2017年12月2日(土)



2017年12月2日(土)日本経済新聞
日本ペイント 巨額買収断念 リスク回避 環境対策・財務悪化
(記事)



2017年12月1日(金)日本経済新聞
米塗料大手にTOB 日本ペイント、1兆円超 最終調整
(記事)

2017年12月1日(金)日本経済新聞
日本ペイントがTOB 金融緩和 大型買収後押し
(記事)


2017年12月1日
日本ペイントホールディングス株式会社
米国企業の買収提案の検討中止に関するお知らせ
ttps://www.nipponpaint-holdings.com/ir/document/pdf/news_japanese_20171201_5a20901e3f718.pdf


2017年11月22日
日本ペイントホールディングス株式会社
11月22日の当社に関する報道について
ttps://www.nipponpaint-holdings.com/ir/document/pdf/news_japanese_20171122_5a1520d5ee97a.pdf

 

TDnet(適時開示情報閲覧サービス)
「2017年12月01日に開示された情報」

 


【コメント】
2017年12月1日(金)付けの日本経済新聞の朝刊の1面に日本ペイントによる企業買収の記事が載っていたのですが、
その日の朝に正反対の内容の開示が会社からなされています。
TDnet(適時開示情報閲覧サービス)を見ますと、2017年12月1日(金)の午前「08:10」に、
日本ペイントホールディングスは「米国企業の買収提案の検討中止に関するお知らせ」を開示しています。
株式市場はまだ開いていない時間に会社から正しい情報が開示されましたので、
このたびの誤報による株式市場への悪影響は結果的にはなかった、と言っていいのではないかと思います。
「株式市場への情報開示」という観点からこのたびの誤報について考えてみますと、
誤報は場合によっては取り返しのつかないことが起こり得ますので、
報道機関は、会社から提供を受けたもしくは会社が公表をした内容のみを報じるべきなのだと思いました。
すなわち、報道機関は、関係者への取材により入手・把握した情報については報じるべきではない、と思いました。
報道機関と聞きますと、むしろ関係者への取材がその大きな役割の1つであり、
民主主義社会においては、権力を監視するという意味合いで、取材や調査により真実に迫ることが社会から求められている、
とすら言っていいわけです。
ただ、報道機関(news media)の「media」は 「(伝達・通信・表現などの)手段・媒体・媒介物」という意味であるわけです。
では、報道機関は誰と誰を媒介するのかと言えば、少なくとも「株式市場への情報開示」という文脈では、
報道機関は会社と投資家とを媒介している、と言っていいわけです。
このことはすなわち、会社が公表した情報を報道機関が投資家に伝達している、ということではないでしょうか。
報道機関というのは、会社と投資家との間に存在しているものであり、
「会社から投資家へ情報を伝達する」という役割しかないのではないかと思います。
例えて言うならば、報道機関というのは、宅配業者と郵便配達人と同じなのだと思います。
宅配業者や郵便配達人は、差出人から受け取った物を宛先へ運ぶのがその役割であるわけです。
宅配業者や郵便配達人は、差出人に対し宛先に何かを送るように催促したりはしないわけです。
宅配業者や郵便配達人は、荷物運搬のための媒体に過ぎないわけです。
同様に、報道機関も、情報伝達のための媒体に過ぎないのではないでしょうか。
報道機関が会社に対し投資家に何かを開示するように催促するのはおかしいわけです。
つまり、元来的には、報道機関が会社や会社の関係者に対し取材や調査を行うというのは間違いである、
ということを意味しているように思うわけです。
社会に何かを伝えたい人が報道機関に依頼し、世の人々に伝達してもらう、というのが報道機関の役割だったのではないか、
という気がします。
現在では、報道機関による取材や調査は当たり前のことであるように思われていますが、
例えば差出人が郵便物を宛先まで配達してくれるようにと郵便局まで持っていくように、元来的には、
ある内容の伝達を希望する人が報道機関まで自分で持っていく(タレコミではなく、発信者自身が報道機関に伝達を依頼する)、
という位置付けにあるのが報道機関だったのではないかと思います。
発信希望者自身から依頼を受けて伝達内容の報道を行う、ということであるならば、
原理的にこのたびのような誤報は決して起きないわけです。
万が一報道内容が間違っていた場合は、全て発信希望者の責任(報道機関はそのまま伝えただけ)、ということになるわけです。
例えば、TDnet(適時開示情報閲覧サービス)やEDINET上の開示内容が間違っていたとしても、
東京証券取引所や金融庁の責任では全くないわけです(まさに開示を行った会社自身の責任であるわけです)。
TDnet(適時開示情報閲覧サービス)やEDINETは、まさに情報の伝達だけを行っている(開示内容には一切関与しない)わけですが、
実は元来的には報道機関も単に情報の伝達だけを行うもの(報じた内容自体には一切関与しない)だったのではないかと思います。
ちょうど、郵便配達人が差出人から宛先に配達した郵便物の記載内容については、郵便配達人は一切責任は負えないように、です。