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2017年7月21日(金)
平成29年7月20日
企業会計基準委員会
企業会計基準公開草案第61号「収益認識に関する会計基準(案)」等の公表
ttps://www.asb.or.jp/jp/accounting_standards/exposure_draft/y2017/2017-0720.html
【コメント】
収益認識基準が変更になるようですが、一言で言えば、「物・サービスの支配権が移転したか否か」に基づき、
収益を認識する方法に変更になるようです。
収益の認識に当たり、目的物の「所有権の移転」に着目する、ということで、
実務慣行ではなく理論や原理原則に沿った元来的な収益の認識方法へと変更になるようです。
記事には、IFRSのことや会計基準の国際的な整合性について書かれていますが、
どちらかと言うと、本来的・元来的・理論的な会計基準へと戻った、と考えるべきでしょう。
売上高や売上原価を悪く言えば恣意的に分割するかのような収益認識基準がいつしか跋扈するようになったのですが、
このたびの収益認識基準の改正は、"Back
to the theory."と言ったところでしょうか。
記事を読んで気になった点について、記事を引用し一言だけコメントします。
>新基準で売上高が大きく目減りしそうなのは百貨店だ。
>百貨店は商品の所有権を取引先に残したまま陳列し、販売と同時に仕入れ・売り上げ計上している。
>新基準では売上高として販売額でなく、販売額から仕入れ値を差し引いた手数料部分のみを計上する。
従来、百貨店ではこのような会計処理を行っていたのだとすると、やはりその会計処理方法は間違っていたと言わざるを得ません。
結局のところ、「百貨店は商品を仕入れてはいない」わけです。
どちらかと言うと、百貨店は委託販売を受託している、と表現する方が百貨店での販売の実態を適切に表現しているわけです。
ですので、百貨店での売上高は百貨店ではなく委託者(取引先)に帰属していると考えなければならないのです。
百貨店に帰属している会計項目は、委託販売契約に基づく手数料収入だけなのです。
百貨店が受け取る手数料は、販売額から仕入れ値を差し引いて算出するものでは決してありません。
百貨店が受け取る手数料は、委託者と百貨店(受託者)との間で締結された委託販売契約のみに基づいて決まります。
仕入原価割れの赤字販売であっても、百貨店は委託販売契約に基づき所定の手数料を委託者から受け取ることができます。
他の言い方をすれば、会計の観点から言えば、百貨店にとってお客様とは、消費者ではなく、委託者なのです。