2013年12月3日(火)
調査によると、中国では民間ブランドが国有ブランドの優位性を奪いつつあり、
政府による経済の不均衡是正策が効果を上げていることをうかがわせる結果となった。
調査会社ミルワード・ブラウンと英広告持ち株会社WPPがランク付けした今年の中国のトップ50ブランドによると、
民間ブランドの価値は計990億ドルと、前年比で27%増加し、昔から優位にある国有ブランドの牙城を崩した。
国有ブランドの価値は依然大きいものの、計2634億ドルと、9%の増加にとどまった。
ミルワード・ブラウンとWPPは4月から10月まで上場企業のブランドの財務情報を分析し、
40万5000人以上の消費者を対象とした調査のデータを合わせて、最も価値のある中国のトップ100ブランドのリストを作成した。
それによると、今年のブランド価値がトップだったのは中国移動。
また、ポータル・ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)大手の騰訊控股(テンセント・ホールディングス)や
ビール大手の青島ビールといったIT(情報技術)・消費財ブランドが躍進し、今年のブランド価値はそれぞれ68%増の338億8000万ドル、
40%増の17億ドルとなった。両社ともイノベーションを進め、消費者の認知度を高めていることが寄与した。
パーソナルケア会社の雲南白薬集団のブランド価値は72%(29億9000万ドル)増加。漢方薬大手の北京同仁堂は50%(16億ドル)増えた。
ミルワード・ブラウンの顧客ソリューション部門トップ、ドリーン・ワン氏(北京在勤)は、中国蒙牛乳業と内蒙古伊利実業集団を挙げ、
乳製品ブランドは品質と信用というテーマに乗ることで恩恵を受けていると述べた。
両社のブランド価値はそれぞれ前年比30%(31億ドル)増、86%(50億7000万ドル)増となった。
中国の乳業界では、2008年に数社がタンパク質の含有量を水増しするために工業用化学物質のミラミンを粉ミルクに混ぜ、
これを飲んだ乳児6人が死亡、30万人が健康被害を受ける事件があった。
蒙牛乳業と伊利実業は、それ以降、業界を覆っている不信感を払拭(ふっしょく)しつつある。
(ウォール・ストリート・ジャーナル 2013年
12月 03日 20:12
JST)
ttp://jp.wsj.com/article/SB10001424052702304125104579235632653830014.html
実は日本もそうなんですよ。
日本の有名企業、日本の一流企業、日本のブランド、海外では誰も知りません。
三菱も三井も住友も安田もNTTもJRも東京電力も新日鉄も武田薬品工業もトヨタも野村も日本生命も東京海上もJCBも任天堂もソニーも、
海外では誰も知りません。
「どこそこ?」と言われます。
「ミツビシ?あー、財閥の。何か聞いたことある」で終わりです。
「日本企業って言ってもぶっちゃけ他の国じゃ誰も知らないよね」、そう海外では言われています。
日本人が中国や中国企業を見ているのと同じ様に、海外の人たちは日本や日本企業を見ているのです。
"That company is one of the best in the busines. Only inside of Japan,
though."
(その会社は一流企業です。日本の中ではな。)
私は中学・高校時代から東京に憧れたことはあまりありませんでした。
その理由は、「東京といっても海外じゃ誰も知らないしな」、という思いが漠然とあったからだと思います。
例えば、中国の内陸部の片田舎の中学生や高校生が北京や上海に憧れていると聞くと、
(失礼ながら)何か微笑ましいといいますかどこかかわいらしいといいますか、「北京や上海といっても中国じゃそんな変わらんだろう」、
と日本人が思ってしまうのと同じ様に、海外の人から見ると、東京に憧れているといっても、
「東京といっても日本じゃそんな変わらんだろう」、という感覚しかないわけです。
大学以降は海外に留学し場合によっては海外の大学に在籍し教鞭を取ることを夢みていた(今から思えば妄想だったかもしれませんが)私は、
「日本で働く」ということに対して、中学・高校時代から周りの人たちとは著しく(おそらく完全に)異なった考えを持っていたように思います。
12月2日(ブルームバーグ):中国で1年余り続いている新規上場凍結の解除を準備している中国証券監督管理委員会(証監会)は、
新規株式公開(IPO)の改革計画を公表した。
証監会が11月30日にウェブサイトに掲載した声明によると、約50社がIPOの承認準備を完了して来年1月末までに
上場あるいはその準備を整える見通しだ。760社余りが承認待ちで、全ての申請の審査完了に約1年かかるという。
中国は2010年時点で調達額が過去最高の710億ドル(約7兆2800億円)に上り、世界最大のIPO市場だった。
しかし、証監会がアドバイザーや企業の詐欺、不正行為を厳しく取り締まり、IPOは12年10月以降、実施されていない。
共産党指導部は先月、価格決定や資源配分で市場が「決定的な」役割を果たせるよう、
一連の改革の一環としてIPO制度を見直すと表明していた。
現行のIPO規則では、証監会の委員会が審査・承認制度を通じて企業が上場に適合するかを判断する。
将来的には証監会は申請企業が適格かどうかを判断する責務だけを負い、
企業の価値や株式購入のリスクの判断は投資家や市場に委ねることになる。
ただ、新規則の下でも、IPOに際しての不正行為を阻止するため、アドバイザーに複数の要件を課すとともに、罰則も盛り込む。
(ブルームバーグ 更新日時: 2013/12/02 07:35
JST)
ttp://www.bloomberg.co.jp/news/123-MX5CSK6K50XV01.html
中国証券監督管理委員会
ttp://www.csrc.gov.cn/pub/csrc_en/
このたびの声明というのはまだ中国語でしか発表されていないようでして、英語では声明文を読めませんでした。
上場規則のようなものも言わば属地主義でしょう。
当たり前かもしれませんが、その証券取引所に上場する株式会社が守らねばならないのがその証券取引所の上場規則であるわけですから、
その証券取引所は中国語圏である以上、他の言語で上場規則を記載する必要があるのか、という考え方はあるかと思います。
他の言語に上場規則を翻訳するといっても、翻訳にミスや解釈の幅が生じた場合、規則の適用はどうなるのか、という問題が生じますので、
基本的には、規則(法)は一言語のみで記載するべきなのだと思います。
言語上のことが理由で規則(法)が理解できなかったからといって免責されるというのはおかしな考え方でしょう。
まあこれを言い出すと、例えば中国証券監督管理委員会にそもそも英語サイトが必要なのか、という話にまでなってしまうかもしれませんが。
中国の規則(法)は中国語で理解するしかない、というのが、規則(法)全般の理解に関して第一義的に言えることではないかと思います。
よく、「究極的には文学は翻訳できない。」、「究極的には他言語への翻訳というのはできない。」といった意味のことを言われますが、
法律は結局のところ、その国でしか適用されないという点において、その国の言葉でしか記載する必要はないのではないか、とも思います。
やや乱暴に極端に言えば、法律というのは翻訳をする必要がない、と言えるような気がします。
中国の証券取引所の上場規則を英語に訳しても、その上場規則は何かアメリカでも適用されるといったことは絶対ないのですから。
規則(法)は他の言語で書かれても意味がない、と言えばいいでしょうか。
もちろん他国の人々への参考情報として、自国を紹介する意味合いで敢えて翻訳するというのはそれはそれでよいとは思うのですが。
規則(法)は属地主義であるならば、その規則(法)はその地の言語のみで記載されることが規則(法)として本質的である、
と言えばいいでしょうか。
規則(法)の本質を考えれば、その地の言語で記載されていることに根源的には意味がある、と言えばいいでしょうか。
逆に、その地の人々に全く理解できない言語で規則(法)を記載したとすると、それはいかに意味がないか分かるでしょう。
その地のための規則(法)である以上は、その地の言語であることに意味があるわけです。
>現行のIPO規則では、証監会の委員会が審査・承認制度を通じて企業が上場に適合するかを判断する。
>将来的には証監会は申請企業が適格かどうかを判断する責務だけを負い、
>企業の価値や株式購入のリスクの判断は投資家や市場に委ねることになる。
これの一行目と三行目は正しいと思うのですが、
自信はありませんが二行目が少し間違っているような気がします。
日本と中国とでは金融市場に対する規制体制が異なるのだとは思いますが、
日本では、規制当局(行政側)は基本的には上場審査自体は行っていないと思います。
日本で上場の審査を行っているのは証券取引所ではないかと思います。
中国証券監督管理委員会というのは、証券取引所ではなく、規制当局側(行政側)ではないのだろうか、という気がします。
中国が仮に日本と同じ様な規制体制に今後変わっていくのだとしたら、
中国証券監督管理委員会では申請企業が適格かどうかを判断することすらしないのではないだろうか、という気がします。
ただ、2013年12月1日(日)
に私が訳しましたThe Wall Street Journal の記事にも、
>the regulator focuses on whether a firm seeking a listing meets the
requirement for information disclosure.
(規制当局が、上場を考えている企業は情報開示の必要条件を満たしているかどうかのみに焦点を絞る)
とありますから、中国では今後も規制当局側(行政側)が一定の審査を行うということかもしれません。
このあたりは、日本と中国の規制体制の違いを理解していないと正確には分からないところだなと感じています。
日本では規制当局側(行政側)は審査自体は一切行っていないという位置付けではないだろうか、と思いましたので指摘してみました。
では、2013年12月1日(日) の The Wall Street Journal
の記事を今日はもう少しだけ訳してみます。
記事の最後の6パラグラフを引用し訳してみます。
The Wall Street Journal の記事はこちらです↓。
2013年12月1日(日)
http://citizen.nobody.jp/html/201312/20131201.html
株式上場に関して市場に対しさらに大きな役割を移譲するためのもう一つの手段として、
中国証券監督管理委員会は、新規上場の承認の有効期間を現行の6ヶ月間から12ヶ月間へ延長することにした。
これにより、証券会社は引受株式の販売に関する自由度が高まった。
例えば、証券会社は販売先である投資家を選別する目的で新株式の一定数量を保有することができるようになり、
有力な機関投資家を主要販売先とすることでおそらく大きな仲買手数料を得ることができるようになるだろう。
これまでの制度では、全ての新株式は”競り”で売却されていた。
上場企業の質を高めるため、中国証券監督管理委員会は同時に、さらなる義務をも背負うよう証券会社に対し要求した。
具体的には、証券会社が担当した上場企業が新規上場時と同じ期に当期純損失を計上したり50%を超えて利益額が減少してしまった場合は、
その証券会社から提出されたあらゆる申請書類の審査を停止することとした。
今般の上場凍結解除に合わせ、北京政府は、柔軟性のある直接金融の手段を付与するため、企業の財務構造を最適化するため、そして、
企業のM&Aを後押しするための方策として、上場企業が優先株式を発行し上場させることもできるよう規制を変えた。
証券の種類が増えることになるので、この規制緩和によっても投資家にとっての投資対象が多様化していくことになる。
優先株式の試験的発行についてのガイドラインによると、中国の最高国家行政機関である国務院はかつて、
優先株式を私募の形で発行することも今後上場企業で可能になる予定である、と語っていた。
ここで言う上場企業とは、非上場の国営企業に加え、中国本土に法人登記されているが海外市場に上場している企業のことを指していた。
ガイドラインが規定している定義によると、普通株式に比べ優先株式は、企業利益の分配時及び会社清算時において
普通株式よりも優先権があるが、その種の株式の株主は企業の意思決定に関しては制限された権利しかない。