2017年11月9日(木)



2017年11月8日(水)日本経済新聞
トヨタ 福証の上場廃止へ 月内にも申請 追随広がる可能性
(記事)




2017年11月7日
トヨタ自動車株式会社
福岡証券取引所および札幌証券取引所における当社普通株式の上場廃止申請に関するお知らせ
ttp://www.toyota.co.jp/pages/contents/jpn/investors/stock/share_2017/pdf/commonstock_20171107_02.pdf

「ウェブサイト上と同じPDFファイル」


 

証券会員制法人福岡証券取引所(いわゆる「福岡証券取引所」のこと)
ttps://www.fse.or.jp/

定款
ttps://www.fse.or.jp/files/rul_bun/01teikan.pdf

>(目的)
>第2条 本所は、有価証券の売買を行うために必要な取引所金融商品市場を開設することを目的とする。
>2 本所の開設する取引所金融商品市場(以下「本所の市場」という。)は、公益及び投資者の保護に資するため、
>有価証券の売買が公正、円滑に行われることを旨として運営されるものとする。

 


福岡証券取引所(福証)の銘柄が取引できる証券会社は? | みんなの株式
ttps://minkabu.jp/beginner/basic/26.html

 



【コメント】
時価総額で国内首位のあのトヨタ自動車株式会社が、福岡証券取引所での上場廃止を申請する、とのことです。
記事には、次のように書かれています。

>1958年から続く上場の歴史に幕を下ろす。

トヨタ自動車株式会社は、1958年に、東京証券取引所、大阪証券取引所、名古屋証券取引所、福岡証券取引所、
そして札幌証券取引所の計5つの証券取引所に同時に上場(5箇所とも新規上場)を行ったのではないかと思いますが、
大阪証券取引所は近年になって東京証券取引所に吸収されましたので、その後は残る4つの証券取引所に上場を続けていたわけです。
記事によりますと、2016年のデータ(実績値)になりますが、トヨタ自動車株式会社株式の1年間の出来高(株式数)について、
福岡証券取引所の出来高の全国の証券取引所(4箇所)の出来高に占める割合は、なんとわずか「0.0002%」のみ、とのことです。
札幌証券取引所の出来高の全国の証券取引所(4箇所)の出来高に占める割合も、率直に言って「0.001%」未満だと思います。
両証券取引所における取引高は極めて少ない状況であることから、たと上場廃止を行っても、
株主および投資家への影響は軽微であると判断するのもうなずけると思いました。
それで、トヨタ自動車株式会社が福岡証券取引所での上場廃止を申請する、と聞いて改めて思いましたのは、
「証券取引所」の存在意義です。
一言で言えば、証券取引所というのは、株式市場を開設するためにあるわけです。
厳密な言い方をすると、投資家は、証券取引所で株式の取引を行うのではなく、あくまで株式市場で株式の取引を行うわけです。
よく「東証一部」という言い方をしますが、正確には、「東京証券取引所市場第一部」であるわけです。
「東京証券取引所が開設している市場の中の『第一部』という名称の市場」という意味であるわけです。
今福岡証券取引所の定款を見ましたら、その「目的」に、「市場を開設することを目的とする。」とずばり書かれていました。
これほどまでにずばり「市場を開設することを目的とする。」と定款に書かれているとは思いもせず、自分でも驚いたわけですが、
定款に書かれていますように、まさに証券取引所というのは株式市場を開設するためにあるわけです。
要は、投資家が株式の取引を行う場が株式市場であり、その株式市場の運営主体が証券取引所、という関係にあるわけです。
そうしますと、概念的には、証券取引所に行きさえずれば投資家はそこで株式の取引を行える(売買希望の他の投資家と出会える)、
ということになるなと私は思うわけです(頭の中でそのイメージが思い浮かぶ)。
しかし、実際には、証券取引所に物理的に赴いてもそこでは株式の取引は行えず、
また、インターネットで証券取引所のウェブアサイトにアクセスしても、
証券取引所のウェブアサイト上では株式の取引は行えないわけです。
投資家が株式の取引を行えるのは、証券会社の支店の窓口か証券会社の専用ウェブサイト上でであるわけです。
つまり、証券会社の支店の窓口であれ証券会社の専用ウェブサイト上であれ、
現実には、証券会社が株式市場への出入り口になっている(投資家は証券会社を通じて株式市場で株式の取引を行う)わけです。
現在の現実の証券取引(株式投資)に慣れていますと、それがどうかしたのか、と思われるかもしれませんが、
改めて考えてみますと、要するに証券取引所が株式市場への出入り口でなければならないのではないか、とふと思ったわけです。

 



証券取引所のある会場(立会場)に投資家皆で集まるのは現実には物理的・地理的に不可能なことではありますが、
そもそもの話をすれば、本来は買い手と売り手とが一堂に会して買い注文と売り注文を出し合い取引を成立させるわけです。
電子化やネット証券のことを考えると焦点がぼやけてしまうわけですが、元来的には投資家は一堂に会さなければならないのです。
ただ、現実にはそのようなことは物理的・地理的に不可能なことなので、証券会社がある、
ということではないかとふと思ったわけです。
卵が先か鶏が先か(証券会社が先か証券取引所が先か)、という話にどこかとなく似ているなとも思うわけですが、
証券会員制法人福岡証券取引所は、証券会社が出資をして設立をしているわけなのですが、
要するに、私が思うに、物理的・地理的な理由で証券取引所に赴けない投資家のために各地に(地場の)証券会社がある、
というふうに私には思えるわけです。
私は以前、大阪証券取引所、名古屋証券取引所、福岡証券取引所、そして札幌証券取引所といった地方の証券取引所は、
交通機関が発達していなかった頃の名残だ、といったことを書きましたが、そのこと自体は間違いではないとはやはり思うものの、
私が商業論としてではなく概念論として今思っているのは、交通機関が発達していないという地理的障害を解決するために、
各地に(地場の)証券会社がある、ということなのではないかと思います。
つまり、各地に(地場の)証券会社があれば、実は地方の証券取引所は始めから不要であった、
ということにならないだろうかと思っているわけです。
たとえ交通機関が発達していなかった頃であっても、日本に証券取引所は東京に1つあればよく(株式市場も東京に1会場だけ)、
地方にいる投資家は、各地に所在する最寄の証券会社(地場の証券会社もしくは大手証券会社の支店)で株式の取引に参加する、
という方法で地理的な障害を解消することが想定されていたのではないかと今思っています。
イメージ的には、証券会社=証券取引所(の支所)、ということではないかと思います。
実はこれで、証券取引所は伝統的に「証券会員制法人」である(であった)ことの説明が付くように思ったわけです。
私はかなり以前に、証券取引所は株式の売買の場を提供することだけが目的なのだから、安全性や中立性の観点から、
証券取引所は国立・国営(言わば公の一機関)であるべきだ、と書いたことがありますが、今日は異なる結論に辿り着きました。
証券業の活性化・隆盛のために(一儲けしようと)証券会社は自分達で証券取引所を設立した(証券会社は証券取引所そのもの)、
と考えると、証券取引所は伝統的に「証券会員制法人」であったことの説明が付けられるなと思いました。

 

To begin with, The stock exchange's objective is
to concentrate both all buy orders and all sell orders at one single spot.
"One single spot" above is what you call the stock market.
Buyers and sellers meet at the maket.
And, to put it simply, the stock exchange opens the stock market.
In that sense, the fact that there exist more than one stock markets in the world
denies the stock exchange's reason for existing on it's own.

そもそも、証券取引所の目的というのは、全ての買い注文と全ての売り注文の両方を唯1ヶ所の場所に集めることなのです。
上記の「唯1ヶ所の場所」というのが、いわゆる株式市場のことなのです。
買い手と売り手は、市場で出会うわけです。
そして、簡単に言えば、証券取引所が株式市場を開設するわけです。
その意味では、世に複数の株式市場が存在することは、証券取引所が自分の存在意義を自分で否定していることになるのです。