2013年2月5日(火)
2013年2月5日(火)日本経済新聞 公告
公開買付開始公告についてのお知らせ
楽天株式会社
(記事)
2013年2月5日(火)日本経済新聞 公告
公開買付開始公告についてのお知らせ
株式会社ISホールディングス
(記事)
2013年2月5日(火)日本経済新聞
きょうのことば 国会同意人事
事前報道ルール、停滞の一因に
(記事)
【コメント】
事前報道ルールなどというルールははじめからありませんが。
2013年2月5日(火)日本経済新聞
薬ネット販売 再び対立
厚労省 ルール作り検討
業者 再規制に警戒感
(記事)
【コメント】
法律的な話をすれば、基本法が民法、特別法が薬事法、という形だと思います。
ただ、2008年9月に第3種以外の大衆薬のネット販売が禁止されましたが、
それは薬事法という法律で禁止したということではなく、厚労省の省令で禁止した、という点が一つのポイントです。
事業者にとって、省庁からの省令や通達というのは事実上法律と全く同じなのですが、
一応法的な位置付けとしては、効力は「法律>省令」になっていまして、省令よりも法律が優先される、という考え方をします。
それで、薬のネット販売を禁止する省令は2009年6月施行の「改正薬事法」に違反している、ということで、
このたび厚労省の省令は無効となったわけです。
薬のネット販売を解禁する判決自体はもちろん極めてまっとうな判決だと思いますが、
そもそも2009年6月施行の「改正薬事法」はまさにこの薬のネット販売を禁止することが目的だったかと思いますので、
その点では完全に意味不明な判決と言えると思います(法律と省令の法理が矛盾しているといえばいいでしょうか)。
法理論的には、薬のネット販売を禁止する省令を強化するために趣旨に沿うよう薬事法を改正したのだから、
その省令が改正薬事法違反ということであれば、一体何のための薬事法改正であったのか、という話になると思います。
改正薬事法には直接的には”薬のネット販売は禁止する”という内容の文言はないということなのかもしれませんが。
薬事法を改正して薬のネット販売を禁止するとなりますと、
端的に言えば、省令の内容と同じ内容を法律の条文に書く、ということなのでしょう。
全く同じ内容なのに、省令ではなく法律の条文に書けば、今度は「薬のネット販売は禁止」ということになるのでしょうか。
2013年1月13日(日)
http://citizen.nobody.jp/html/201301/20130113.html
で紹介している一番上の記事の<最高裁判決の骨子>の4つ目(最後)には、
>ネット販売の一律禁止は改正法の趣旨に適合せず、違法で無効
と書かれていますが、これはまさに正反対でしょう。
薬のネット販売を(一部)禁止することがまさに改正法の趣旨です。
省令で薬のネット販売を禁止する→無効(ネット販売OK)
法律で薬のネット販売を禁止する→やっぱりネット販売は禁止
というのは、何と言いますか、極めて空疎な感じがします。
省令と法律、何が違うのかと。
一消費者としては、このたびの最高裁の判決は極めてまっとうだ、の一言です。
ただ、法律を少しずつ学んでいる(学んできた)人間としては(予備校や大学等で学んでいるのではなく独習ですが)、
省令の内容と同じ内容を今度は法律に書けば、再び薬のネット販売は禁止となると判断される(余地は残されている)、
というのは法というのは極めて表面的なものだな、という印象を受けます。
仮に、再び薬のネット販売は禁止ということになり、再び全く同じ論点について法廷闘争が始まったとします。
その時最高裁は何と判決を下すのか。
薬のネット販売禁止は「法律違反ではない」から薬のネット販売はやはり認められない、
という判決になるのか、それとも、
薬のネット販売禁止は一般消費者の利便性に著しく反するので法律は国民のためにあるという根本の趣旨に適合せず、改正薬事法の方が無効
などいう判決があるのか。
このたびの最高裁判決は、そもそも該当する法律に従って出されている省令や通達をも否定していることになります。
このたびの最高裁判決は、改正薬事法の趣旨とも反しますし省令をも否定しているという点で法理論上二つの矛盾があるように思います。
法曹というのは、主義主張や思想信条や感情ではなく、あくまで法律に従った各種業務を行っていくことです。
しかしそれは、ややもすれば、極めて表面的な判断を行うに過ぎないということを意味しないかと、改めてそう思いました。