2013年12月1日(日)



2013年12月1日(日)日本経済新聞
武田に外国人社長 国境越えた経営に必要 1兆円買収 生かし切れず
70億人からトップ選び 企業統治の改革迫る
(記事)


 


【コメント】
"Nice to meet you."とクリストフ・ウェバー氏から挨拶されたら
"Nice to meet you, too. Welcome to Takeda!"と笑顔で元気よく挨拶をするとよいでしょう、と書きましたが、
クリストフ・ウェバー氏との入社の日の挨拶の中では、「あなたが社長として成功するように祈っています。」と伝えるつもりで、

"Good luck."

とは言わない方がいいかもしれません。
"Good luck."というのは、どちらかと言うと別れ際の挨拶に近いニュアンスだと思います。
「さようなら。」や「お元気で。」に近いイメージではないかと思います。
これから一緒に仕事をしていくのに、"Good luck."とクリストフ・ウェバー氏に挨拶しますと、
それこそ「君は運が良かったら社長としてやっていけるかもしれないよ。」と言ったニュアンスになりかねないかもしれません。
少なくともこれから一緒に仕事をしていくという時には"Good luck."はあまり使わないような気がします。
「これから一緒に仕事を頑張っていきましょう。」と伝えたい時は、
"Let's make a good job of it."
などと言うのはどうでしょうか。

ただ、インターネットで検索しますと、"Good luck."には「頑張りましょう。」という意味もあるようです。
また、勝負の相手に対して使う時は、「お互い頑張りましょう。」、「よろしくお願いします。」という意味にもなるようです。
場面や文脈によるのかもしれませんが、"Good luck."は基本的には「別れ際の激励の挨拶」という意味合いではないかと思います。

 

 



2013年12月1日(日)日本経済新聞
新規株式公開 中国、1年ぶり再開へ 登録制、国の関与縮小
(記事)



 

【コメント】
この記事は、私の理解が正しいなら、実は中国の証券市場にとって非常に大きな意味を持つ記事なのかもしれない、と思っています。
中国における株式の上場制度が、「認可制から登録制へ変わる」という点において、非常に大きなインパクトを持つのではないか、
と思いました。
株式の上場が「認可制」なのか、それとも、「登録制」なのかは、非常に大きな違いがあるように私には思えます
「認可制」は、非常に厳しい審査を経て限られた数だけが上場を認められる、という制度なのではないかと思います。
「登録制」は、もちろん一定の審査はあるものの、企業側が望めば上場は可能であり数に限りはない、という制度なのではないかと思います。
株式の上場ということを考えた時、この両者は非常に違うように私には思えます。
一言で言えば、非常に大きな「規制緩和」、ということだと思います。

 



この「認可」や「登録」は英語では何と表現しているのだろうか、と思い、英文の記事を検索してみました。


China Unveils IPO Guidelines Ahead of Expected New-Offering Flood
Regulator Says It Will Leave Judging Value, Risks, to the Market
(The Wall Street Journal Updated Nov. 30, 2013 9:27 a.m. ET)
ttp://online.wsj.com/news/articles/SB10001424052702304017204579229691357340398


これは証券市場にとって非常に大きな意味を持つ制度改革ではないかと思いましたので、
記事全体をキャプチャーしました。

「キャプチャー」



タイトルを訳せば、

中国政府は今後予想される大量の新規上場を前に株式上場ガイドラインを発表した
規制当局は価値の判断やリスクは市場に任せる方針だと発表した

となるでしょうか。

 


株式の上場における「認可制」と「登録制」の違いについては、記事にはこう書いてあります。


> The reform plan marks a step toward a shift to registered-based IPO system, a system widely used in developed markets
>where the regulator focuses on whether a firm seeking a listing meets the requirement for information disclosure.
>Currently, China adopted an approval-based IPO system where the regulator focuses on
>whether an issuer can sustain its operation and whether it will be able to stay profitable,
>which leads to a complicated and opaque examination process
>that can take multiple rounds of reviews and several years before listing.


【参謀訳(少しだけ文を崩しています)】
この改革計画では、登録制株式上場制度への移行に向けた段階が記されています。
登録制株式上場制度とは、規制当局が、上場を考えている企業は情報開示の必要条件を満たしているかどうかのみに焦点を絞るという、
先進国市場で広く用いられる株式上場制度のことです。
現行制度では、中国は認可制株式上場制度を採用しています。
認可制株式上場制度とは、規制当局が、証券の発行体は事業活動を今後も維持できるのか否か、そして、
高い収益性を今後も維持できるのか否か、についてまで深く考慮する株式上場制度のことです。
したがって、認可制株式上場制度では、上場までに何段階にも渡る審査と長い年月がかかることもある、
複雑で市場からは見えづらい調査手順を経ることになるのです。


「認可制株式上場制度」は「an approval-based IPO system」、
「登録制株式上場制度」は「(a) registered-based IPO system」、
という表現になっています。
この「registered-based」(登録制)という言葉は記事中では他に、
「market-oriented」(市場指向型、市場に開かれた) という言葉で表現されています。

上手く言えませんが、認可制か登録制かは一言ではどちらが優れているとは言えない、と私は思います。
認可制か登録制かは、どこまでが法規制の対象でありどこまでが自己責任の範囲か、という議論とイコールだと思います。
「market-oriented」という言葉が「risk-oriented」(リスクとも関連付けられた)という言葉とイコールでなければいいがな、と思っています。