2019年4月2日(火)



2019年4月1日(月)日本経済新聞
東証1部「昇格」3割減 3月、市場再編議論が影響か
(記事)




2019年4月2日(火)日本経済新聞
「総合取引所」発足で合意 変革・淘汰の岐路へ 商品先物、新たな課題も
(記事)




2019年3月12日(火)日本経済新聞
地方証取 災害に備え 札証など 連絡体制や電源を強化
(記事)



 

2018年12月18日(火)のコメントで、ソフトバンク株式会社の上場に関する記事を計26本紹介し、
「有価証券の上場には4つのパターンがある。」という資料を作成し、以降、集中的に証券制度について考察を行っているのだが、
2018年12月18日(火)から昨日までの各コメントの要約付きのリンクをまとめたページ(昨日現在、合計105日間のコメント)。↓

各コメントの要約付きの過去のリンク(2018年12月18日(火)〜)
http://citizen.nobody.jp/html/201902/PastLinksWithASummaryOfEachComment.html

 

 


【コメント】
2019年3月31日(日)のコメントで、東京証券取引所の再編や今後予定されています総合取引所の誕生についての
記事を計9本紹介して、証券制度や証券取引についてコメントを書きました。
理論上も実務上も、会社は株式を上場している市場区分を気にする必要は全くないわけですが、
東京証券取引所第1部市場を上場のゴールのように見なしている会社は現実にはあるということのようです。
「@第2部市場から第1部市場へ」と「Aジャスダック市場から第1部市場へ」と「Bマザーズ市場から第1部市場へ」
という上場区分の変更は「昇格」という表現がなされているわけですが、
例えば「名古屋証券取引所から東京証券取引所第1部市場へ」という上場区分の変更は、
「昇格」という言い方はしないように思います。
1893年当時であれば、東海財務局と関東財務局は対等だったと言いますか、単に地理上の差異があったというだけのことであった
わけですが、ネット証券やオンライン・トレードが当たり前のこととなっている現在であれば、
名古屋証券取引所と東京証券取引所第1部市場との間には漠然とした格の違いのようなものが世間にはあるようにも思います。
ただ、名古屋証券取引所と東京証券取引所第1部市場との間には、株式市場として本質的な差異は全くありません。
名古屋証券取引所と東京証券取引所第1部市場との間に株式市場として本質的な差異はないのであれば、
第2部市場やジャスダック市場やマザーズ市場と東京証券取引所第1部市場との間に株式市場として本質的な差異はないはずです。
それから、紹介している2019年3月12日(火)付けの日本経済新聞を読んでいてふと次のようなことを思いました。
「1999年以前の伝統的な証券制度においても、例えば東京証券取引所と名古屋証券取引所とに重複上場していた銘柄は
あったのではないだろうか。」と。
おそらく、1999年以前に例えば東京証券取引所と名古屋証券取引所とに重複上場していた銘柄はあったのではないか
と思うのですが、結局のところ、そのことは実は「市場集中原則」に反していた、と言わねばなりません。
なぜならば、東京証券取引所の「板」と名古屋証券取引所の「板」は分かれている(「板」が2つある状態である)からです。
一言で言えば、重複上場ということそのこと自体が実は「市場集中原則」に反しているのです。
「市場集中原則」とは、株式の全ての取引が株式市場で行われることを要請するものではありません。
「市場集中原則」とは、株式の全ての取引がある1つの「板」の上で行われることを要請するものなのです。
さらに言えば、1893年当時とは異なり、ネット証券やオンライン・トレードが当たり前のこととなっている現在では、
発行者にとっても投資家にとっても地理的な障害は一切ない状態(財務局の行政区分に意味が全くなくなっている状態)ですので、
やはり日本国内に株式市場が複数あること自体が投資家の利便性を損ねているように思います。
北海道に登記をしている会社が東京証券取引所に株式を上場しているのだが、
その会社は毎年有価証券報告書を沖縄総合事務局(財務部)の窓口に提出している、ということも
現在では証券制度上は認められる(現在財務局は純粋な窓口でしかない)わけですが、
要するところ、現在では株式市場が複数あること自体に全く意味がないわけです。
ネット証券やオンライン・トレードを用いれば、投資家は例えば東京証券取引所と名古屋証券取引所とに同時にいることが
容易にできるわけですが、そのことは株式市場が分かれていること自体に意味がないことをも表しているわけです。
仮に、株式市場が複数存在することに意味があるとすれば、それは上場規則自体が根本的に異なっている場合のみである、
という考え方になるように思います。
投資家をして「証券投資の前提自体が異なっている。」と言わしめるほどに上場規則が株式市場間で異なっているならば、
株式市場が複数存在することに意味があると私は思います。


In theory, an investor who are trading in Sapporo Stock Exchange is not trading in Fukuoka Stock Exchange.

理論上は、札幌証券取引所で取引を行なっている投資家は福岡証券取引所で取引を行ってはいないのです。

 

 



2019年3月15日(金)日本経済新聞
市場点描 チャート&データ
配当落ちで1000億円の買い
(記事)




2019年3月30日(土)日本経済新聞
日経平均、18年度1.2%安 3年ぶり下落 機械・半導体下げる
(記事)




2019年3月30日(土)日本経済新聞
楽天、評価益800億円 株保有の米リフト上場で
(記事)





2019年4月1日
楽天株式会社
有価証券評価益計上のお知らせ
ttps://corp.rakuten.co.jp/news/assets/pdf/press/20190401_01_J.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)

> 当社グループの投資先であるLyft, Inc.(以下、Lyft)が2019年3月29日(現地時間)に米国NASDAQ市場へ
>新規株式公開を行ったことに伴い、当社グループが保有するLyftの株式の公正価値評価を行った結果、
>当社グループの2019年12月期第1四半期連結会計期間において有価証券評価益約1,100億円を計上する見込みとなりました。

 

 



【コメント】
2019年3月29日(金)のコメントで、「権利落ち」や「配当落ち」や「権利付き最終売買日」について考察を書きました。
毎年1月初旬や4月初旬になると、「年末の株価はいくらになりそうだ。」や「年度末(3月末)には株価はこうなりそうだ。」、
といった内容(証券アナリスト等による株価予想の類)の記事が載っています。
また、毎年12月末や3月末になると、「最終取引日の株価はこうなった。」という内容の記事が載っています。
紹介している2019年3月30日(土)付けの日本経済新聞の日経平均に関する記事では、
「2018年度の最後の取引日であった2019年3月29日(金)の株価」についてあらましが述べられています。
そして、紹介している2019年3月30日(土)付けの日本経済新聞の楽天に関する記事は、楽天の保有株式の時価評価に関する内容です。
保有株式を時価評価するという場合、期末日(=貸借対照表日)の時価で保有株式を評価するわけです。
企業会計上の取り扱い(会計処理方法)ということで期末日を評価の基準とすること自体は何の問題もないわけですが、
投資家の立場から証券投資を見ますと、少しだけ考え方が異なります。
投資家にとって「最終取引日」とは、3月の最終の営業日ではなく、3月の最終の営業日の3営業日前の日を意味するのです。
他の言い方をすると、投資家にとって「最終取引日」とは「権利付き最終売買日」を意味するのです。
なぜならば、3月末の最終の株主名簿に記載されるための「最終取引日」が3月の最終の営業日の3営業日前の日だからです。
例えば、3月の最終の営業日の2営業日前の日に株式を購入しても、
それは投資家から見ると4月に入ってから株式を購入したことと同じなのです。
3月の最終の営業日の2営業日前の日に株式を購入しても、株主名簿上は、4月の最初の営業日に株式を買った、
という状態になるだけなのです。
3月の最終の営業日の2営業日前の日に株式を購入しても(正確に言えば、購入する約束をすること、「約定」)、
株式の受渡も代金の支払も4月の最初の営業日ということになるのです。
そのような状態というのは、証券投資としては、「4月の取引」という言い方になるわけです。
ですので、「3月の最終の営業日の3営業日前の日」が投資家にとっての「その年度の最終取引日」ということになるのです。
3月の最終の営業日の2営業日前の日の朝、例えば機関投資家の会社では、
「暦の上ではまだ3月ですが、今日から4月の取引が始まります。」、というような挨拶が社員同士で行われるわけです。
紹介している記事に即して言えば、「2018年度の最後の取引日であった2019年3月29日(金)」の取引というのは、
投資家にとっては全く意味はない(少なくともそれは2018年度の取引ではない)ということになるわけです。
「2018年度の最後の取引日であった2019年3月29日(金)」、投資家は次の年度の4月の取引を行うのです。
その意味では、保有株式の時価評価の基準日としては、「2018年度の最後の取引日であった2019年3月29日(金)の株価」を
基準とするというのは間違いである(つまり、投資家から見るとそれは3月の最終の取引の結果ではないから)、
という考え方もあるとは思います。
株価は「市場で決まる」すなわち「投資家間で決まる」という考え方に基づけば、保有株式の時価評価の基準日は、この場合、
「3月の最終の営業日の3営業日前の日」である「2019年3月26日(火)」である、という結論になります。
ただ、保有株式の時価評価の根拠というのは、会社が保有株式を売却する場合のことを想定してのことですので、
投資家の投資行動を基準とするのではなく、会社は市場でいくらで保有株式を売却できるのか、
ということに重きを置くべきなのだと思います(つまり、「権利落ち」の株価の方が会社にとってより公正だと言えるのです)。
「約定日と受渡日が3営業日ずれている」ということがそもそもの問題の根源なのですが、このズレの結果、
株式を保有している会社から見た株価と証券投資を行っている投資家から見た株価との間にも認識のズレが生じているのです。

 


From a standpoint of an investor, a share price in the market under the traditional securities system before 1999
used to be much fairer than that under the current one.
The mention stated above means not that the current share price doesn't reflect the intrinsic value of a share
but that the current share price readily fluctuates if an investor tries to trade the share in a mass.
One assertion is that an investor should not trade a share in a mass
because the share price in the market doesn't reflect the intrinsic value of the share as a result.
But, my personal assertion is that, if a share price in the market truly reflects the intrinsic value of the share,
the share price should not fluctuate however much an investor trades the share in the market.
Or rather, an investor should trade the share in the market
until the share price in the market becomes equal to the intrinsic value of the share on the basis of his own calculation.
In other words, a share price in the market should converge
at the intrinsic value of the share on the basis of each investor's own calculation.
No investor buys a share at a price higher than the intrinsic value of the share on the basis of his own calculation,
and no investor sells a share at a price lower than the intrinsic value of the share on the basis of his own calculation.
In the first stage, a share price in the market fluctuates between
the highest intrinsic value of the share on the basis of an investor's calculation
and the lowest intrinsic value of the share on the basis of an investor's calculation.
And, in the last stage, a share price in the market converges at one price between
the highest intrinsic value of the share on the basis of an investor's calculation
and the lowest intrinsic value of the share on the basis of an investor's calculation.
In the abstract, a share price in the market before 1999 used to be artificial,
whereas a share price in the market of the current system is investors-made.

投資家の立場から見ると、1999年以前の伝統的な証券制度における株式の市場価格は、
現在の証券制度における株式の市場価格よりもはるかに公正なものでした。
上記の記載は、現在の株式の市場価格は株式の本源的価値を反映していないという意味ではなく、
現在の株式の市場価格は投資家が大量に株式を取引しようとするとすぐに変動してしまうという意味です。
株式の市場価格が結果としてその株式の本源的価値を反映しなくなってしまうため投資家は株式を大量に取引してはならない、
という主張もあります。
ただ、私個人の考えを言いますと、株式の市場価格が真にその株式の本源的価値を反映しているならば、
投資家がどんなに大量に市場で株式を取引しようとも株式の市場価格は変動しないはずです。
いや正確に言えば、株式の市場価格が自分自身の算定に基づいた株式の本源的価値に等しくなるまで、
投資家は市場で株式の取引を行うはずです。
他の言い方をすれば、株式の市場価格は各々の投資家自身による算定に基づいた株式の本源的価値に収束するはずです。
自分自身の算定に基づいた株式の本源的価値よりも高い価格で株式を買う投資家はいませんし、
自分自身の算定に基づいた株式の本源的価値よりも低い価格で株式を売る投資家もいないのです。
最初の時点では、株式の市場価格は、ある投資家の算定に基づく株式の本源的価値の最大値と
ある投資家の算定に基づく株式の本源的価値の最小値との間で変動します。
そして最後には、株式の市場価格は、ある投資家の算定に基づく株式の本源的価値の最大値と
ある投資家の算定に基づく株式の本源的価値の最小値との間のある価格に収束します。
抽象的に言えば、1999年以前の株式の市場価格は人為的であったのですが、現在のそれは投資家間によるものなのです。

 



A reference date of a "revaluation" on the corporate accounting is a closing date of an issuer,
whereas, as a securities investment, the last date of a trading from a standpoint of an investor is, as it were,
a date three operating days before the last operating date,
not a closing date of an issuer nor the last operating date.
For, even if an investor buys a share on a closing date of an issuer, he can legally not be a shareholder on that date.
From a standpoint of an investor, a business year ending the 31th of March's trading on the stock market
comes to a close not on the 31th of March but on a date three operating days before the 31th of March.
For example, workers in an instutional investor say to each other when they leave their office
for their respective homes on a date three operating days before the 31th of March (for example, on March 26),
"A trading of this year has broken up. See you next year."

企業会計上の「再評価」の参照日は発行者の決算日ですが、
証券投資としては、投資家の立場から見た取引の最終日というのは、言わば、最終営業日の3営業日前の日なのです。
発行者の決算日や最終営業日ではないのです。
というのは、たとえ発行者の決算日に株式を購入したとても、投資家は法律的にはその日には株主になれないからです。
投資家の立場からすると、3月31日に終了する事業年度の株式の取引は、
3月31日に終了するのではなく、3月31日の3営業日前に終了するのです。
例えば、機関投資家で働いている人達は、3月31日の3営業日前の日に(例えば、3月26日に)、
オフィスからのそれぞれの帰り際に、「今年の商いは終わりましたね。お疲れ様でした。」と挨拶をするのです。

 


They say in a morning of March 27 in 2019,
"Good morning. It's March on a calender, but it's April on our business."

2019年3月27日の朝、彼らはこう挨拶をします。
「おはようございます。今日は暦の上では3月ですけど仕事の上では4月ですね。」