2017年11月15日(水)



昨日の「日本電信電話株式会社の株式分割の事例」について一言だけ追記をします。

2017年11月14日(火)
http://citizen.nobody.jp/html/201711/20171114.html

昨日、「日本電信電話株式会社の株式分割の事例」についてコメントを書いたわけですが、
訂正と言うのも何ですが、私が書いた内容自体は確かに間違っている部分があったわけですが、
おそらく誰もが株式分割について誤解をしていたということなろうと思いますので、一言だけ補足をしたいと思います。
まず、日本電信電話株式会社は過去、どのような株式分割を実施してきたのかについて事実関係を確認したいと思いました。
すると、日本電信電話株式会社のウェブサイト(「株式の歴史」)にそのまま書かれていましたので、
「株式の歴史」のページを紹介し、過去の各株式分割の分割割合とその実施時期を引用したいと思います。

株式の歴史(日本電信電話株式会社)
ttp://www.ntt.co.jp/ir/shares/history.html

>1995年11月  1995年9月末の株主名簿に基づき、株主の所有株式数を1株につき1.02株の割合で分割
>2009年1月   2009年1月3日の株主名簿に基づき、株主の所有株式数を1株につき100株の割合で分割
>2015年7月   2015年6月30日の株主名簿に基づき、株主の所有株式数を1株につき2株の割合で分割

上記の株式分割が、NTTが過去に実施した株式分割の分割割合と実施時期であるわけです。
私は昨日、NTTがこれまでに実施した株式分割の分割割合について、次のように書きました。

>NTTはこれまでに、
>@1株を2株への株式分割、A1株を2株への株式分割、A1株を3株への株式分割、B1株を17株への株式分割、
>の計4回(1株を2株への株式分割だけは2回行っている)の株式分割を過去NTTは行ったのであろう、と推測できます。

確かに、私が書きました昨日の記述(推測)自体は完全に間違えていたわけです。
正しくは、NTTはこれまでに、
@「1株につき1.02株の割合で分割」→A「1株につき100株の割合で分割」→B「1株につき2株の割合で分割」
の計3回の株式分割を行っていたわけです。
そして、これら計3回の株式分割の結果、上場時の1株は、現在では、「1株×1.02×100×2」=204株、となっています。
NTTはこれまでに、トータルでは(株式分割合計では)1株を204株に分割した、
という昨日の私の計算だけはあっていたわけですが、
私が推測した株式分割の内容は完全に間違っていたわけです。
昨日書きました素因数分解の考え方や計算などはもちろん正しいわけですが、
株式分割の分割割合についての記述は間違えていたわけです。
当時NTTに尾崎豊のファンがいたわけではなかったようです。

 


ただ、間違えてしまった言い訳ではありませんが、昨日紹介しました
2017年11月10日(金)付けの日本経済新聞の記事と2017年11月14日(火)付けの日本経済新聞の記事の記述内容にも、
実は誤りがあった、と言わねばならないと思います。
記事のどの部分に誤りがあったのかと言いますと、端的に言えば、1995年11月に実施しされた下記の株式分割

>1995年11月  1995年9月末の株主名簿に基づき、株主の所有株式数を1株につき1.02株の割合で分割

の株式分割についての解釈(株価の取り扱い・考え方)に誤りがあった、と言わねばならないわけです。
なぜならば、上記の株式分割を実施しても、株価に変動は一切生じないからです。
1995年11月に実施された上記の株式分割は、確かに”株式分割”という名称ではありますが、
実務上より正確に言えば、「無償増資」(利益の資本組入れ)と呼ばれる株式の無償発行であったのだと思います。
一言で言えば、現行の株式分割では(現行の会社法上では)、株価を再計算する(実質ベースに引き直す)際、
分割割合に応じて機械的に株価を切り下げる、ということをします。
ところが、旧来の(旧商法における)株式分割では、分割割合に応じて機械的に株価を切り下げる、ということはしないのです
なぜならば、先ほども書きましたように、確かに旧商法においてもその行為を”株式分割”という名称で呼んではいましたが、
その行為は実務上より正確に言えば、「無償増資」(利益の資本組入れ)と呼ばれる株式の無償発行だったからです。
株式の無償発行という部分だけを見ると、現在の株式分割と同じではないかと思われるかもしれませんが、
旧商法におけるそれは、資本金の金額が増加し発行済株式総数も増加するまさに「増資」であったわけです。
一般に、増資を行って発行済株式総数が増加しても、増加株式数に応じて機械的に株価を切り下げたりはしないように、
旧商法における「無償増資」(利益の資本組入れ)では、増加株式数に応じて機械的に株価を切り下げたりはしないわけです。
当時の既存株主の立場から言えば、株価は切り下がらないのに「無償増資」により所有株式数だけが増加する、
ということになり、「無償増資」(利益の資本組入れ)は一種の株主還元策と見なされていたわけです。
この「無償増資」(利益の資本組入れ)は、株式配当という呼び方をすることもあろうかと思います。
いずれにせよ、「無償増資」(利益の資本組入れ)に伴い機械的に株価を切り下げる、という考え方はしないわけです。
会計理論から見ると、「無償増資」(利益の資本組入れ)にはおかしな点があるわけですが、
実務上はそのようなことがよく行われていました。
当時、「無償増資」(利益の資本組入れ)をよく行っていた企業の1つが、セブン・イレブンであったと思います。
当時、セブン・イレブン株式を長期保有していると、所有株式数が数年毎に勝手に増加していっていたわけです。
「無償増資」(利益の資本組入れ)が行われても(既存株主の所有株式数が機械的に増加しても)、
セブン・イレブン株価が機械的に切り下がる、ということはなかったわけです。
したがって、NTTの事例に即して言えば、NTTはこれまでに、トータルでは(株式分割合計では)1株を204株に分割したわけですが、
株式分割に伴う株価の再計算という意味では、株価は実は「200分の1」にしか切り下がっていない、と言わねばならないわけです。
ですので、昨日引用しました2017年11月10日(金)付けの日本経済新聞の記事の記述を訂正しますと、次のようになります。。

1986年10月〜87年2月の第1次政府保有株の売り出し価格は119万7000円で、
その後の株式分割を考慮した実質ベースだと5985円。

書くまでもありませんが、株価の再計算に際しては、「119万7000円÷200=5985円」、という計算をしなければならないわけです。

 


ただ、話がやや複雑になりますが、この点についてさらに考えてみますと、「無償増資」(利益の資本組入れ)が行われた結果、
既存株主の所有株式数が分割割合に応じて無償で増加しているのもまた確かであるわけです。
株主の課税関係について一言書きますと、所得税法上は、当時株主が無償で株式の割当交付を受けたとしても、
課税はされていなかった(所得税法上は、機械的に所有株式数が増加しただけ(総価値は増加していない)という捉え方だった)
のではないかと思います(株式(現物)だけに企業自身もしくは証券会社による源泉徴収ということもできないかと思います)。
いずれにしても、既存株主の立場から言えば、取得原価0円で株式を追加取得したことに変わりはないわけです。
すると、その分、株主にとって含み損がないといえる株価(損益分岐点株価とでも言いましょうか)も低くなると言えるわけです。
他の言い方をすると、再計算の上では、第1次売出価格の再計算価格も無償取得の分さらに切り下がる、と言えるわけです。
つまり、求めたい株価は先ほど計算しました「119万7000円÷200=5985円」よりも実は実質ベースではさらに切り下がる、
と言えるわけです。
では、求めたい株価はどのくらい切り下がるのかと言えば、このようなことは今まで考えたことはなかったのですが、
結局のところ、既存株主にとっては、現行の株式分割が行われた場合と同じ効果・影響がある、と言えるのではないかと思います。
すなわち、1987年2月からNTT株式を保有し続けている株主にとっては、
結果的には、昨日引用しました2017年11月10日(金)付けの日本経済新聞の記事の記述で正しいと言うことになろうかと思います。

>1986年10月〜87年2月の第1次政府保有株の売り出し価格は119万7000円で、
>その後の株式分割を考慮した実質ベースだと5867円。

ただ、これこそ憶測(邪推)になりますが、記事を執筆した人は、ただ単に、
「119万7000円÷1.02÷100÷2=5867円」、という計算をしただけだったのではないかと思います。
つまり、1995年11月に実施された株式分割は、「無償増資」(利益の資本組入れ)であった(実は再計算上は株価に影響はない)、
ということを分かっていない(おそらくそのことまでは頭になかったのではないか)と思います。
話をまとめますと、株価の再計算の上では、
NTTの株価は上場時に比べ「200分の1」であると見なして再計算をする必要があるのに対し、
既存株主の立場(株式投資の損益の状況)から見れば、NTTの株価は上場時に比べ「204分の1」であると見なしてよい、
ということになるかと思います。

 



当時、来るべきインターネットの時代(通信の時代)を見越し、遂に1995年11月に「Windows 95」が発売されたことを記念して、
NTTが株式分割を実施したのかどうかは知りませんが、
また、マイクロソフトも、業績がどんなによくても配当は支払わず株価の上昇で株主に報いる、
という株主還元策をNTTを見習いNTTから学びとったのかどうかは知りませんが、
ITの時代になろうともアナログ(会計は法律の知識や理解)はやはり大切だと思いました。
ちょうど20年前に大ヒットした「たまごっち」も完全復刻という形で再販売されるようです↓。


2017年11月15日
株式会社バンタイ
20周年企画の集大成1996年、1997年に発売した「たまごっち」を完全復刻! 『祝20しゅーねん! たまごっち』
2017年11月23日(木・祝)発売 1996年から全世界で累計8200万個を販売!!
ttp://bandai-a.akamaihd.net/corp/press/100000637471803.pdf

「ウェブサイト上と同じPDFファイル」



「たまごっち」のことではありませんが、「もうあれから20年かあ。」、そう思いながら最近は生きているところです。
盗んだバイクで走り出したことはありませんが、人生の目標を盗まれたかのようになってしまい、
心にぽっかりと穴が開いたかのようになったのを今でも覚えています。
振り返ってみますと、よくぞここまで「生きがい」という名の「時計の針」を自分の力で進めることができたな、
と自分で本当にそう思います。
「あの時」から一時期、私の「時計の針」は完全に止まってしまったかのようになりました。
しかし、「このままじゃ一生後悔して生きていくことになるな。」(このままじゃ死ぬよりつらい、と)と思いましたし、
「自分の時計の針を動かせるのは自分しかいないんだ。」と思いましたので、
まさに背水の陣で(死ぬ覚悟で)勉強を頑張ってきました。
無我夢中で勉強を頑張っているうちに、いつしか自然と自分の時計の針は動き始めていたと思います。
20年前のあのことがなかったら、自分はここまでこれていないと思います。
挫折感と絶望感から一時は人生が迷走したかのような時もあった(人生が自分探しのような感じになってしまった)のですが、
自分の人生のことを一言で表現するのは難しいのですが、これまで勉強を頑張ってこれてよかったなと今では思っています。

 


The only meaning of aging should be that you can look back fondly on your own past.

年を取ることに意味があるとすれば、自分のこれまでの人生を懐かしく振り返ることができることぐらいだろう。