2018年12月30日(日)


米デルが5年ぶり再上場、時価総額3兆8500億円

【シリコンバレー=佐藤浩実】
米IT(情報技術)大手のデル・テクノロジーズが28日、5年ぶりにニューヨーク証券取引所に再上場した。
同日の終値は45.43ドルで、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると時価総額は約350億ドル(約3兆8500億円)。
「トラッキングストック(子会社連動株)」と呼ぶ種類の自社株取得を通じて株式市場に復帰した。
デルはパソコン(PC)の受注直販モデルを確立し、1990年代に急成長した。
ただ、世界のPC需要は2011年の約3億5千万台をピークに縮小。デルの業績も低迷し、
13年に創業者のマイケル・デル最高経営責任者(CEO)によるMBO(経営陣が参加する買収)を実施、非上場化した。
当時、デル氏は非上場化の理由について「経営の自由度を高めるため」と説明していた。
実際、16年に米EMCを670億ドルで買収するなど企業向けの記録装置やソフトウエアへと事業領域を広げてきた。
ただ、同じくPC時代の雄だったマイクロソフト(MS)の時価総額は約7700億ドル。
MSがクラウドや人工知能(AI)への投資を重ねて株式市場から
GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム)をしのぐ評価を集めているのと比べると差は大きい。
(日本経済新聞 2018/12/29 11:14)
ttps://www.nikkei.com/article/DGXMZO3956621029122018TJC000/

 

 

米デル、5年ぶり市場復帰=NYに再上場

 【シリコンバレー時事】米IT大手デル・テクノロジーズが28日、ニューヨーク証券取引所に再上場した。
2013年に経営陣による自社買収(MBO)で株式を非公開化して以来、約5年ぶりに市場復帰を果たした。
 28日の終値は45.43ドルで、
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると時価総額は350億ドル(約3兆8500億円)。
子会社の業績に連動した株式の取得を通じて公開市場に戻る。
 デルはパソコンを消費者に直接販売する事業モデルで1990年代に急成長したが、パソコン需要の落ち込みで業績が低迷。
非上場化し、企業向けサービスに軸足を移した。
(時事通信 2018年12月29日15時50分)
ttps://www.jiji.com/jc/article?k=2018122900280

 

 



米デル、年内にも再上場−業績連動株買い戻しを株主が承認

ニューヨーク証取に銘柄コード「DELL」で上場へ−28日にも
デルは2013年、LBOを受け上場廃止となっていた

 米デル・テクノロジーズの再上場が決まった。
傘下事業「ヴイエムウェア」の業績に連動するトラッキングストック(DVMT)を
現金と株式を通じ239億ドル(約2兆7100億円)相当で買い戻すデルの計画を株主が承認した。
11日の発表によれば、デルはニューヨーク証券取引所に銘柄コード「DELL」で28日にも上場する。
 デルは2013年、創業者マイケル・デル氏とシルバーレイク・マネジメントによる
レバレッジド・バイアウト(LBO、買収先の資産などを担保にした借り入れによる買収)を受け、上場廃止となっていた。
(ブルームバーグ 2018年12月12日 11:29 JST)
ttps://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-12-12/PJLNG56JTSFD01

 

 

デル、12月28日に再上場へ--ヴイエムウェアのトラッキングストック取得を株主が承認

 2013年に株式を非公開化したDell Technologiesが米国時間12月28日に再び株式公開企業になる。
 同社が11日に発表したところによると、
子会社であるVMwareの業績に連動するトラッキングストック(事業部門株)の買い戻しを株主が承認したという。
 Dellのこの取り引きは28日に完了し、同社のクラスC株はニューヨーク証券取引所(NYSE)にて「DELL」という
ティッカーシンボルで取り引きされることになる。
 VMwareのトラッキングストックを買い戻して再上場するDellの計画にはCarl Icahn氏が反対して物議を醸したが、
Dellが条件を緩和し、Icahn氏は委任状争奪戦を取り下げた。
 同社の最高経営責任者(CEO)Michael Dell氏は、今回の株式上場によって資本構成が簡素化されるとともに、
長期的なビジョンに基づく成果をデジタル革命の中核として実現できるようになると述べた。
 Dellは2013年に株式を非公開化した際も2016年にEMCの買収が完了した際も長期的なビジョンに言及していた。
同社は当時、四半期のサイクルにとらわれずに10年単位で事業に取り組めると展望した。
 総合的に見た場合、Dellは株式非公開企業として成功を収めている。
主要な負債の削減に成功し、PC事業やデータセンター事業も堅調だ。
 しかし税法の改正により、負債利子を損金として処理できなかった。この点が同社にとって大きな障害となる可能性もあった。
(ZDNet.com 2018年12月12日 10時26分)
ttps://japan.zdnet.com/article/35129983/

 

 



Dec. 28, 2018
Dell Technologies Inc.
Dell Technologies Completes Class V Transaction
ttps://corporate.delltechnologies.com/en-us/newsroom/20181228.htm

 

Dec. 11, 2018
Dell Technologies Inc.
Dell Technologies Stockholders Approve Class V Transaction
ttp://investors.delltechnologies.com/news-releases/news-release-details/
dell-technologies-stockholders-approve-class-v-transaction

 

 


【コメント】
米デルが再上場したとのことです。
ただ、上場している株式市場はニューヨーク証券取引所であるとのことです。
非上場化前は米デルはナスダック市場に上場していたような気がするなと思いました。
再上場に当たり、米デルが上場する株式市場を変更した理由については分かりませんが、
ステータスのようなものを求めたということなのだろうかと思いました。
参考までに頭の中で考えてみたのですが、時期の相違こそあれ(数十年単位のズレはあるのだろうとは思いますが)、
証券取引制度は日本と米国で同じような変遷を遂げたのではないだろうかという気がします。
つまり、米国でも最初期は証券取引所は米国政府が開設・運営していたということではないだろうかと推測しているところです。
そして、証券取引制度上、証券取引所の開設・運営は日本で言うところの証券会員制法人へと移行していった、
という経緯が米国でもあったのではないかと推測しているところです。
私の推測が正しいとしますと、現在、NASDAQ市場も店頭市場、ニューヨーク証券取引所も店頭市場、ということになります。
一般的には、NASDAQ市場は店頭市場でありニューヨーク証券取引所は取引所市場である、
と教科書などでは説明されているのではないかと思いますが、
立会場に投資家が赴き取引を行うというわけではない(市場参加者は証券会社)という点において、
ニューヨーク証券取引所も紛れもなく店頭市場なのです。
ニューヨーク証券取引所の立会場へ投資家が赴き株式を取引を行っていたのは、90年以上前のことになるのではないかと思います。
正確なところは全く調べないで書いていますので間違っているかもしれませんが、
例えば1929年の時点では、証券取引所の立会場へ投資家が赴き株式を取引を行っていた(1929年時点では取引所市場だった)、
という証券取引制度だったのではないだろうかと推測してみました。
そして、例えば1939年の時点では、
証券取引所の立会場へ赴き株式を取引を行っていたのは投資家ではなく証券会社だった(1939年時点では店頭市場だった)、
ということではないだろうかと推測してみました。
日本とは異なり、米国では1930年代に公認会計士制度が証券取引制度に導入された、という推測してみました。
米国で第1回公認会計士試験施行されたのは1930年代のことだったのだろうかと思いました。
米国で1934年に施行された第1回公認会計士試験にトップで合格したのはこの私です(会員番号は1番)、というのは冗談ですが。
そのころは米国でも公認会計士は監査はしていませんでした、というのは本当です。
米デルの話に戻りますと、再上場の直前まで、米デルはいわゆる「トラッキング・ストック」を発行していたとのことです。
「トラッキング・ストック」は、「本源的価値の算定ができない。」という根源的かつ致命的な問題点があります。
「トラッキング・ストック」の所有者に対し支払われる毎期の配当の金額そのものは予想できる(配当の条件は明確である)のですが、
その配当の原資は結局のところ発行者自身の利益剰余金です(つまり、配当の原資は対象の事業子会社の利益剰余金ではない)。
また、その残余財産の分配金額も結局のところ発行者自身のキャッシュフローと会社財産に依存します。
つまり、その残余財産の分配金額は対象の事業子会社のキャッシュフローや会社財産とは無関係なのです。
率直に言えば、「トラッキング・ストック」には株価の根拠がないのです。
また、証券取引制度上は、対象の事業子会社の有価証券報告書の提出も証券取引制度上求められなければならないはずです。
そうでなければ、投資家は対象の事業子会社の業績そのものを予想できないからです。
また、対象の事業子会社の業績が正しいことの保証も必要となるはずだからです。
さらには、たとえ対象の事業子会社の業績は真正でも、発行者に原資が不足しており結局配当を支払えないという事態も起こり得ます。
一言で言えば、「トラッキング・ストック」というのは、株式の価値と発行者の資本とが始めから完全に分離しているのです。
他にも、例えば、実務上は発行者が対象の事業子会社を他社へ売却するという時の取り扱いも問題になります。
普通株式の所有者との間の利益剰余金の帰属割合も問題になりますので、この種の株式の発行は行うべきではないのです。