2019年4月10日(水)


2019年4月10日(水)日本経済新聞
新紙幣24年度から、20年ぶり お金の未来 どこへ キャッシュ信仰強い日本 世界は脱・現金加速
(記事)


2019年4月10日(水)日本経済新聞
新紙幣 刷新5年前に公表 改元と相乗効果狙う 麻生氏主導、首相も賛同
景気浮揚 限定的か 印刷関連には追い風
(記事)


2019年4月10日(水)日本経済新聞
新紙幣 ここが変わる
「3D肖像」で偽造を防止 訪日客向け、数字大きく
渋沢栄一の玄孫 コモンズ投信・渋沢会長 「脱・現金化でも重要性不変」
(記事)


2019年4月10日(水)日本経済新聞
春秋
(記事)


 

2018年12月18日(火)のコメントで、ソフトバンク株式会社の上場に関する記事を計26本紹介し、
「有価証券の上場には4つのパターンがある。」という資料を作成し、以降、集中的に証券制度について考察を行っているのだが、
2018年12月18日(火)から昨日までの各コメントの要約付きのリンクをまとめたページ(昨日現在、合計113日間のコメント)。↓

各コメントの要約付きの過去のリンク(2018年12月18日(火)〜)
http://citizen.nobody.jp/html/201902/PastLinksWithASummaryOfEachComment.html

 

 


【コメント】
本日2019年4月10日(水)付けの日本経済新聞の朝刊の1面トップは「新紙幣発表」についてでした。
計4本記事を紹介していますが、記事を題材にして、昨日に引き続き「新紙幣発表」についてコメントを書きたいと思います。
紙幣のデザインの変更について、私は昨日次のように書きました。

>紙幣のデザインの変更は、2004年の前は1984年であったわけですが、
>紙幣のデザインは20年ごとに変更されることになっているのでしょう。

この点に関連することなのですが、将来的には日本でもキャッシュレス決済が増加していくことが見込まれているわけですが、
紹介している1つ目の記事には、この点について次のように書かれています。

>紙幣の需要が減っていくなかで、今回が実質的に最後の紙幣刷新になる可能性は否定できない。

この記述を読んでふと思ったのですが、理論上は「紙幣のデザインが変更されてよいことは何もない。」という結論になります。
一言で言えば、人が紙幣を見て「これは紙幣である。」と分かることが重要であるわけです。
言葉を換えれば、紙幣の認知度の問題(紙幣を見て紙幣であることが分からないということが起こってはならない)であるわけです。
ずっと同一デザインの紙幣を使用し続けることができるのならば、その方がよい、という考え方はあると思います。
「昔はあの人だったよね。」というのはただのノスタルジー(つまり、貨幣経済上有用な話ではない)でしょう。
紙幣というのは、等価交換可能な金額を表象しているに過ぎません(紙幣そのものに本質的意味があるわけでは全くない)。
ただ、紙幣というのは使っていくうちに痛んだり破れたりしますので、実務上、
一定期間が経過したら日本銀行は市中から紙幣を回収し回収した分新たに市中に紙幣を供給しなければなりません。
その回収と供給を鑑みますと、紙幣を識別するための通し番号である「記番号」が、
数十年以上経つと不足する(最後は空き番号がない状態に陥る)、という事態は現実に考えられます。
超長期的には、「通し番号」は10ケタでも11ケタでも足りない、ということになります。
「通し番号」は、ある一時点における紙幣の流通枚数に対応したものではなく、
その図柄を使用し続ける限り紙幣に印字することになる紙幣の最大枚数に対応していなければなりません。
理屈では、回収した紙幣の「通し番号」を断裁処分と焼却処分の前に控えておき、
同じ「通し番号」の紙幣を新たに発行する、ということもできるわけですが、
日本銀行が市中から回収する紙幣というのは、痛んだり破れたりしていますので、万一間違いや重複が生じてはなりませんので、
実務上は同じ「通し番号」は二度と使用しない、という対応が求められると思います。
実務上は、紙幣の図柄の変更は、「通し番号」の不足と関連があることだという見方ができると思います。
今後は紙幣の流通枚数が減少する見込みとなっているようですが、流通枚数が減少する分その図柄の耐用年数は長期化します。
また、「通し番号」が1ケタ増えると、増加前の10倍となる枚数だけその図柄の紙幣の発行が可能になります。
それらを踏まえますと、このたび発表された新紙幣(紙幣の新しい図柄)は、現行のも含めたこれまでの紙幣とは異なり、
「少なくとも200年間は使用が可能である。」(「通し番号」が枯渇することがない)、という結論になります。
それから、少しだけ関連することになりますが、有価証券報告書の記載事項を拡充・多様化するべきという向きがあるわけですが、
その議論の中には、カラーの図やグラフやプレゼンテーションの類を盛り込んではどうかという案も含まれているわけです。
それでふと思ったのですが、政府が発表した紙幣の新しい図柄は「官報」で「公布」しなくてよいのだろうかとふと思いました。
辞書によりますと、「公布」とは、「法律・命令・条約・予算などを官報に公表して一般の人に知らせ、
その拘束力を発揮出来るようにすること。」という意味ですが、政府は「これが紙幣です。」と「公布」しなければならないのです。
「テレビで大臣が記者会見をしていたから。」というのは少なくとも法律的ではありません。
紙幣や硬貨は「『法定』通貨」ですので、新しい紙幣は(この場合は当然カラーで)「官報」で「公布」しなければなりません。