2014年12月15日(月)
2014年12月11日
株式会社スリー・ディー・マトリックス
平成27年4月期第2四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
ttp://www.3d-matrix.co.jp/dl_file/2014/3DM_2014_12_11_IR_001.pdf
事業概要 当社のビジネスドメイン
ttp://www.3d-matrix.co.jp/about-us/abo1.html
提携期間一覧
ttp://www.3d-matrix.co.jp/partner/par3.html
2014年6月12日
株式会社スリー・ディー・マトリックス
平成27年4月期〜平成29年4月期中期経営計画
ttp://www.3d-matrix.co.jp/dl_file/2014/3DM_2014_06_12_IR_003.pdf
>前期にあった提携先からの一時金収入がなくなったほか、研究開発費が増えた。
と書かれています。
株式会社スリー・ディー・マトリックスは、研究試薬事業、医療機器事業、ライセンス事業を手がけているのですが、
損益計算書を見ますと、売上高に相当する勘定科目は「研究開発事業収益」となっています。
決算短信
損益計算書
(6/9ページ)
これだけですと漠然とし過ぎていて意味がよく分かりませんが、記事の内容から判断すると、
研究開発の提携相手からの研究開発支援金が売り上げということになっているのだと思います。
「研究開発の提携相手から受け取る研究開発支援金は売り上げではない」という点については、
2014年12月2日(火)に株式会社カイオム・バイオサイエンスを題材に書きました。
中期経営計画を見ますと、株式会社スリー・ディー・マトリックスも株式会社カイオム・バイオサイエンス同様、
研究開発に関する契約一時金やマイルストーンを受け取ることがビジネスモデルの柱となっているようです(「中期経営計画」5/11ページ)。
しかし、2014年12月2日(火)に書きましたように、
研究開発に関する契約一時金やマイルストーンは少なくとも「売り上げ」ではありません。
論点は全く同じですので、2014年12月2日(火)のコメントを読んでいただければと思います。
2014年12月2日(火)
http://citizen.nobody.jp/html/201412/20141202.html
ただし、株式会社には、株式会社が行う商取引の相手方として、ただ1人だけ以上の論点の例外がいます。
それは「株主」です。
株主だけは、株式会社から受け取る対価の金額が全く決まっていないことが株式会社の原理上・法概念上認められている、と言えます。
株主は株式会社に対して出資という法律行為を行うわけですが、その法律行為の対価は全く決まっていないのです。
株式会社が行う全取引の中で、対価が決まっていないことが株式会社の原理上・法概念上認められているのは、
出資(株式を発行して株主に引き受けてもらうこと)だけであるわけです。
「株主にいくら出資をしてもらったらその対価としていくら株主へ配当金を支払う」とは全く決まっていないわけです。
このことは、それは株式会社の原理や概念を考えれば当たり前のことだ、という見方もできるでしょうし、
一方で、株式会社が行う他のすべての取引では対価の金額は予め明確に決まっていることを鑑みればやはりそれは極めて例外的なことだ、
という見方もできるでしょう。
この点については、いい悪いではなく、両方の見方ができるのではないかと思います。
以上の議論を図にまとめると以下のようになります。
「株式会社の体系」
株式会社は、財やサービスの具体的内容やその対価となる金額を予め明確に決めた上で、
2014年8月8日
株式会社スリー・ディー・マトリックス
和解による訴訟の解決及び特別損失の発生に関するお知らせ
ttp://www.3d-matrix.co.jp/dl_file/2014/3DM_2014_08_08_IR_001.pdf
株式会社スリー・ディー・マトリックスはある会社とアドバイザリー契約を締結していたようなのですが、
業務の履行に対する対価報酬の一部未払いに対して訴訟が提起されていたようです。
それでこのたび、和解金(解決金)を支払うことで、和解に合意したそうです。
このたび発表された決算短信にも、「和解金(解決金)」が特別損失として計上されています。
この「和解金(解決金)」に関してなのですが、税務理論上は、「和解金(解決金)」自体は損金不算入となるはずです。
なぜなら、今日の議論が実は参考になると思いますが、会社が提供を受けた財やサービスの対価を支払ったわけではないからです。
法律上紛争があり和解金を相手方に支払うに至ったということは、(言わば一方的に)会社に非があったということです。
まっとうな商取引であれば相互に権利義務を果たし合う形になりますが、和解金というのは商取引の観点から見れば一方的であるわけです。
それは何ら正当な費用とはいえないでしょう。
ですから、税務理論上は、「和解金(解決金)」は損金不算入となるのです。
ただし、このたびの和解金(解決金)は、「業務の履行に対する対価報酬の一部未払い」に関して、ということです。
そうしますと、その和解金(解決金)の支払いは結局のところ「業務の履行に対する対価報酬」を支払ったもの、
という見方もできるかと思います。
この見方に立てば、会社は業務の履行に対する正当な対価を支払っただけであるわけですから、税務理論上も損金算入できると思います。
最後は、当初の契約書に何と書かれていたかで判断されると思います(ですから内容を予め明確に決めておくことが大切であるわけです)。
R&D costs of a company should be in harmony with support from an
alliance partner.
(株式会社の研究開発費は業務提携相手からの支援金と調和が取れていないといけないはずだ。)
Have the details of goods and services to be offered and their detailed
consideration
already been firm at the point of the
transaction?
(取引を行う時点で、提供を受けることとなる財やサービスの具体的内容とそれらの対価の金額は既に確定していますか?)