2018年8月25日(土)



2018年8月25日(土)日本経済新聞
地銀再編に「長崎モデル」 公取委、九州2行の統合承認 借り換えでシェア調整
「シェアだけが問題ではない」 公取委
(記事)




2018年8月25日(土)日本経済新聞
ふくおかFG・十八銀、来年4月統合 苦節2年半 悲願の承認 新銀行の責任重く
記者会見一問一答
ふくおかFG 柴戸社長 重複店舗は統廃合
十八銀・森頭取 長崎のため役立つ
(記事)

 

 


「ゼミナール 民法入門 第4版」 道垣内弘人 著 (日本経済新聞出版社)

第4章 いろいろな契約2
T 役務を提供するための契約
1 役務の提供
2 役務提供契約(雇用、請負、委任、寄託)

「委任、請負、雇用1」 

「委任、請負、雇用2」 

「委任、請負、雇用3」 

「委任、請負、雇用4」 

 



【昨日の訂正】
昨日は次のように書きました。

>取締役と会社(株主)との関係と比較すると、取締役と会社(株主)との関係は直接的な委任関係にあるとは言えないのですが、

2つ目の「取締役」は「監査役」の間違いであり、正しくは次の通りです↓。

取締役と会社(株主)との関係と比較すると、監査役と会社(株主)との関係は直接的な委任関係にあるとは言えないのですが、

 

 

「取締役と会社(株主)との関係は委任関係であるわけであるが、
監査役と会社(株主)との関係は委任関係ではなく請負関係であると整理をするべきである。」、
という点について指摘をした昨日のコメント↓。

2018年8月25日(土)
http://citizen.nobody.jp/html/201808/20180825.html


 


【コメント】
昨日のコメントでは、「取締役と会社(株主)との関係は委任関係であるわけであるが、
監査役と会社(株主)との関係は委任関係ではなく請負関係であると整理をするべきである。」、と指摘をしました。
この結論は、監査役だけではなく、取締役以外の全ての会社機関について当てはまると思います。
取締役以外の全ての会社機関と会社(株主)との関係は委任関係ではなく請負関係であると整理をするべきなのです。
委任と請負と雇用について、そして準委任について、民法の条文を見ておきましょう。

>(委任)
>第六百四十三条 委任は、当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、
>相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる。

>(請負)
>第六百三十二条 請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、
>相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。

>(雇用)
>第六百二十三条 雇用は、当事者の一方が相手方に対して労働に従事することを約し、
>相手方がこれに対してその報酬を与えることを約することによって、その効力を生ずる。

>(準委任)
>第六百五十六条 この節の規定は、法律行為でない事務の委託について準用する。

民法の定義上は(狭義の委任)、委任とはあくまで「法律行為」をすることを相手方に委託することを意味しているのですが、
当事者の一方が「法律行為でない事務」をすることを相手方に委託することも民法では予定をしており(広義の委任)、
「法律行為でない事務」をすることを相手方に委託することを民法では準委任と呼んでいるわけです(民法第656条)。
民法上は、会社が取締役に会社の運営を委任をすることは、厳密に言えば準委任ということになると思います。
昨日紹介しました会社法第三百三十条の条文を改めて読みましても、文脈に即して当該条文を言い換えますと、
「株式会社と役員及び会計監査人との関係は、準委任関係である。」という意味になると思います。
実は私は昨日、この点について間違えたことを書いてしまいました(しかも誤植もありました)。
誤植の訂正も兼ねて改めて書きますと、民法上の解釈ではなく(委任か準委任かではなく)会社の概念としての話になるのですが、
取締役と会社(株主)との関係は会社制度上直接的な委任関係である(会社の運営そのものを取締役に委任している)のに対し、
監査役と会社(株主)との関係は会社制度上は直接的な委任関係にあるとは言えず(会社の運営を監査役に委託してはいない)、
極限られた一定範囲の職務のみを行うことを会社は監査役に委託をしているに過ぎないので(しかも特定の成果を要求している)、
民法上の典型契約で言えば監査役と会社(株主)との関係は請負の関係にある、というようなことを私は昨日言いたかったわけです。
ただ、会社法第三百三十条の条文上は、取締役と会社(株主)との関係は準委任関係となっていますし、
監査役と会社(株主)との関係も準委任関係となっています。
今日は、民法の教科書をスキャンして紹介していますが、教科書にも説明されていますように、
委任と請負とは線引きが非常に難しい(どちらの類型であるとも捉えることができる場面が多い)のが実情です。
元来的には、委任という類型のみが先にあり、委任という類型を拡張して考案されたのが請負である、と理解すればよいと思います。
すなわち、請負とは、「『労務の成果の給付(仕事の完成)』を目的とする委任」なのです。