2018年11月23日(金)



藤原道長が「この世をば…」詠んだ千年の満月 どう見える

 平安時代に藤原道長が京の邸宅で「この世をば我(わ)が世とぞ思ふ望月の欠けたることもなしと思へば」
と詠んでから千年の満月を、22日深夜に迎える。
当日の京都市内の天気は曇りの予報で、千年後の「望月」を拝めるかは微妙だが、
21日夜に市内では丸い姿が浮かび、悠久の時を思わせた。
 「望月の歌」は藤原実資の日記「小右記」の1018(寛仁2)年10月16日の条に記されている。
3人の娘がみな后(きさき)になることが決まった日で、権勢を満月にたとえた歌とされる。
新暦で言えば11月に当たり、今月の満月は23日に日付が変わる頃に迎えるという。
 道長が「望月の歌」を詠んだ土御門第跡である上京区の京都御苑内の仙洞御所近くからこの日、夜空を見上げた。
日が沈んでしばらく雲に覆われていた月が午後6時頃に姿を現した。
流れる雲の間からさまざまな表情を見せながら美しい輝きを放った。
【京都新聞 2018年11月21日 20時20分】
ttps://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20181121000167


「藤原道長が「望月の歌」を詠んで千年。雲間から美しい姿をのぞかせる月(21日午後6時4分、京都市上京区・京都御苑)」 

 

 


【コメント】
本日2018年11月23日の月は満月なのですが、何と藤原道長があの「望月の歌」を詠んでからちょうど1000年目の満月とのことです。
藤原道長が「望月の歌」を詠んだのは旧暦の1018年10月16日とのことで、2018年11月23日は旧暦の10月16日にあたるとのことです。
「勤労感謝の日」である11月23日に藤原道長があの「望月の歌」を詠んでいたとは知りませんでした。
私はこの時の歌会に参加していたのですが、歌会の場で藤原さんがあの歌を公然と誇らしげに詠んだ後、
同僚から「藤原さんのあの歌どう思った?」と尋ねられ、私は半ば呆然として「あきれた。」と答えました。
まあ、冗談はともかく、藤原道長があの「望月の歌」を詠んだ旧暦の1018年10月16日から本日2018年11月23日までの間に、
月は一体何回満月になったのだろうか(旧暦の1018年10月16日から数えて今日は一体何回目の満月なのだろうか)と思いました。
今までに満月になった回数を計算するためには、
旧暦の1018年10月16日から本日2018年11月23日までの間の日数を1,000年分計算しなければならないわけですが、
4年に1回のうるう年を考慮しなければなりませんし、さらには、同じ4年に1回でも何十年かに1回はうるう年にはならない年も
あります(必ず4年に1回うるう年になるわけではない)ので、それらも調べなければならないなと思いました。
非常に大変な計算になるな、と思ったのですが、平安時代とは異なり、現代では次のような非常に便利なサイトがあります。

日数計算(日付-日付)
(ke!san 高精度計算サイト 生活や実務に役立つ計算サイト)
ttps://keisan.casio.jp/exec/system/1177658154

日付を入力し日数を計算してみますと、西暦1018年10月16日から西暦2018年11月23日までの日数は、「365,275日」とのことです。
したがって、藤原道長があの「望月の歌」を詠んで以降、月が満月になった回数は、月は28日周期ですので、
「365,275日÷28日=13045.53571・・・」となり、何と割り切れませんでした。
満月の日から満月の日までの日数であれば必ず28で割り切れるはずなのですが。
旧暦と新暦との違いがあるのかもしれないと思い、今度は、「望月の歌」が詠まれた日を西暦2018年11月23日だと想定してみました。
日付を入力し日数を計算してみますと、西暦1018年11月23日から西暦2018年11月23日までの日数は、「365,237日」とのことです。
同様に計算してみますと、この場合は、藤原道長があの「望月の歌」を詠んで以降、月が満月になった回数は、
「365,237日÷28日=13044.178571・・・」となり、残念ながらまたしても割り切れませんでした。
公転を考えれば、うるう年を除けば旧暦でも1年間は365日間だったのではないかと思います。
なぜならば、天体の動きに暦は関係がないからです。
正確なところは分かりませんが、藤原道長があの「望月の歌」を詠んで以降、今日は1万3,044回目か1万3,045回目の満月なのです。
旧暦と新暦との違いが原因できれいに割り切れないのだと思いますが、満月の日から満月の日までの日数は必ず28の倍数になります。
「今日は月がきれいだね。藤原道長があの『望月の歌』を詠んでから1万3,044回目の満月だね。」と女性を口説くのもいいでしょう。
色々と調べてみますと、旧暦から新暦への変更に伴う日付の変更は極めて煩雑で、正確な日数計算はできないのが実情のようです。
インターネットで検索してみますと、旧暦の日付と新暦の日付は実際のところ一対一に対応していないようです。
旧暦から新暦への変更に伴い、暦変更の1年目は1年間の日数が384日間となる、などという解説まであります(ウィキペディア等)。
旧暦自体も不明な点が多く、旧暦から新暦への変更も極めて複雑なのですが、簡単に満月になった回数を概算してみました。


Nothing is permanent.

諸行無常