2019年4月3日(水)
2019年4月3日(水)日本経済新聞
おかげさまで
本日、株式会社東名は
東証マザーズ
名証線トレックスに
上場いたしました。
株式会社東名
(記事)
 
2019年4月2日
AGC株式会社
株式の売出しに関するお知らせ
ttps://www.agc.com/news/pdf/20190402.pdf
(ウェブサイト上と同じPDFファイル)
2018年12月18日(火)のコメントで、ソフトバンク株式会社の上場に関する記事を計26本紹介し、
「有価証券の上場には4つのパターンがある。」という資料を作成し、以降、集中的に証券制度について考察を行っているのだが、
2018年12月18日(火)から昨日までの各コメントの要約付きのリンクをまとめたページ(昨日現在、合計106日間のコメント)。↓
各コメントの要約付きの過去のリンク(2018年12月18日(火)〜)
http://citizen.nobody.jp/html/201902/PastLinksWithASummaryOfEachComment.html
>The opening price used to be determined by a lead managing underwriter 
exclusively before 1988,
>whereas it has been determined by investors in 
the market since 1988.
>The current determination method of the opening 
price has been called the "book-building method" since 1997.
>公開価格は、1988年以前は主幹事証券会社が天下り的に決定をしていましたが、1988年以降は市場の投資家が決めています。
>現行の公開価格の決定方法は、1997年以降は「ブック・ビルディング方式」と呼ばれています。
2019年3月2日(土)のコメントを書いた時は、これで正しいと思って書きましたし、
今でもこれはこれで正しいと思っているのですが、この点について少しだけ補足をしたいと思います。
昨日は、株式の市場価格について次のように書きました。
>In the abstract, a share price in the market before 1999 used to be 
artificial,
>whereas a share price in the market of the current system is 
investors-made.
>抽象的に言えば、1999年以前の株式の市場価格は人為的であったのですが、現在のそれは投資家間によるものなのです。
このことを考慮に入れますと、「結果として、1999年以前は公開価格も人為的に決められたものであった、
というような言い方ができるのではないだろうか。どのように考えればよいだろうか。」、と今日は思いました。
私もまだ理解があやふやですので、今日はこの点について、考察を行っていきたいと思います。
以下、「公開価格の決定方法」について、自分なりの考察を書いていきたいと思います。
2019年3月2日(土)のコメントで「公開価格の決定方法」についての結論を書いたわけですが、
今日はこの結論を少しだけ訂正したいと思います。
1988年から1999年までの伝統的な証券制度における「公開価格の決定方法」が間違っていたように思います。
訂正に当たり、今日は次のような図を描きました↓。
「公開価格の決定方法の変遷」
図でなく、文章でまとめますと、次のようになります↓。
○第1期(1988年以前)→主幹事証券会社が株式の本源的価値を算定して中立・公正な立場から公開価格を決定する。
                公開価格は、「応募倍率」が1倍になる価格とも異なるし、市場価格とも異なる。
○第2期(1988年から1999年まで)→公開価格は市場価格。
                      公開価格は、「応募倍率」が1倍になる価格とも異なるし、
                      主幹事証券会社が株式の本源的価値を算定して決定するわけでもない。
○第3期(1999年以降)→公開価格は、「応募倍率」が1倍になる価格。
                公開価格は、市場価格とも異なるし、
                主幹事証券会社が株式の本源的価値を算定して決定するわけでもない。
「第2期」(1988年から1999年まで)の「公開価格の決定方法」を少しだけ説明をしたいと思います。
図を描きながら「公開価格の決定方法」について考察を進めていったわけなのですが、
考察を進めていく中で、1988年から1999年までの間の「公開価格の決定方法」がどっちつかずの宙ぶらりんと言いますか、
2019年3月2日(土)のコメントで書きました「公開価格の決定方法」では説明が不十分だと気が付きました。
1988年にいわゆる「ブック・ビルディング方式」に移行したという考え方は間違いなのかもしれない、と思いました。
いわゆる「ブック・ビルディング方式」に移行したのは、1999年であると考えるべきなのだと思います。
そして、1988年から1999年までの間は、また別のある価格が公開価格として用いられていた、と考えるべきなのだと思いました。
その価格とは、「株式の市場価格」です。
図中に自分で記述の自己訂正をしているのですが、考察の過程を残しておくのも勉強になると思いましたので残すことにしました。
私が描きました図中の「第2期」(1988年から1999年まで)の説明を引用します↓。
公開価格はあくまで投資家の需要に基づいて決定をするのだから、基本的には「応募倍率」は1倍になる。
しかし、株式の市場価格の人為性を鑑みれば、結局のところ、公開価格はその市場価格と同じでなければならない、
という考え方もある。
この場合、公開価格は、主幹事証券会社が算定した株式の本源的価値とも異なる上に、投資家の需要に合致した価格とも異なる、
ということになる。
⇒結局、「公開価格は株式の市場価格である。」という考え方に分があるように思われる。
紹介しているAGC株式会社の記事とプレスリリースを題材に一言だけ書きますと、記事には次のように書かれています。
>売り出し価格は15〜17日のいずれかの日の終値をベースに決める。
今日描きました図と今日の議論を踏まえますと、
率直に言えば、売出価格を株式の市場価格を基準として決定するのは現在では間違いである、という結論になります。
現在では、売出価格は投資家の需要を基準として決定する(「応募倍率」が1倍になるように価格を決定する)べきなのです。
そして、プレスリリースには、売出価格の決定方法についてより専門的なことが書かれていまして、
「日本証券業協会の定める有価証券の引受け等に関する規則第25条に規定される方式」という決定方法があるとのことです。
この方式では、株式の市場価格の終値を基準とした上で需要状況を勘案した上で決定する、ということのようです。
しかし現在では、売出価格は、株式の市場価格とは無関係に、投資家の需要状況のみを勘案した上で決定するべきなのです。
また、プレスリリースを読んでいてふと思ったのですが、1999年以前の伝統的な証券制度では、
売出しや募集のためのいわゆる「安定操作取引」は、行われていなかったのではないかと思います。
逆から言えば、1999年以前の伝統的な証券制度では、株式の市場価格は始めから安定していたのです。
それから、書き出すとキリがないのですが、1999年以前の伝統的な証券制度では、
発行者の既存株主は売出しや募集に申し込むことができませんでした(証券会社の支店の窓口で断られると思います)。
その理由は、投資家が保有できる株式数は1銘柄につき1単位までだったからです。
そして、1999年以前の伝統的な証券制度では、既存株主ではない投資家は1単位しか申し込みができなかった、ということになります。
1999年以前の伝統的な証券制度は、ある特定の理想状態の実現を目的とした証券制度であったように思えます。
In the abstract, a share price in the market before 1999 used to be 
reliable,
whereas that after 1999 has been each time.
抽象的に言えば、株式の市場価格は、1999年以前は当てになるものであったのですが、1999年以降は都度のものになりました。
Before 1999, it was relatively easy for a lead managing underwriter to determine an opening price.
1999年以前は、主幹事証券会社が公開価格を決定することは相対的に容易でした。
Historically, each of the three is different from the other two in an opening price, actually.
歴史的には公開価格は実は三者三様なのです。