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2015年2月9日(月)


2015年2月9日(月)日本経済新聞 公告
臨時株主総会招集のための基準日設定公告
日本ギア工業株式会社
(記事)



過去の日本ギア工業株式会社の臨時株主総会招集に関するコメント

2015年1月4日(日)
http://citizen.nobody.jp/html/201501/20150104.html

 



2015年1月5日
日本ギア工業株式会社
株主による臨時株主総会招集のための基準日設定に関するお知らせ
ttp://www.nippon-gear.jp/ir/ir_pdf/20150105_6356_rinjikabunusisoukaikijyunbi.pdf

 

2015年1月28日
日本ギア工業株式会社
臨時株主総会開催までの経緯についてのお知らせ
ttp://www.nippon-gear.jp/ir/ir_pdf/20150128_6356_rinjisoukaikaisaikeii.pdf

 

2015年2月2日
日本ギア工業株式会社
株主による臨時株主総会の招集請求に関するお知らせ
ttp://www.nippon-gear.jp/ir/ir_pdf/20150202_6356_kabunusirinsou.pdf

 

2015年2月3日
日本ギア工業株式会社
臨時株主総会招集のための基準日設定及び臨時株主総会招集に関するお知らせ
ttp://www.nippon-gear.jp/ir/ir_pdf/20150203_6356_rinjisoukaikijyunbi.pdf

 

2015年2月4日
日本ギア工業株式会社
株主による臨時株主総会の開催日時等に関するお知らせ
ttp://www.nippon-gear.jp/ir/ir_pdf/20150204_6356_kabunusiniyorurinjisoukai.pdf

 



【コメント】
日本ギア工業株式会社の臨時株主総会招集に関しては、2015年1月4日(日) にコメントしました。
今日2015年2月9日(月)の日本経済新聞に日本ギア工業株式会社が公告した「臨時株主総会招集のための基準日設定公告」が載っていました。
それで、2015年1月4日(日) の公告から何か臨時株主総会開催の日程の変更でもあったのだろう、くらいに思っていました。
しかし、今日2015年2月9日(月)の「臨時株主総会招集のための基準日設定公告」は、
2015年1月4日(日) の「臨時株主総会招集のための基準日設定公告」とは全く異なるようなのです。
2015年1月4日(日) の「臨時株主総会招集のための基準日設定公告」は、「株主による臨時株主総会の招集」を告げるものだったのですが、
今日2015年2月9日(月)の「臨時株主総会招集のための基準日設定公告」は、
「会社(代表取締役)による臨時株主総会の招集」を告げるものであるようです。
2015年1月4日(日) の「臨時株主総会招集のための基準日設定公告」の公告者は「株主」ですが、
今日2015年2月9日(月)の「臨時株主総会招集のための基準日設定公告」の公告者は、「会社(代表取締役)」です。
これは何か単なる日程の変更や法手続き上の理由により公告者が「株主」から「会社(代表取締役)」へ
変更になっているということではありません。
実は、日本ギア工業株式会社では今日現在、臨時株主総会が2回開催される予定となっているのです。
1つは、「株主からの請求に基づき開催する臨時株主総会」(開催日2015年2月19日)です。
もう1つは、「会社自身が任意に開催する臨時株主総会」(開催日2015年3月27日)です。
後者の文脈で言う”任意に”とは、”会社法に基づかない”という意味合いではなく、”会社が自発的に”という意味合いです。
”株主からの請求に基づき”の対義語だと思って下さい。
後者の文脈で言う”任意に”は、英語で言えば、voluntary(voluntarily)です。
後者の文脈で言う”任意に”は、arbitrary(arbitrarily)(勝手気ままに(会社法に基づかずに))という意味では決してありません。
基準日は、「株主からの請求に基づき開催する臨時株主総会」(開催日2015年2月19日)は2015年1月19日、
「会社自身が任意に開催する臨時株主総会」(開催日2015年3月27日)は2015年2月23日、
となっています。
各日付を見ますと、「株主からの請求に基づき開催する臨時株主総会」が開催された後に、
「会社自身が任意に開催する臨時株主総会」の基準日と開催日が来る日程となっています。
「臨時株主総会の付議議案」は、
「株主からの請求に基づき開催する臨時株主総会」は取締役2名の解任と取締役3名の選任、となっており、
「会社自身が任意に開催する臨時株主総会」は監査役3名の選任、となっています。
日本ギア工業株式会社では監査役が、今年1月に2名、2月に1名辞任をしており、
日本ギア工業株式会社では現在監査役に3名の欠員が生じている状態となっています。
ですので、日本ギア工業株式会社では、監査役の欠員を速やかに解消させるために、臨時株主総会を招集することにしたようです。

 


結論だけを言いますと、日本ギア工業株式会社が2015年3月27日に臨時株主総会を開催するのは、
純粋に監査役を3名の選任することだけが目的であるわけです。
つまり、株主からの請求に基づき2015年2月19日に開催される臨時株主総会やその議案内容その他とは全く関係がありません。
何が言いたいかと言えば、日本ギア工業株式会社が2015年3月27日に臨時株主総会を開催するのは、
株主からの請求に基づき2015年2月19日に開催される臨時株主総会での決議内容その他を否定することが目的ではない、ということです。
2015年1月4日(日) のコメントで見ましたように、日本ギア工業株式会社としては、
株主からの請求に基づき臨時株主総会を開催することには有り体に言えば乗り気ではないわけです。
もっと率直に言えば、現任の取締役2名を解任したり、新たに取締役を3名選任したりというようなことは、
日本ギア工業株式会社としてはしたくない、というのが本音であろうと思います。
仮に、株主が2015年2月19日に開催される臨時株主総会で取締役2名を解任し新しい取締役3名を選任するようなことがあれば、
日本ギア工業株式会社としては即座にその新取締役3名を解任し、従来の取締役2名を再選任する、
というようなことを行っていきたいとも考えられるわけです。
そのために、日本ギア工業株式会社は、「株主からの請求に基づき開催する臨時株主総会」のすぐ後に
「会社自身が任意に開催する臨時株主総会」を現時点で既に準備している、とも考えられるわけです。
日本ギア工業株式会社では今日現在、臨時株主総会が2回開催される予定となっているというのを知って、
少なくとも私は最初は思ったのです。
しかし、「会社自身が任意に開催する臨時株主総会」での「臨時株主総会の付議議案」は、
「株主からの請求に基づき開催する臨時株主総会」での「臨時株主総会の付議議案」とは全く関係がありませんので、
私の最初の考えは間違っていたようです。
ただ、最初の私の間違っていた考えも株式会社における株主総会の運営方法について考えるきっかけにはなると思います。
株主構成が全く同じであれば、私が書きました新取締役3名の解任と従来の取締役2名の再選任は実施不可能であろうと思います。
もしそのようなことが可能なら、従来の取締役2名ははじめから解任されないでしょうし、
取締役候補者3名もはじめから選任されないはずだからです。
しかし、株式会社、特に上場企業では、株主構成が容易に変わり得るわけです。
「株主からの請求に基づき開催する臨時株主総会」(開催日2015年2月19日)の基準日は2015年1月19日、
「会社自身が任意に開催する臨時株主総会」(開催日2015年3月27日)の基準日は2015年2月23日、
となっていますので、「株主からの請求に基づき開催する臨時株主総会」で現任の取締役が解任され新取締役が選任される見通しなら、
「会社自身が任意に開催する臨時株主総会」の基準日である2015年2月23日までに株式を買い集めれば、
次の臨時株主総会で、その新取締役3名を解任し、従来の取締役2名を再選任する、ということが可能になるわけです。
もちろん、臨時株主総会招集を請求した株主が過半数の株式を所有しておりその後も売却しないという状況ですと、
そのようなことは不可能であるわけですが、議論の焦点を絞るために、ここでは株式が極めて流動的であると想定してみましょう。

 


するとどのようなことが起こり得るのかと言えば、
1回目の臨時株主総会で現任の取締役(A氏)を解任し新取締役(B氏)を選任し、
直後の2回目の臨時株主総会でその取締役(B氏)を解任し従来からの取締役(A氏)を再選任し、
その直後の3回目の臨時株主総会で再選任された取締役(A氏)を再々解任し解任された取締役(B氏)を再選任し、
・・・ということが延々と繰り返されることになるわけです。
これでは会社が運営できないわけです。
しかし、株式会社の概念に基づけば、これもまた株主の意思、と言わねばならないと思います。
株主総会の招集が正式に決定されたならば、会社は即座に一切の事業活動を停止し、
株主総会が終了するまで一切の事業活動を行ってはならない、と定めれば、
このたびの事例のように、ある一時点で臨時株主総会が今後2回開催される予定となる、という事態は避けられるな、とは思いました。
しかし、臨時株主総会が開催された直後に再び臨時株主総会を招集すれば、結局同じことだ、と気付きました。
この問題点の本質は、「株式の譲渡にあるのでは?」と思いました。
株式の譲渡を認めることにしますと、その価額(「株式の公正な譲渡価額とは何か」という議論)が1つの問題となると同時に、
「会社の意思とは何であろうか?」という問題が生じるのだと思います。
株式会社においては、会社の意思は、役員を選任することを通じて、株主が決めるわけです。
しかし、その株主が変わるとなりますと、会社の意思も変わる、という問題に発展していくのではないかと思うわけです。
つまり、第三者に対して何か問題が生じた時に、「それは以前の株主が決めたことです。」と会社が主張しても、
第三者は到底納得しないのではないか、と思うわけです。
株式会社では、第三者は「では、前の株主を連れて来て下さい。」とは会社や株主には言えない、という法制度になっていると思います。
前の株主は株式を譲渡してしまえばもはや会社とは全く関係がない、ということになるわけです。
前の株主は、大なり小なり会社に関して意思決定を行ったにも関わらずです。
同一の業務執行主体において、「意思決定者が変わる。」というのは、実は気が遠くなるほどの大問題を抱えているのかもしれません。
自然人で例えて言うなら、「私は私ではないのです。」と主張しているようなものでしょう。
そういった意思決定の所在と責任(意思決定者の異動の問題)を考えれば、株式の譲渡というのは実は根本的におかしいのかもしれません。
いや、もっと言えば、今現在の株主であっても、有限責任制度により、会社が行った業務に関しては株主は全く責任を負わないわけです。
出資した金額分がパーになって終わりであるわけです。
株主が決めたにも関わらずです。
有限責任制度もまた、実は根本的におかしいのかもしれません。
自然人であれば、意思決定者が変わることも決してなければ、負う責任が有限だなどと言うことも決してありません。
「株式を譲渡するとは同一の業務執行主体において意思決定者が変わるということだ。」、そう思いました。
日本ギア工業株式会社は今後複数の臨時株主総会を開催することを同時に予定しているわけですが、
この事例について深く考察することにより、「株式の譲渡とは何か?」について学ぶことができた気がします。