2016年12月9日(金)
2016年12月8日(木)
http://citizen.nobody.jp/html/201612/20161208.html
昨日のコメントで、
>理論上、消費税は次の販売先に必ず転嫁されます。
と書きました。
このことは、他の言い方をすれば、「流通過程において、商品の価値は必ず増加する。」ということなのです。
100円で仕入れた商品を100円以上の例えば120円で販売する、このことを「商品の価値が増加する。」と表現するわけです。
100円で仕入れた商品を100円未満の価格で販売することは、商品の価値が増加するとは言わないわけです。
流通過程を経る中で商品の価値が増加する結果、事業者は消費税について「仮払消費税<仮受消費税」の状態に必ずなるわけです。
商品の価値が増加する理由は、端的に言えば、「商品を流通させるのには費用がかかるから。」であるわけです。
事業者が仕入先から商品を仕入れて次の販売先に販売するまでには様々な費用がかかるわけです。
事業者はその費用を回収できるだけの金額を仕入価格に上乗せしますし、
さらに、単に費用が回収できるだけでは事業を営む意味がありませんので、自社の利益をも仕入価格に上乗せするわけです。
端的に言えば、事業者にとっては、「販売価格=仕入価格+営業費用+自社の利益」という関係式になるわけです。
この関係式から明らかなように、販売価格は仕入価格を必ず上回ります。
このことを、「商品の価値が増加する。(商品に価値が付加される)」と表現するわけです。
流通過程を経る中で、商品の価値が減少することは理論上は絶対にないわけです。
以上のことを踏まえた上で、「株式の販売」について考えてみましょう。
「株式の販売」に関して消費税を課することは、理論上可能でしょうか。
答えは、「株式の販売」に関して消費税を課することは理論上は不可能である、となります。
その理由は、「株式の価値(本源的価値)は減少することがあるから。」です。
株式の価値は、増加することもありますし減少することもあります。
株式の価値は、企業の業績によって変動するわけですから、それは当たり前のことであるわけです。
しかし、そうしますと、株式を次の販売先へ購入価格よりも高い価格で販売する、という前提は当然に成り立たない、
ということになるわけです。
株式というのは、結局のところは、所有者の会社に対する権利や利益を表象するものに過ぎないわけです。
株式そのものが何かの役に立つ(消費可能)というわけでは決してないわけです(株式はただの紙・有価証券に過ぎないわけです)。
会社の価値は業績如何によって減少し得る以上、株式の価値も減少し得るのです(株式の価値は会社の価値に付随する)。
ですので、「株式の販売」に関して消費税を課することは理論上不可能なのです。
この点、一般の商品であれば、理論上は価値が減少することはありません。
なぜなら、商品はそれそのもので他とは独立しているからです(商品の価値は何か他のものの価値に付随するというわけではない)。
他の言い方をすると、一般の商品は他の何かを表象しているものではない、ということです(それ単体で存在し得る)。
ですので、一般の商品に関しては、「販売価格=仕入価格+営業費用+自社の利益」という関係式が成り立ちますので、
したがって、消費税の理論も成り立つ(消費税理論に基づく課税が観念できる)ということになるのです。