像は紙幣の右側に描くべきである。」、という結論になるのでしょう。
それから、偽札を製造することを考えたことはないとしても、
「紙幣というのは一体どうやって製造されているのだろうか?」、と思ったことは誰しもあると思います。
結論を言えば、紙幣の印刷過程は、21世紀になった今でも全くのブラックボックスのままだと言っていいのだと思います。
一般に、「版」の素材(鉄か金か銀か銅か石等)が何かは分かりませんが、紙幣は「版画」とされています。
記事には、財務省印刷局に「彫刻部」があると書かれています。
「彫刻部」には、一般事務に従事する事務職員もいるのですが、彫刻に専門に従事する「彫刻官」が在籍しているとのことです。
紙幣の彫刻は「彫刻部」の「彫刻官」が手掛けている、と記事には書かれています。
ただ、より具体的な印刷技術については、一切言及がありません(紙幣の印刷過程はやはり国家的な極秘事項なのでしょう)。
最近では、パソコンに連動するスキャナー、プリンター、コピー機などの機能向上に加え、写真製版技術が急速に進歩したため、
一見すると偽札作りは簡単に思えるかもしれませんが、偽札作りの一番の関門は実は「紙」だと私は思います。
紙幣と同じ「紙」は販売されてはいませんし、同じ「紙」を製造するのは現実には極めて困難だと思います。
偽札というのは、触った瞬間に分かったりするものです(紙幣の手触りや紙幣の厚さで本物と違うなと気が付きます)。
図柄だけではなく、紙幣の物理的な「紙」そのものの部分も偽造防止に役立っているのだと私は思います。