2018年9月25日(火)



芙蓉総合リース---非公開化に向け、アクリーティブの公開買付けを開始

芙蓉総合リース (T:8424)は21日、連結子会社のアクリーティブ (T:8423)を非公開化するため、
同社の普通株式及び新株予約権を、公開買付けにより取得することを決定したと発表。
買付予定数は9,826,800株、公開買付価格は415円。
これは、同公開買付けの公表日の前営業日である9月20日の終値280円に対して48.21%、
直近1ヶ月間の終値平均269円に対して54.28%を上回る水準。
連結子会社化より1年8カ月が経過する中で、ガバナンスが整備され、グループ一体での情報発信体制も整ったことで、
上場維持の必要性が低下したこと、少数株主へ配慮しつつ人材やシステム等へ先行投資を実施することは困難である
との見込みから、非公開化を目指すべきとの判断に至ったという。
今後は、両社の更なる企業価値向上に向け、特性や強みを十分に活かした経営を行い、事業の強化を図る。
また、期待されるシナジー効果をできる限り早期に実現することを第一に、両社の人材等の経営資源を活用し、
必要な施策を速やかに実行していくとしている。
(Investing.com 2018年09月25日 11:00)
ttps://jp.investing.com/news/stock-market-news/article-201140

 


2018年9月25日(火)日本経済新聞 公告
公開買付開始公告についてのお知らせ
芙蓉総合リース株式会社
(記事)

 

 



H30.09.25 09:11
芙蓉総合リース株式会社
公開買付届出書  
(EDINET上と同じPDFファイル)



 
H30.09.25 11:33
アクリーティブ株式会社
意見表明報告書
(EDINET上と同じPDFファイル)



H30.09.25
芙蓉総合リース株式会社
公開買付開始公告
(EDINET上と同じhtmlファイル)



2018年9月21日
芙蓉総合リース株式会社
アクリーティブ株式会社株券等(証券コード:8423)に対する公開買付けの開始に関するお知らせ
ttps://ssl4.eir-parts.net/doc/8424/tdnet/1631077/00.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)



2018年9月21日
アクリーティブ株式会社
支配株主である芙蓉総合リース株式会社による当社株券等に対する公開買付けに関する意見表明のお知らせ
ttp://www.accretive.jp/pdf/ir_release/20180921_1.pdf

(ウェブサイト上と同じPDFファイル)

 

 



【コメント】
「みんなの株式」(ttps://minkabu.jp/)という主に個人投資家を対象としたウェブサイトがあるようです。
「みんなの株式」のトップページには、次のような紹介文が書かれています。

>みんなの売買予想、予想株価がわかる株式投資の総合サイトです。
>株価・チャート・ニュース・株主優待・IPO情報等の企業情報に加えSNS機能も提供しています。
>『証券アナリストの予想』『株価診断』『個人投資家の売買予想』これらを総合的に算出した目標株価を掲載。
>SNS機能では『ブログ』や『掲示板』で個人投資家同士の意見交換や情報収集をしてみるのもオススメです!

株式投資をするのであれば、「みんなの株式」は必ず目を通しておくべきサイトなのだろうと思いました。
さて、「みんなの株式」に、あることに気付かされた記事が掲載されていましたので紹介します↓。
今日のアクリーティブ株式会社株式の株価の値動きについての記事です。
また、「みんなの株式」に「アクリティブのチャート」も掲載されていましたので、
URLと「キャプチャー画像」を併せて紹介したいと思います。
さらに、「みんなの株式」に「アクリティブの詳細情報」も掲載されていましたので、同様に紹介したいと思います。


アクリーティブに大量買い、芙蓉リースがTOBを実施し完全子会社へ◇

 アクリーティブ<8423.T>が寄り付き大量の買いを集めカイ気配で水準を切り上げている。債権流動化サービスを手掛け、
19年3月期は営業利益段階で7%増益を見込んでいる。21日取引終了後、提携するみずほ系リース大手の
芙蓉総合リース<8424.T>が同社株に対するTOB(株式公開買い付け)を実施し、完全子会社化を目指すことを発表、
これが株価を押し上げている。TOB価格は1株415円で21日終値を48%上回る水準。
買い付け期間はきょうから11月6日までを予定している。
(注)タイトル末尾の「◇」は本文中に複数の銘柄を含む記事を表しています。
(minkabu PRESS 2018/09/25 09:15)
ttps://minkabu.jp/news/2213076


アクリティブのチャート(minkabu)
ttps://minkabu.jp/stock/8423/chart

「キャプチャー画像」



アクリティブの詳細情報(minkabu)
ttps://minkabu.jp/stock/8423

「キャプチャー画像」






紹介している「みんなの株式」の記事を読んで私は何に気付いたのかと言えば、次の2つことに気付きました。

@「株価の上昇率や下落率」と「出来高」とは全く関係がない。
A「板に出される買い注文や売り注文の多寡」と「出来高」とは実はある意味関係がない。

キャプチャーしています「アクリティブのチャート」の「株価」(折れ線グラフ)を見ますと、
アクリーティブ株式会社株式の株価は前営業日と比較し今日は急上昇した(「360円」まで急騰した)ということが分かります。
終値ベースで前営業日比「28.57%」(ストップ高)もの値上がり率を記録し、全市場の値上がり率で1位となっています。
ところが、「アクリティブのチャート」の「出来高」を見ますと、
特段今日は「出来高」が大きかった、などということは全くない(今日は平均的な「出来高」であった)わけです。
過去1ヶ月間の取引で言っても、今日よりも「出来高」が大きかった日は何日もあるわけです。
この理由は、結局のところ、「売り手」(売り注文を出す投資家)が株式市場にいなかった(少なかった)からであるわけです。
買付価格は「415円」ですので、株価自体は今後も「415円」まで上昇するのは間違いないわけですが、
株主は公開買付に応募して11月6日まで待てば必ず「415円」で所有株式を売却することができますので、
通常は株主は株式市場で「415円」未満の価格で売り注文を出したりはしないわけです。
ただ、何らかの理由があって実務上は11月6日まで待つことができず早期に売却を行いたい、という株主も中にはいますので、
そのような株主が株式市場で415円」未満の価格で売り注文を出しているわけです。
株価というのは、株式市場で1単元(1取引単位)でも取引が成立すれば変動します(株式に新しい株価が付く)ので、
結局のところ、1日ベースで見れば、「出来高とは全く無関係に株価は大きく変動する。」ということになるわけです。
ちなみに、全市場における1日の「出来高」のランキングが毎日発表されています↓。

出来高(Yahoo!ファイナンス)
ttps://info.finance.yahoo.co.jp/ranking/?kd=3&tm=d&mk=1

「出来高」の大きさそのものは、もちろん第一には需給の大きさが変動要因となるわけですが、
発行者の「発行済株式総数」にも大きく左右されます。
「発行済株式総数」が大きな発行者の「出来高」は、相対的に、「出来高」のランキングでは上位に位置しやすいのです。
つまり、「発行済株式総数」が異なる発行者間で「出来高」を比較しても相対的には意味がない部分もあるわけです。
また、昨日も書きましたように、(10月1日以降は問題ありませんが)従来であれば「単元株式数」も
「出来高」に影響を与えると言えるでしょう。
さらに言えば、まさに公開買付がそうであるように、
株式の需給が「市場外」で拮抗する(株主は「市場外」で売却することを第一に考える)、という場面もあります。
公開買付における「買付株式数」は株式市場における「出来高」には反映されないのです。
いずれにせよ、1日ベースで見れば、「出来高とは全く無関係に株価は大きく変動する。」のです。
以上が上記「@」の理由です。

 


次に、「A」の理由についてです。
一見すると、「板に出される買い注文や売り注文の多寡」と「出来高」は完全に関係があるのではないか、
と思われるかもしれませんが、場面・状況によっては実はそうではないと言えると気付きました。
それはどういうことかと言いますと、要するところ「マッチング」(引き合い)の問題です。
板にどんなに大量の買い注文と売り注文が出されていようが、
買い手は「415円」未満の価格の買い注文を出しており売り手は「415円」以上の価格の売り注文を出している、
という状況下では、「出来高」は0株となる(1株も売買が成立しないままである)わけです。
確かに、「出来高」が大きくなるためには、板に大量の買い注文と売り注文が出されなければならないわけですが、
板に大量の買い注文と売り注文が出されさえすれば「出来高」が大きくなるのかと言えば、実は必ずしもそうではないわけです。
紹介している記事には、アクリーティブは「大量の買いを集めている」と書かれていますが、
そのことと「出来高」が大きくなることとは実は関係がないわけです。
アクリーティブは、大量の買いを集めたのだが、一部の株主が売り注文を出して取引が成立した結果株価は急上昇したものの、
「415円」未満の価格で売り注文が出す株主は極少数に過ぎないので結局「出来高」は少なかった、という結果になったわけです。
以上が上記「A」の理由です。
以前も少し書きましたが、公開買付が開始されますと、通常は、株主(売り手)は公開買付への応募をまず第一に考えますし、
投資家(買い手)も株主(売り手)のそのような考えが分かりますので買付価格より低い価格の買い注文は出さないわけです。
したがって、公開買付が開始されますと、板(株式市場)には買い注文と売り注文の両方が出されなくなる、
という現象が通常は起こるのではないかと思います。
つまり、公開買付が開始されますと、「通常は対象者株式に大量の買い注文が集まることはない。」、と言えると思います。
それから、キャプチャーして紹介しています「アクリティブの詳細情報」を見ますと、
驚いたことに、(「単元株数」と)現在の「購入金額」が表示されています。
いわゆるネット証券(オンライントレード)で株式の売買をしますと、
現代ではパソコン上に「購入金額」が自動的に表示される仕組みとなっているのでしょう。
つまり、証券会社が「株価×単元株式数」をリアルタイムで計算しパソコン上に表示するサービスを提供してくれているわけです。
私らの頃は購入金額の計算のために常に四季報と算盤が手許に欠かせませんでしたが、というのは冗談ですが。
昨日も少し書きましたが、株価と購入金額が異なる(つまり、株式売買単位が1株ではない)というのは、
結局のところ、「投資家にとっては、株価に意味は全くない。」ということを意味しているのです。
なぜならば、投資家は、株価ではなく購入金額と同じ金額の現金を投じて株式を購入するからです。
最後に、このたびの芙蓉総合リース株式会社によるアクリーティブ株式会社株式に対する公開買付の事例について、
これはおかしいのではないかと思う点がありました。
それは、プレスリリースと法定開示書類を読みますと、
公開買付者である芙蓉総合リース株式会社は、フィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として
「大和証券株式会社」を選任した、と書かれています。
しかし、「大和証券株式会社」は、このたびの公開買付の「公開買付代理人」でもあるわけです。
「公開買付代理人」は、公開買付者ではなく、市場の投資家の利益を代表する存在でなければならないのです。
「独立した第三者算定機関」という表現ですと中立な感じがしますが、
「フィナンシャル・アドバイザー」となりますと明らかに「大和証券株式会社」は公開買付者の利益を第一に考える存在だ、
と言わざるを得ないわけです(「公開買付代理人」は、決して公開買付者の利益を代表してはならないのです)。
公開買付者の「フィナンシャル・アドバイザー」が「公開買付代理人」を兼任するというのは、
実は市場の投資家の利益を明らかに害している、と言わねばならないのです。
法的責任は法人単位になると思いますので、社内の何たらウォール(職務の担当部署の隔離)には全く意味がないと思います。

 



In a tender offer, a "tender offer agent" must stand on behalf of interests of investors in the market.
In a tender offer, a "tender offer agent" must not stand on behalf of interests of a tender offerer.
In a tender offer, a "tender offer agent" is elected by a tender offerer on the current prescription,
whereas a "tender offer agent" is a fiduciary of investors in the market on the securities system, actually.
To put it simply, in a tender offer, invesors in the market have no choice but to trust a "tender offer agent."
In a tender offer, a person who stands on behalf of intersts of a tender offerer
must not be a "tender offer agent."
In a tender offer, a "tender offer agent" is never a representative (i.e. a trade agency) for a tender offerer.
In a tender offer, a "tender offer agent" stands by interests of investors in the market.

公開買付においては、「公開買付代理人」は市場の投資家の利益を守らなければならないのです。
公開買付においては、「公開買付代理人」は公開買付者の利益を代表してはならないのです。
公開買付においては、現行の規定では「公開買付代理人」は公開買付者により選任されますが、
証券制度上は「公開買付代理人」は実は市場の投資家の受託者なのです。
簡単に言えば、公開買付では、市場の投資家は「公開買付代理人」を信頼するしかないのです。
公開買付においては、公開買付者の利益を代表する人物は「公開買付代理人」になれないのです。
公開買付においては、「公開買付代理人」は公開買付者の外交員(すなわち、取引代理店)では決してないのです。
公開買付においては、「公開買付代理人」は市場の投資家の利益を守るのです。


 

To put it simply, from a standpoint of investors in the market,
the fact that a controlling shareholder makes a tender offer seems unfair.

簡単に言えば、市場の投資家の立場から見ると、
支配株主が公開買付を行うのはフェアではないと感じるのです。