2017年7月5日(水)
「木によりて魚を求む」ということわざがありますが、まさに、
「企業のディスクロージャーによりて市場内の買い注文と売り注文を求む」、といった関係に両者はあるかと思います。
辞書には、「手段を誤れば、何かを得ようとしても得られないということ。また、見当違いで実現不可能な望みを持つことをいう。」
と「木によりて魚を求む」の解説にありますが、まさに、
企業のディスクロージャーからは、市場内の買い注文と売り注文の予想を得ようと思っても得られないわけです。
それは個々の投資家の話(投資家が各々の業績予想に基づき買い注文と売り注文を市場で出す(需給関係)だけ)であるわけです。
企業のディスクロージャーを基に「市場では今後いくらで株式の取引が成立しそうか?」という問いに答えを出したいというのは、
まさに見当違いで実現不可能な望みである、と言わねばならないわけです(両者は無関係だと分かるはずです)。
企業のディスクロージャーから分かるのは、企業の今後の業績だけなのです。
株価については、あたかも「企業の業績に基づく株価」が先にあるかのように理解されているようですが、それは全く違います。
株価というのは、注文に基づく(全投資家間では決してなく)ある投資家間の取引値(ある取引成立価格)であるに過ぎないのです。
極端な言い方をすれば、株価と企業の業績とは関係がないのです。
したがって、株式の時価総額というのは、投資家間で株式が取引された金額の総額を表すわけでもなければ、
投資家から株式に投じられた金額の総額を表すわけでもないのです。
以上の議論を踏まえれば、「直近の取引成立価格×発行済株式総数」という計算式を見ても、
かけられる数とかける数との間に関連性がないのが分かると思います。
その時に取引された株式以外は、「直近の取引成立価格」以外の価格で取引をされるからです。
率直に言えば、時価総額に特段の意味合いはないのです。
The market capitalization doesn't represent the total amount of cash invested in the market.
時価総額は、市場内に投じられた現金の総額を表すわけではありません。
Look not for future share prices in the market in a Securities
Report.
You ask "disclosure" by a company for future buy orders and sell
orders in the market.
有価証券報告書の中に市場における将来の株価を見つけようとしてはなりません。
あなたは企業の「ディスクロージャー」に市場における将来の買い注文と売り注文を求めているのです。
All a Securities Report reveals is future financial results of a
company,
A Securities Report never reveals future supply and demand of shares
between investors.
有価証券報告書から明らかになるのは、会社の将来の業績だけなのです。
有価証券報告書からは、投資家間の将来の株式の需給関係は明らかにならないのです。