2019年2月19日(火)



2019年2月19日(火)日本経済新聞
銘柄診断 昭和シェル
一時6%高 期末高配当を好感
(記事)


 


2018年12月18日(火)のコメントで、ソフトバンク株式会社の上場に関する記事を計26本紹介し、
「有価証券の上場には4つのパターンがある。」という資料を作成し、以降、集中的に証券制度について考察を行っているのだが、
2018年12月18日(火)から昨日までの各コメントの要約付きのリンクをまとめたページ(昨日現在、合計63日間のコメント)。↓

各コメントの要約付きの過去のリンク(2018年12月18日(火)〜)
http://citizen.nobody.jp/html/201902/PastLinksWithASummaryOfEachComment.html

 

 


【コメント】
2019年2月16日(土)のコメントに一言だけ追記をしたいと思います。
2019年2月16日(土)のコメントでは、出光興産株式会社と昭和シェル石油株式会社の経営統合の事例について次のように書きました

>株式交換の効力発生日が「2019年4月1日」である出光興産株式会社と昭和シェル石油株式会社の株式交換の事例では、
>2019年6月下旬に開催される出光興産株式会社の定時株主総会には、
>「2019年3月31日」現在の出光興産株式会社の株主のみが出席をすることができ、
>「2019年3月31日」現在の昭和シェル石油株式会社の株主は出席をすることができない、ということになります。

>仮に、出光興産株式会社と昭和シェル石油株式会社の経営統合が株式交換ではなく合併であれば、
>2019年6月下旬に開催される出光興産株式会社の定時株主総会には、
>「2019年3月31日」現在の出光興産株式会社の株主は出席をすることができますし、
>「2019年3月31日」現在の昭和シェル石油株式会社の株主も出席をすることができる、となります。
>なぜならば、合併では、株主名簿もそのまま合算されるからです(概念的に言えば、合併では株主は異動しないのです)。

この点について一言だけ追記をしたいと思います。
株式交換と合併の違いについて、やや語弊を招く言い方になるかもしれないが事の本質を言い表すならばこうなるはずだと考え、
この時私は「合併では株主は異動しない。」と表現しました。
言葉足らずで説明が不十分であったと思いますので、
この「合併では株主は異動しない。」という表現について説明をしたいと思います。
説明の題材とするために、次のような概念図を描きましたので参考にして下さい。


「組織再編の効力発生時点の株主名簿の記載内容(記載された株主名や各所有株式数等)は全く同じでも、
『株式交換における完全親会社の株主名簿』と『合併における存続会社の株主名簿』は実は本質的に意味が異なる。」


「4月1日付けで合併を実施した際の4月1日0時時点の両社の株主名簿」

↑特に株式会社乙の株主名簿が分かりやすいが、
明らかに株主が異動をしている。
株主名簿の単純合算では決してない。
株式会社甲にとってE〜Hは明らかに新株主。

「4月1日付けで株式交換を実施した際の4月1日0時時点の両社の株主名簿」

↑株主名簿が単純合算されている。
株式会社乙の株主名簿は存在しない。
株主の「異動」とはやはり意味が異なる。
「異動」ではなく、「従来から」と考える。

 



話を簡略化して言いますと、私が説明したい事柄(「合併と株主との関係」)というのは次のような問いになると思います。

「3月31日を基準日とした6月下旬に開催される存続会社の定時株主総会に、消滅会社株主は果たして出席をすることができるのか?」

合併の効力発生日はあくまで4月1日なのですから、3月31日時点の消滅会社の株主は
3月31日を基準日とした6月下旬に開催される存続会社の定時株主総会に出席できない、という考え方もあると私は思ったわけです。
消滅会社株主が存続会社株主になったのはあくまで4月1日なのだから(3月31日の時点では存続会社株主ではなかったのだから)、
3月31日時点の消滅会社の株主は3月31日を基準日とした6月下旬に開催される存続会社の定時株主総会に出席できない、
という考え方もあると私は思ったわけです。
しかし、私は、
「3月31日時点の消滅会社の株主は3月31日を基準日とした6月下旬に開催される存続会社の定時株主総会に出席できる。」
という考え方になると思います。
概念的な言い方をすれば、合併に関して言えば、株式会社乙の株主は「従来から」(合併前から)株式会社甲の株主だった、
だから、3月31日を基準日とする株式会社甲の定時株主総会に旧株式会社乙の株主は出席をすることができるのです。
一方、株式交換の場合は、株式会社乙の株主は株式交換の実施に伴い新たに株式会社甲の株主になった、
だから、3月31日を基準日とする株式会社甲の定時株主総会に旧株式会社乙の株主は出席をすることができないのです。
株式交換では、完全子会社の株主は完全親会社の株主へと異動するわけです。
そして、完全子会社の株主には新たに完全親会社がなるわけです(ここでも株主の異動が起こっている)。
一方、合併では、「株主が異動する」と考えるのではなく、「株主名簿が合算される」と考えるべきなのです。
「株主名簿が合算される」(1つの会社になる)、だから、
消滅会社の株主は基準日(3月31日)時点では(合併の効力発生の前であったのだから)存続会社の株主ではなかったものの、
消滅会社の株主は3月31日を基準日とした存続会社の定時株主総会に出席をすることができる、という考え方になるわけです。
他の言い方をすると、合併の場合は、
「4月1日0時の存続会社の株主名簿=3月31日24時の存続会社の株主名簿」
という考え方になるわけです。
確かに、表面上は3月31日24時の存続会社の株主名簿に消滅会社の株主は記載されていません。
その意味では、3月31日を基準日とした存続会社の定時株主総会に消滅会社の株主は出席できない、という考え方になります。
しかし、合併では、3月31日24時の株主名簿を合算する、という考え方になるわけです。
そうしますと、3月31日24時の存続会社の株主名簿は3月31日24時の消滅会社の株主名簿を包含するもの、
という考え方になると私は思うわけです。
抽象的な言い方をすると、合併では、
存続会社に新たな株主が誕生するというわけでもありませんし消滅会社に新しい株主が誕生するというわけでもないわけです。
その意味において、「合併では株主は異動しない。」のです。
「3月31日24時の消滅会社の株主は、3月31日を基準日とした消滅会社の定時株主総会に出席をするべきである。」、
とあなたは存続会社から主張されたと考えてみて下さい。
「消滅会社とは存続会社のことだ。」とあなたは存続会社に対し主張したくなるのではないでしょうか。
消滅会社は消滅したというより存続会社になったのですから。
3月31日を基準日とした6月下旬に開催される存続会社の定時株主総会に消滅会社株主が出席をすることができる理由は、
消滅会社が消滅してしまったからではなく(消滅会社で定時株主総会を開催しようと思ってももはやできないからではなく)、
消滅会社株主は3月31日24時の時点で存続会社株主になったと考えるべきだからなのです。
端的に言えば、「異動」("change"、株主が変わること)であれば株主総会に出席できないはずです。
端的に言えば、株式交換は株主の「異動」なので、完全子会社の旧株主は完全親会社の定時株主総会に出席できないのです。