2018年12月8日(土)



2018年12月8日(土)日本経済新聞
RIZAP 監査法人が「待った」 子会社の借金使い「取り立て益」 太陽、利益計上を疑問視
(記事)





2018年3月30日
夢展望株式会社
特別利益の発生に関するお知らせ
ttp://www.dreamv.co.jp/ja/pdf/irnews/2018/20180330_06.pdf

「キャプチャー」




2018年4月14日
夢展望株式会社
特別利益の発生に関するお知らせ
(開示事項の変更)特別利益の発生に関するお知らせ
ttp://www.dreamv.co.jp/ja/pdf/irnews/2018/20180416_01.pdf

「キャプチャー」

 

 



【コメント】
記事とプレスリリースを読みましたが、当初の考え方・会計処理方法で何ら問題はないと思いました。
問題となっている1円で取得した債権の返済金額と帳簿価額との差額は「収益」として認識する、
という考え方・会計処理方法で何ら問題はないと思います。
特に2018年4月14日に発表されたプレスリリースの後半部分に書かれている方針・考え方がむしろ間違っていると思いました。
会計処理としては、次のような仕訳になるというだけだと思います。

(現金) 561百万円 / (債権) 1円
                  (債権取立益) 561百万円

敢えて経営上そして会計上おかしな点があるのではないかと疑義を持たれ得るのは、夢展望株式会社ではなく、
株式会社ニッセンホールディングスの方だと思います。
経営上、なぜ561百万円の現金を受け取ることができる権利を1円で譲渡したのか、という疑義を持たれかねないと思います。
いや逆に、改めて考えてみますと、不適切な「循環取引」などではないとの主張を行うことが夢展望株式会社にはできると思います。
仮に、株式会社ニッセンホールディングスとしては債権の弁済金額は0円だと正当に判断した(だから同時に株式も1円で譲渡した)、
ということであるならば(正当な判断を行ったからこそ債権と株式を譲渡したのだと思います)、
今後夢展望株式会社が561百万円を回収できるとすればそれはまさに夢展望株式会社の経営手腕(グループ経営)の結果である、
という言い方ができると思います。
記事とプレスリリースには疑義について書かれていますが、たとえ夢展望株式会社が株式会社トレセンテに対し資金を貸し付けようが、
株式会社トレセンテはその後その借入金を夢展望株式会社に対し返済しなければならない、というだけのことなのです。
債権弁済の原資に疑義があるということもありませんし不適切な「循環取引」になりかねないなどということもありません。
561百万円もの債権取立益(収益)を稼得できたのは、他ならぬ夢展望株式会社の経営手腕によるというだけのことなのです。
仮に株式会社ニッセンホールディングスが債権者のままであった場合は(そして株主のままであった場合は)、
株式会社トレセンテによる債権の弁済金額は0円のままであったのです。

 

It is merely the fact that the acquisition cost is 1 yen
and that the amount of a consideration of the asset is 419 million yen.

取得原価は1円であり資産の対価の金額は419百万円だというだけなのです。

 

Concernig this case, even if the acquisition cost is 1 yen,
the creditor has a right to receive 561 million yen just because the debtor has an obligation to pay 561 million yen.

この事例に関して言えば、たとえ取得原価は1円であっても債権者には561百万円を受け取る権利があります。
その理由はただ単に債務者は561百万円を支払う義務があるからです。