2012年10月7日(日)
2012年10月7日(日)日本経済新聞 経済史を歩く
ブラックマンデー(1987年) 財テク元年の試練 危機共振 変わらぬ構図
(記事)
2012年10月7日(日)日本経済新聞
中国、製品デフレの足音 国有企業、過剰投資のツケ
(記事)
【コメント】
記事の内容やグラフが正しいのかどうかは知りませんが。
中国では現在自動車やトラックの価格が下がっていると言われても意味不明ですが。
中国ではよほどの型落ち品であれば値下げ販売もあるでしょうが、全般的には需要は大きく、物価が上昇傾向にあるのだけは間違いないでしょう。
中国発表のグラフが正しいのかどうかは知りませんが、一般的なグラフの見方を説明しますと、
前年同月比で物価指数がプラスなら物価は上昇しているといいます。
物価指数の折れ線グラフが右肩下がりでも物価指数がプラスなら物価は上昇していることになります。
物価の総上昇率(累計)は折れ線グラフの積分です。
物価指数がプラスである以上、物価は上昇し続けています。
物価指数の折れ線グラフが右肩下がりの場合は、ただ単に物価の「上昇具合」が緩やかになっているというだけです。
まず前半はネタを書いてみました↓。
私の今までに手がけた経営コンサルティング案件を紹介します。
住友製菓株式会社で生産管理に関するコンサルティングを行いました。
具体的には、住友製菓株式会社の大阪仲継所で、製菓企画・研究と生産ラインとの連携の改善に重点を置きながら、
子供たちのニーズの汲み取り、商品企画・開発への反映、そしてスピーディーな生産、スーパー・コンビニへの売り込み、
これらを一気化成に達成すべく、実地にてコンサルティングを行いました。
その結果完成したのが、みなさんご存知の130万グロスもの大ヒット商品、
「I
love you.
〜星空がきれいですね〜」
シリーズです。
皆さんも一度は食べたことがあるでしょう。
あれは私のコンサルティングのおかげなのです。
参考までに、住友製菓株式会社のサイト及び企画研究所等はこちらです。
住友製菓株式会社
ttp://www.sumitomoseika.co.jp/
本社・研究所・工場─所在地・地図─|住友製菓株式会社
ttp://www.sumitomoseika.co.jp/profile/office.html
大阪仲継所でのコンサルティングを踏まえ、こちらの中計も私が立案しました↓。
2010年6月3日
住友製菓株式会社
新・中期経営計画「SEIKA PLAN 2015」策定に関するお知らせ
ttp://www.sumitomoseika.co.jp/documents/20100604.pdf
また、最近の経営指導で気付いたのですが、同社には商品企画面に非効率な部分があるので、企画部と経理部を統合した方がよいと指導しました。
その製菓いや成果がこれです↓。
2012年8月1日
住友製菓株式会社
機構改革および人事異動のお知らせ
ttp://www.sumitomoseika.co.jp/files/up1343866260.pdf
さらに、効率的な商品企画・開発のために、マイクロソフトのERPパッケージも導入しました↓。
掲載日: 2012 年8月31日
マイクロソフト事例
住友製菓株式会社
生産から会計まで、すべての業務の統合管理を目指して
Microsoft Dynamics AX による ERP
を導入
経営データの可視化と共有、業務の標準化、原価計算の改善、そして内部統制対応の負荷軽減までをトータルに実現
ttp://www.microsoft.com/ja-jp/casestudies/nipponseika.aspx
住友製菓株式会社
2011年4月1日〜2012年3月31日
第99期年間報告書
ttp://www.sumitomoseika.co.jp/documents/20120629-2.pdf
住友製菓株式会社はどこかの連結子会社ではありませんが、同じ住友系(30.03%)の持分法適用関連会社です。
その住友系の会社も上場していますから、持分法適用上の親子上場、と言えるでしょう。
ちなみに、その持分法適用上の上場親会社ですが、第10位株主が何とあの農協です。
やはり、お菓子で使う小麦その他の仕入れで農協と取引があるのでしょう。
100期と言えば、漫画「どろろ」の主人公、百鬼丸。
私は大学に入学してすぐ、様々な意味で自分は学者にはなれないと悟りました(才能面、能力面その他)。
学者になれないと分かると生きがいをなくしたようになりました。
そんな時、書店に行って何気なく買った本が漫画「どろろ」でした。
びわ法師が百鬼丸に言う台詞が何か自分に語りかけてくれるように感じました。
「確かに俺は学者にはなれない。でも今ここで勉強をやめしまったらそれこそ中学高校時代の勉強も無駄になってしまう」
そう思って私は大学入試の日以来少し遠ざかっていた勉強机に向かい、新たな勉強を始めました。
ただ、これから会計や経営の勉強を行う人に言いたいのは、「何より基本が大切だ」ということです。
私の経営分析や財務分析は我流です。
しかし、その基本である簿記や経営の基礎知識はまさに教科書に書いてあることそのままなのです。
基本は簿記や教科書のみ、基本に我流なし、そう思います。
基本をまずはしっかりと固め、その後応用力で勝負しましょう。
2012年10月7日(日)日本経済新聞 そこが知りたい
神戸製鋼所社長 佐藤
広士氏
相次ぐ再編、今後も独立路線? 鉄鋼・アルミの総合力勝負
(記事)
新日鉄と住友金属の合併についてですが、2012年10月1日(月)に新日鉄住金は会社法違反ではないかと書きました。
2012年10月1日(月)
http://citizen.nobody.jp/html/201210/20121001.html
この点についていくつか追加や訂正を行いたいと思います。
【警告】
私は純粋に学問上・研究上の分析のつもりで以下のコメントを書いているだけです。
新日鉄住金に対しケチを付ける気もありませんし何か言いたいことがあるわけでもありません。
合併に反対だったわけでも何でもありません。
ただ、コメントを書いている動機は純粋に学究心であることを理解していただきたいと思います。
なお、以下の2つのことは事実なので、間違っている点があればご容赦いただきたいと思います。
@私は法律は専門ではないこと
A非力ながら自分なりの理解を基に理論面からのみ書いているだけなので、実務面ではまた法解釈が違う場合があること
(例えば、会社法の条文をそのまま解釈すれば確かに会社法違反とも言えるが実務慣行上は長年数多くの会社がこのように法手続きを
行ってきた経緯があるからこれは実務上会社法違反とは解釈されない、など。)
まず結論から書きます。
株式交換→法的に有効
その後の吸収合併→結果的に簡易合併に該当するので法的に有効
旧住友金属の取締役の選任→法的に無効
結果的に、株式交換後の吸収合併は簡易合併に該当しますので、合併自体は法的に有効です。
株式交換決議さえ両社の株主総会で取っていれば株式交換自体は法的に有効、
さらに簡易合併に該当するので改めて株主総会決議を取ることなく取締役会決議のみで吸収合併を行ってよいため、吸収合併も法的に有効。
(ただし、株式交換後、改めて吸収合併の取締役会決議を取っていない場合はやはり法的に無効です。)
しかし、「その後の」旧住友金属の取締役の選任は法的に無効です。
なぜなら、合併後、改めて株主総会決議を取っていないからです。
旧住友金属株主に合併後の新日鉄住金の議決権はありませんので、
実は新日鉄住金は株主総会決議を取らずに取締役を選任していることになるのです。
合併新会社に合併消滅会社の役員を選任する場合は合併後改めて株主総会を開催し役員選任の株主総会決議を取らないといけません。
今日は特に、旧住友金属の取締役の選任は法的に無効である点について書きたいと思います。
2012年10月1日(月)のコメントでは、
>注意が必要なのは、本日10月1日時点で、旧住友金属の役員(の一部)は新日鐵住金株式会社の役員になっているということです。
>これは、6月の新日鉄の株主総会で「第6号議案合併に伴う取締役5
名選任の件」等の決議を取っているので選任は法的に有効なのです。
>役員の新たな選任に関しては今日改めて株主総会を開催して役員選任の決議を取らなくても法的に問題ありません。
>吸収合併は簡易合併に該当しない場合は今日改めて株主総会決議を取る必要があったわけですが、役員の選任は6月の決議で有効、となります。
と書きましたがこれは間違いです。
役員の選任も法的に無効です。
役員を選任するためには、合併後改めて株主総会決議を取らないといけません。
(2012年10月1日(月)に役員の選任は法的に有効と書いてしまったのはつい実務に引きずられてしまいました。)
私は最初、役員の選任が法的に無効な理由について、
根本原因は、やはり、「株式交換によって株主構成が変わっているから」だと思いました。
一旦株式交換をはさんでしまったことが、話を根底から大きく変えてしまったということなのだろうな、と思いました。
株主構成が大きく変わることになるので、一旦株式交換をはさんだ場合は改めて新役員選任の株主総会決議を取らないといけないなと思いました。
要するに、いきなり合併だったら何の問題もなかったのに、と思いました。
ただこの一週間自分なりにずっとこの部分について考えてきたのですが、
「一旦株式交換をはさんだことが根本原因」からさらに考察を深めてきましたところ、
実はいきなり合併を行う場合でも新役員の選任のためには合併後改めて株主総会決議が必要なのではないかと思うようになりました。
実務に引きずられますと、
いきなり合併する場合だと6月の役員の選任の株主総会決議だけで何の問題もないな、
しかし、株式交換をはさんでいると、株主構成が大きく変わっているから、新役員を選任する場合には、
株式交換後改めて株主総会を開催し役員選任の決議を取らないといけないな、
と思ってしまいます(現に私も2012年10月1日(月)の時点ではそう思ってしまいました)。
しかし、
「会社の合併と役員の選任は完全に別である」、
ということを考えますと、
合併に際し新役員を選任する場合には、
株式交換を一旦はさむ場合には、株式交換後の吸収合併の後、改めて株主総会を開催し役員選任の決議を取らないといけませんし、
実はいきなり合併を行う場合でも、合併後、改めて株主総会を開催し役員選任の決議を取らないといけません。
株式交換を一旦はさむ場合だけでなく、実はいきなり合併を行う場合でも、合併後改めて株主総会を開催し役員選任の決議を取る必要があります。
結論:新日鉄住金の新役員選任は会社法違反
理由:6月の時点の住友金属の株主に合併後の新日鉄の役員選任決議に対する議決権はないから
こちらには、「第3 号議案取締役8
名選任の件」という決議は取っていますが、これはあくまで
住友金属工業株式会社の取締役(ある意味9月30日までの期限付き)の選任決議であり、
新日鉄住金株式会社の取締役の選任決議ではありません。
(仮にこれが新日鉄住金株式会社の取締役の選任決議だとしても法的には無効だとは思いますが。)
この時の株主総会決議では当然新日鉄住金には役員にはなれません。
2012年6月4日
新日本製鉄株式会社
第88回定時株主総会招集御通知
ttp://www.nssmc.com/ir/pdf/ns_jp_gm_no_2011.pdf
こちらの28/40〜33/40ページに、あたかも旧住友金属の役員を合併と同時に新日鉄住金の新役員に選任する株主総会決議を取っています。
>第6 号議案 合併に伴う取締役5 名選任の件
> 平成24年10月1
日に予定しております住友金属工業株式会社(以下「住金」といいます。)との合併(以下「本合併」
>といいます。)に伴い新たに就任することとなる取締役5
名の選任を願うものであり、取締役候補者は次のとおりであります。
> なお、各候補者の選任の効力は、第2 号議案及び第3
号議案が原案どおり可決され、本合併の効力が発生する
>ことを条件として、本合併の効力発生日(平成24年10月1
日予定)に生ずることと致します。
私も実務に引きずられ2012年10月1日(月)のコメントではこの株主総会決議を取っているから法的に有効であると書いてしまいました。
しかし、会社法上実はこのような株主総会決議自体取れない(法的に有効ではない)のではないでしょうか。
これは6月の時点の株主に対して株主総会決議を取っただけです。合併後の旧住友金属株主はこの決議に参加していません(できるはずがない)。
2012年10月1日
新日鉄住金株式会社
2012年10月1日付 新日鐵住金株式会社 役員体制
ttp://www.nssmc.com/file.jsp?id=29731
こちらに旧住友金属の役員を含めた新役員体制が書かれていますが、経営トップの一人ですので失礼ながら代表ということで名前を出しますと、
実は、旧住友金属社長の友野宏氏は法的には正式な取締役ではありません。
代表取締役社長兼COO
と書いてありますが、法的には取締役ではありませんし当然代表取締役でもありません。
会社法上の正式な手続きを経て選任された取締役ではないのです。これは旧住友金属出身の役員は全員そうです。
しかし、正式な代表取締役社長兼COOであると広く報道されていますし正式なプレスリリースにもこのように書いてありますし、
友野宏氏の名刺にもそう書いてあるでしょうから、商取引上相手(善意の第三者)には代表取締役社長兼COOで通ってしまいます。
つまり、友野宏氏は、教科書の事例に出てくるような文字通りの「表見代表取締役」なのです。
ですから、一日も早く、友野宏氏はじめ旧住友金属出身の役員は法的に正式な役員に選任されなければなりません。
理屈の上では、新日鉄に関して言えば、10月1日に取らねばならなかった法手続きとしては、
まず住友金属に対し株式交換を行う
→次に、住友金属の吸収合併について取締役会決議を取る
→新日鉄が住友金属を吸収合併する
→新日鉄住金に商号変更する
→新日鉄住金は臨時株主総会を開催し、旧住友金属の役員を選任する株主総会決議を取る
→新役員の選任
ということをしなければならなかったのです。
新日鉄は実は合併日である10月1日に株主総会まで開催しなければならなかったのです。
ただ、基準日をできるだけ早い日に決定し、と書きましたが、
株主総会を開催するためには最低でも2週間前に株主総会召集通知を出さねばなりません。
しかし、旧住友金属株主が新日鉄株主になれるのは10月1日ですから、
10月1日以前に旧住友金属株主に新日鉄の株主総会召集通知を出せるわけがありません。
つまり、10月1日に株主総会を開催することは法的に不可能であり、
そうしますと、実は合併を行った日に新たに役員を選任すること自体が法的に不可能ということだと思います。
この点について考えると、新日鉄で株主総会が行われた平成24年6月26日から旧住友金属の役員が新日鉄の役員にも選任されていれば
逆に問題はなかったように思います。会社(株主総会)が誰を役員にするのは自由ですので。
要するに、合併前に役員に選任されていれば、合併後に株主が増えても何の問題もない、ということになるかと思います。
さらに付け加えるならば、合併をするということは当然に定款の変更も含みます。
つまり、両社で合併の決議を取ったということは定款変更の決議を取ったも同然です。
定款の変更がない合併はあり得ません(定款を変更しないと合併できない)。
しかし、新役員の選任がない合併はあり得ます。
この点において、新役員の選任の場合は合併後に新ためて株主総会決議が必要だと私は考えます。
この点は誤解なきようお願いいたします。
単純な合併の場合も合併後改めて株主総会を開催しないと新しい役員は選任できないというのは、
新しい株主(被合併会社株主)はその役員の選任の決議に投票していない、という点がその理由です。
例えば、新日鉄との合併には賛成だが現在の住友金属の役員が新会社の役員になることには反対だ、という住友金属株主がいたとしたら、
どうなるのか、という話です(定款変更には賛成だが新役員選任には反対だ、と考えても同じです)。
合併は事業(権利・義務)が包括的に承継されますが、役員まで承継されるわけではありません。
承継されるのは事業(権利・義務)のみです。
合併に伴い会社は消滅(解散、清算)されるわけですから、いわゆる会社の機関は全て消滅します。
会社の機関とは、株主総会、取締役会、代表取締役、監査役会のことです。
取締役会も消滅するわけですから、取締役が新会社の取締役に自動的に選任されるわけではありません。
こういったことを考えていくと、単純な合併の場合も合併後改めて株主総会を開催しないと新しい役員は選任できない
といういことになるかと思います。
そうだとしますと、これまた天と地がひっくり返ったような途方もない話になりますが、
何千何万もの新役員選任に関する会社法違反がこれまで何十年以上にわたり行われてきたことになります。
単純な合併の場合、通常は合併後に株主総会を開催したりはせずに合併前の株主総会決議でもって新しい役員を選任していますよね。
実務上、合併後は改めて株主総会は開催する必要はなく新しい役員を選任してきたわけですが、
実はそれは会社法違反だったということではないでしょうか。
合併前にいくら「合併した際にはこの人たちを役員に選任します」という株主総会決議を取ったとしても、
それは合併前の株主に対して株主総会決議を取っただけであり、
合併に伴い新しく株主になった人たちも含めた株主総会決議を取っていないわけです。
合併の前に、合併後の株主を想定して株主総会決議を取ることは法的には不可能なはすです。
合併前の株主総会決議でもって新しい役員を選任することは法律上は無効、実務上は有効、といったところでしょうか。
いろいろ考えられますが、
例えば旧住友金属株主は株主総会決議の後になって株主になっただけだから
新日鉄住金株式会社の(少なくとも合併日10月1日の)役員の選任に口を出す権利はない、という考え方もあるのかなとも思います。
そうだとすると、合併後に改めて役員選任の株主総会決議を取る必要はないわけです。
この考え方を推し進めると、例えば株式交換後の吸収合併に関しても役員選任に関しても再度の株主総会決議はいらないとも考えられます。
しかし、株式交換を行ってしまうといきなり吸収合併を行う場合と比較して、
「株主構成の変化」が先に来ているという点において、やはり株主総会決議が必要であるようにも思えます。
旧住友金属の役員を合併会社の役員に選任するのは「合併が実行されること」が前提条件だったわけです。
であるなら、役員に選任される前に合併が先、すると役員に選任される前に株主構成の変化(株主の増加)が先、となるわけですから、
やはり役員を選任するためには合併後改めて株主総会決議が必要な気がします。
合併が実行されると(6月にその時の株主に対し選任決議を取っているから)自動的に役員に選任される、
というような条件設定(株主総会決議を取ること)はできないのではないでしょうか(株主が増加しているから)。
「ある時点の株主総会決議はどの時点まで有効か」という議論は、
「株主がその後増加したら以前の株主総会決議はどうなるのか」と言い換えてもいいと思います。
後から株主になった株主は、以前の株主総会決議に対していかなる影響力を持つのか、という議論です。
株主になったタイミング、議決権を持ったタイミング、の問題と言えばいいでしょうか。
株式交換ではなく、単純に通常の増資を行った場合を考えてみましょう。
6月下旬にある会社との合併(10月1日付)と合併時の新役員選任(10月1日付)の決議を取った
↓
一方、7月に増資をした
↓
ここで、7月に新株式を引き受けた株主は合併や新役員の選任に反対している
としましょう。
この場合、6月下旬の合併や新役員選任の株主総会決議はどうなるでしょうか。
6月下旬に株主総会決議を取っているので合併も新役員選任も無効とはならないと思います。
7月に新しく株主になった人は合併や新役員選任の株主総会決議に参加していませんが、
それは後から株主になったわけですから仕方ないという考え方は当然あろうかと思います。
もしくは、合併や新役員を選任することが決議されていることを知っていながら新たに株主になったはずだ、
という考え方になると思います(本当に知らなかった場合は開示しなかった方に非があるのか知らない方に非があるのかはともかく)。
あくまで例えば合併に反対なら、臨時株主総会を開催して合併決議の取り消しの決議を取るといったことが必要になるでしょう。
(これも細かく言い出すと、合併の株主総会決議を取った後、実際の合併日までの間に増資を行った場合は、
やはり改めて合併の株主総会決議を取らないといけないのではないか、という議論もあるかと思います。)
合併後は旧会社の新役員が新会社の役員に選任されること当然知っていて株式交換や合併に賛成したはずだ、と考えるなら、実務上、
株式交換後も合併や新役員選任のための株主総会決議は必要ない、とも思えます。
要するに、何らかの大きな株主総会決議を経た後に株主が増加した場合は株主総会決議自体がリセットされ、
再び株主総会決議からやり直さないといけないように思えてしまうのです。
理屈の上では、合併や新役員選任に反対ならそもそも株式交換にも反対のはずであり、
したがって株式交換に賛成した時点で合併や新役員選任にも当然賛成に決まっているのですが、
ただ法的にはどうかといいますと、何と言いますか、細かいことを言えば
やはり合併後に新役員を選任するための株主総会決議を取っていないことになると思います。
一番最初の理由に戻りますが、6月の時点の住友金属の株主に合併後の新日鉄の新役員選任決議に対する議決権はないから
ということになると思います。
通常の増資の場合も新株主は新役員選任決議に対する議決権はなかったわけだがそれとどう違うのかと言われれば説明し切れませんが。
私のこの考えが正しいなら、新日鉄住金で言えば、株主総会決議後に株主が増加しているわけですから、
株式交換に改めて合併の株主総会決議が必要であるように思います。
今から思うと、簡易合併だったから助かっているだけで、簡易合併でなかったらやはり株式交換後に株主総会が必要であったように思います。
(要するに、簡易合併ではない場合は、株式交換後に株主総会決議を取らないと合併は法的に無効、会社法違反、ということです。
また、最初に少し書きましたが、簡易合併の場合でも株式交換後に取締役会決議を取らないと簡易合併も法的に無効、会社法違反です。)
これは法解釈の問題であり絶対的な答えがある問題ではないのかもしれません。
そしてこの答えはどの教科書にも載っていないでしょう。
いや、私が今日書いたことは教科書に書いてあることや長年の実務慣行とは正反対のことなのかもしれません。
それでも、判例や先例が絶対の法律の世界においても「常識を疑う」ことは意義深いと思いましたので書きました。