2012年7月21日(土)
伊藤忠商事は、マツダの連結子会社で工作機械および自動車部品製造・販売を行っている
トーヨーエイテックの株式6,807,000株(所有割合は70%)を取得し、子会社化した(輸送用機器業界のM&A)。
取得価額は、21,000百万円
伊藤忠商事は、自社の海外販売ネットワーク使いトーヨーエイテックの販売力を強化する事で、
トーヨーエイテックの更なる事業拡大を目指す。
(M&A仲介の株式会社ストライク 2012年7月20日)
ttp://www.strike.co.jp/manews/2012/20120720a.html
2012/07/20
マツダ株式会社
子会社株式の売却に関するお知らせ
ttp://www.mazda.co.jp/corporate/publicity/release/2012/201207/120720a.pdf
2012年7月20日
伊藤忠商事株式会社
トーヨーエイテック株式会社の株式取得実行
ttp://www.itochu.co.jp/ja/news/2012/120720.html
取得後の出資比率は、伊藤忠商事70%、マツダ30%(議決権付株式)
となりますので、
単純に出資比率のみを見ると伊藤忠商事の子会社になったかのようにも思えます。
しかし、伊藤忠商事の業務やマツダの業務を考えると、
トーヨーエイテック株式会社は伊藤忠商事の子会社とはならず、マツダの持ち分法適用会社になるものと思われます。
トーヨーエイテック株式会社は伊藤忠商事の子会社でもありませんし持ち分法適用会社でもないものと思われます。
トーヨーエイテック株式会社はマツダの完全子会社化からマツダの持ち分法適用会社になると思われます。
では、伊藤忠商事とマツダの仕訳を書いていきたいと思います。
株式取得日 2012年7月20日 の伊藤忠商事の仕訳
(トーヨーエイテック株式) 210億円 / (現金預金) 210億円
(現金預金) 210億円 / (トーヨーエイテック株式) 21億円
(トーヨーエイテック株式売却益) 189億円
2012年9月30日(もしくは通期なら2013年3月31日)のマツダの持ち分法適用上の連結修正仕訳
増加剰余金の認識
(トーヨーエイテック株式) 174億円 / (利益剰余金期首残高) 174億円
投資差額の償却
(持ち分法投資損益) 93億円 / (トーヨーエイテック株式) 93億円
売却前のマツダの個別貸借対照表上のトーヨーエイテック株式の簿価は30億円(21億円が70%なので逆算しました)。
すると、トーヨーエイテック株式会社は、資本金が15億円、資本準備金が15億円、利益剰余金合計が270億円、ではないでしょうか。
また、売却後のマツダの個別貸借対照表上のトーヨーエイテック株式の簿価は9億円(30億円−21億円)だと思います。
期末日の持ち分法適用上の連結修正仕訳は推測(逆算)の部分が大きいので仕訳や数値が正しいかどうか自信がありませんが。
まず、連結決算において96億円の特別利益とプレスリリースにありますが、
これは単独決算では189億円の特別利益を計上したが、これがそのまま連結決算でも出てくると同時に、
連結決算上は投資差額の償却により特別損失を計上することになったため、差し引き96億円の特別利益となる見込み、ということだと思います。
したがって、期末日の投資差額の償却(持ち分法投資損益、ここでは特別損失)が93億円になると思います。
(この”特別損失”の存在がトーヨーエイテックがマツダの持ち分法適用会社ではないか、と思わせた理由の一つです。
グループ外への子会社株式の売却ですから、単体の子会社株式売却益がどうしても自動的に連結でも出てきます。
トータルの特別利益額を減らすためには(その特別利益を直接は減らせませんので)別に特別損失が必要になるのです。
トーヨーエイテックがマツダの子会社のままであるかもしくは完全に連結の範囲外の会社になる場合は、
株式売却のみに伴う連結上の何らかの特別損失というのはあまり考えられないと思いました。
消去法的に考えた結果、持ち分法適用会社ということなら持ち分法投資損益が特別損失として考えられるなと思いました。)
この投資差額の償却により、(わざわざ特別損失を計上するくらいですから)投資会社の投資額と被投資会社の資本額とは
一致することになったと思います。
すると、持ち分法適用上のトーヨーエイテック株式の価額は90億円になっていると思います。
投資差額の償却を93億円行ったら持ち分法適用上のトーヨーエイテック株式の価額は90億円になったのですから、
元々の持ち分法適用上のトーヨーエイテック株式の価額は183億円のはずです。
持ち分法を適用する前にマツダが保有していた単体のトーヨーエイテック株式の価額は9億円です。
すると、持ち分法を適用するに当たり、差額の174億円分(183億円−9億円)だけ増加剰余金の認識を行ったのではないでしょうか。
2012年7月1日(日)
http://citizen.nobody.jp/html/201207/20120701.html
再評価を行った土地を売却しても会計上は土地売却益はでない、
しかし、土地の再評価を行っていなければ土地売却益が発生していたはずだし、少なくとも税務上はどちらにせよ土地売却益は発生する、
というのがこの時のポイントでした。
マツダのプレスリリースは、会計処理方法と原理原則からパズルを解くような感覚で仕訳を考える内容になっており、
簿記に関するミニ事例を解いているようで楽しいですね。
2012 年7 月6 日(金)
フォルクスワーゲン グループ ジャパン 株式会社
フォルクスワーゲン グループ ジャパン 株式会社
庄司
茂が代表取締役社長に就任
ttp://www.volkswagen.co.jp/information/news/pdf/000897_web.pdf
フォルクスワーゲン グループ ジャパン 株式会社(略称:VGJ、代表取締役社長 ゲラシモスドリザス、本社:愛知県豊橋市)は、
8 月1
日付けで庄司 茂が代表取締役社長 兼 最高経営責任者に就任する人事を決定しました。
庄司 茂は、1985
年に伊藤忠商事株式会社に入社以来、一貫して同社の自動車事業に携わり、特に欧州では、伊藤忠商事の出資会社であった
マツダモーターハンガリーや、スズキモーターロシアの社長を務めるなど、長年にわたり幅広く自動車販売の実績を積んでまいりました。
2012
年6 月にフォルクスワーゲンAG に入社。
これまでの欧州、米国、アフリカ、ロシア、日本と多岐に渡る国際的な経験と
リーダーシップを活かし、ドイツ本社との連携をさらに深めながら、日本のフォルクスワーゲンビジネスを一層成長させることを目指します。
2008
年から社長を務め、日本の販売チャネルの統一や、12 年連続輸入車販売No.1 達成に導いたゲラシモス ドリザスは、
フォルクスワーゲン グループ セールス
インディア社長に就任し、
伸長著しいインド市場でのフォルクスワーゲン グループの販売を統括する責務を担います。