2013年1月31日(木)
2013年1月31日(木)日本経済新聞
りそな、体制固め急ぐ ポスト細谷 求心力カギ 東氏昇格
(記事)
2013年1月31日(木)日本経済新聞
阪急阪神HD 創業家の小林氏 取締役を退任
(記事)
2013年1月31日(木)日本経済新聞
SCSK社長に住商の大沢氏
(記事)
2013年1月31日(木)日本経済新聞
テレビ放送、あす60年 視聴者予呼び戻し 急務 広告収入減 新たな収益源探る
(記事)
2013年1月31日(木)日本経済新聞
カルビー攻勢 スナック菓子、シェア5割超 今期、最高益更新へ
(記事)
2013年1月30日
株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ
マガシーク株式会社の株式公開買付けを実施
ttp://www.nttdocomo.co.jp/corporate/ir/binary/pdf/irnews/130130/zer6yc2p/notice_130130.pdf
【コメント】
このたびの公開買付が終了した後はマガシーク普通株式に全部取得条項を付す(いわゆる二段階買収)ことによって、
最終的にドコモと伊藤忠商事が目指しているマガシークに対する議決権割合は「ドコモ:伊藤忠商事=75.00%:25.00%」、とのことです。
ドコモと伊藤忠商事は、マガシークをドコモの子会社とすることを目指している、とのことです。
もともとマガシークは、社内ベンチャーと言えばいいでしょうか、伊藤忠商事株式会社の繊維カンパニーの社内事業だったようです。
伊藤忠商事社内のインターネットでの小売事業が新設分割(物的分割)により設立されたのがマガシーク株式会社のようです。
このたびのドコモの株式公開買付は、財務面(議決権割合等)も戦略面(シナジー等)もよく分からないな、というのが率直な感想です。
日本証券金融(8511)の小林英三社長と大証金(8512)の堀田隆夫社長は30日、同日発表した両社の合併について記者会見を開いた。
日証金の小林社長は合併について、「システム統合の面で大きな相乗効果を見込める」と期待を寄せた。
大証金の堀田社長は先に東京証券取引所グループと大阪証券取引所の合併で日本取引所グループ(8697)が誕生したことを踏まえ、
「取引所再編などの時代の要請に応えた」と説明した。大証金の大阪本店は今後、日証金の大阪支社となる。
手掛ける業務の詳細については今後両社で詰めるが、リテール型の証券担保ローンなどを想定しているという。
両社の合併後に小林社長は代表取締役社長、堀田社長は代表取締役副会長に就任する。ほかに日証金の増渕稔会長が
代表取締役会長に就任する予定だが、「そのほかの役員についてはこれから協議して決める」(小林社長)と説明した。
(日本経済新聞 2013/1/30
17:45)
ttp://www.nikkei.com/article/DGXNASFL300LQ_Q3A130C1000000/
2013年1月30日
日本証券金融株式会社
大阪証券金融株式会社
日本証券金融株式会社と大阪証券金融株式会社の合併契約締結について
ttp://www.jsf.co.jp/user-image/1359529846.pdf
ttp://www.osf.co.jp/news/file/2013/news_1301301519_6381.pdf
2013年1月30日
大阪証券金融株式会社
自己株式(第一種優先株式)取得に係る事項の決定について(会社法第156
条に基づく自己株式の取得)
ttp://www.osf.co.jp/news/file/2013/news_1301301526_1182.pdf
2013年1月30日
大阪証券金融株式会社
臨時株主総会及び種類株主総会のための基準日設定に関するお知らせ
ttp://www.osf.co.jp/news/file/2013/news_1301301524_4684.pdf
2013年1月31日
大阪証券金融株式会社
電子公告「臨時株主総会及び種類株主総会のための基準日設定公告」
ttp://www.osf.co.jp/news/file/2013/news_1301301742_7479.pdf
【コメント】
2013年1月26日(土)に、「優先株式は根本的に間違っている」とコメントしました。
2013年1月26日(土)
http://citizen.nobody.jp/html/201301/20130126.html
この時のコメントでは、
>また、議決権がないのはまあいいとして、
と書きました。
この時は、「優先株主は債権者に支払われるべき資産(現金)を社外に流出してしまうような議決権は行使できない」ので
その点に関しては債権者にとっては問題は小さい、という意味で書きました。
債権者保護の観点から言えば、優先株主に決議に関する権利がない部分に関しては債権者にはマイナスにはならない、という意味です。
債権者保護の観点から言えば、債権者にとって優先株主に議決権がないことはいいことだ(定額の配当や償還はもちろんマイナスだが)、
という意味です。
この時は特に「債権者保護の観点」に重点を置いてコメントを書いたため、これだけでは意味が分かりづらかったと思います。
言葉足らずでした。
またこの時は、「株式に議決権がないことの問題点」を何かを題材に上手く書けませんでした。
今日は、日本証券金融株式会社と大阪証券金融株式会社の合併を題材に、
「株式に議決権がないことの問題点」、すなわち、「優先株式の問題点」について書きたいと思います。
結論から言いますと、「『自己株式(第一種優先株式)取得に係る事項』について決定を行えるのは誰なのか、はっきりとしない」、
という矛盾にも近い大きな問題点が優先株式にはあるのです。
「臨時株主総会及び種類株主総会のための基準日設定公告」にはこう書いてあります。
>当社は、平成25 年3
月下旬に開催予定の臨時株主総会及び普通株主による種類株主総会並びに
>第一種優先株主による種類株主総会において議決権を行使すべき株主を確定するため、
まとめますとこうなります。
臨時株主総会→普通株主のみが出席
種類株主総会→普通株主と第一種優先株主の両方が出席
ところがここでおかしな点があります。
議決権があるのは普通株主のみです。
第一種優先株主には議決権はありません。
臨時株主総会と種類株主総会で議決権を行使する人は全く同じです(当然普通株主のみ)。
ということは、種類株主総会というのは不必要と言いますか、ある意味はじめから成立しないものなのではないでしょうか。
種類株主総会に第一種優先株主がやってきても、議決権はないわけですから「何しに来たの?」という話になる気がします。
>本株主総会の招集については決定次第公表いたしますが、第一種優先株主による種類株主総会は、実際には開催せず書面にて行う予定です。
とありますが、「第一種優先株主による種類株主総会」というのは、たとえ書面なのだとしても、一体何を意味するのでしょうか。
第一種優先株主には議決権はないわけですから、組織再編に関して物申す権限は一切ないはずです。
組織再編どころか、このたびの「自己株式(第一種優先株式)の取得」に関してすら物申す権限は一切ないはずです。
第一種優先株主は、「私が保有している第一種優先株式を会社で買い取って下さい」とも「買い取らないで下さい」とも言えないはずです。
それを決めるのは普通株主です。
第一種優先株式について、第一種優先株主自身は一切物申すことはできず、決めるのは普通株主のみ、という状況なわけです。
「自己株式(第一種優先株式)取得に係る事項」について決定を行えるのは誰なのか、という点について矛盾があるように思います。
「自己株式(第一種優先株式)取得に係る事項」について優先株主は決定を行えない、これは矛盾と言えば矛盾だと思います。
しかし、その矛盾の根本原因は、優先株式と呼ばれる株式の存在自体にあるのではないでしょうか。
率直に言えば、優先株式に議決権がないことがその根本原因だと思います。
株式というのは根本的に普通株式しかないのではないか、改めてそう思いました。
と同時に、この議論を深めていくと、あることに気付きます。
第一種優先株主にとって種類株主総会とは、株主総会でもなんでもなく、
正確にはただの会社との「投資契約の変更」ということではないだろうか、という疑問が生じるのです。
そしてその「投資契約の変更」には普通株主は物申せない(場合が出てくる)、ということだと思います。
もしくは逆に、普通株主はその「投資契約の変更」を認めないということも可能な場合がある、ということだと思います。
この点についてもう少し書きます。
優先株式には償還期限があったり一定額(一定率)の配当が発行時に定められたりします。
優先株式を償還することや配当を支払うことは当然株主資本の減少と現金預金の減少を伴うわけです。
株主資本の減少や現金預金の減少というのは株主の権利に大きな影響を与えるわけです。
そうであるならば、「優先株式の償還や配当の支払いを株主総会で停止や解除ができるのだろうか?」、という疑問が生じます。
言うなれば、「優先株式の形で出資する際の投資契約と株主総会決議とはどちらが優先されるのか?」、という疑問です。
仮に、優先株式の形で出資する際の投資契約自体を株主総会で決議していれば、もちろんその投資契約の方が優先でしょう。
後になって株主総会で優先株式の償還や配当を停止させることなどできません。
ところが、優先株式の形で出資する際の投資契約を取締役会決議のみでしかとっておらず、株主総会では決議していない場合はどうでしょうか。
会社と優先株式による出資者との投資契約を株主総会決議で無効にできるのではないでしょうか。
例えば、優先株式への配当の支払いを株主総会で拒否することを決議できるのではないでしょうか。
仮に、株主総会の決議により、取締役会決議のみで発行した優先株式(投資契約自体)を無効にした、としましょう。
そこで、払い込みを受けた現金を投資者(優先株主)にお返しすることに決めたとしましょう。
(会社法上の規定は分かりませんが)資本の払戻しの原資はここでは繰越利益剰余金としましょう。
ところが、投資者(優先株主)は優先株式による投資契約が有効であるとして資本の払戻しに応じないとしましょう。
この時、会社が切らねばならない仕訳はこうです。
(繰越利益剰余金) xxx / (未払払込株式払戻金) xxx
未払払込株式払戻金は未払金勘定の一種であり「負債」勘定です。
もちろん未払払込株式払戻金は私の造語ですが。
次に、投資者(優先株主)は優先株式による投資契約が無効であることを理解し、資本の払戻しに応じたとしましょう。
会社の当座預金から投資者(優先株主)へお金をお返ししました。
この時、会社が切らねばならない仕訳はこうです。
(未払払込株式払戻金) xxx / (当座預金) xxx
ところで、先ほど勘定科目や仕訳についての辞典(2011年出版)を見ていましたら、びっくりするようなことが書かれていました。
貸借対照表の貸方は資金の調達源泉を表し借方は資金の運用を表します。
これは世界中どこへ行ってもそうです。
ところがこの本によると、この「資金の調達源泉・運用形態」を表すという見方は時代遅れの「伝統的な貸借対照表観」とのことです。
>しかし、今日の貸借対照表観は、資産負債アプローチに基づくものであり、そこでの負債は、資産と同様に、実在的な項目として理解される。
とこの本には書いてあります。
しかしこの記述は誤りです。
今でも貸借対照表は「資金の調達源泉・運用形態」を表します。
なぜなら、今も昔も仕訳や財務諸表の作成方法は変わっていないからです。
この本の記述の執筆者は初等簿記教育や勘定理論が専門とのことです。
貸借対照表観には2つある、という内容の論文まで書いています。
どのようなアプローチ方法で財務諸表を観ようがそれは人の勝手なのですが、それはその人個人の主観です。
貸借対照表が「資金の調達源泉・運用形態」を表すというのは、仕訳の考え方から必然的に導かれる揺るがしようのない客観的事実です。
「『株式には普通株式しかない』という見方は時代遅れの『伝統的な株式観』に過ぎない」という間違った考え方が、
株主総会決議に関わる普通株式と優先株式の間の矛盾を生じせしめたのではないかと、改めてそう思いました。