2017年4月27日(木)



2017年4月27日(木)日本経済新聞
「決算サプライズ」掲載 企業と市場の予想のズレ比較
(記事)




株式会社QUICK
ttp://corporate.quick.co.jp/

 

「QUICKコンセンサス」で専門家の情報をチェック 日本経済新聞 電子版の使い方(37)
(日本経済新聞 2011/9/22 14:00)
ttp://www.nikkei.com/article/DGXNASFK20021_Q1A920C1000000/

>その一つが、「QUICKコンセンサス」です。
>これは、証券会社や調査機関のアナリストなどによる企業の業績予想の平均値のこと。
>約700社の売上高や営業利益、1株当たりの利益や配当などについて知ることができます。
>従来、コンセンサスを入手できるのは、機関投資家など大口の投資家に限られていました。
>このコンセンサスと、企業自身が発表する業績予想や決算の実績値を比較することで、
>企業の業績をより詳しく分析することができます。

 


QUICKコンセンサス(くいっくこんせんさす)

証券会社や調査会社のアナリストが予想した各企業の業績予想や株価レーティングを
金融情報ベンダーのQUICKが独自に集計したもの。企業業績に対する市場予想(コンセンサス)を示す。
一方、「QUICKコンセンサス・マクロ」は、国内総生産や鉱工業生産指数など経済統計について、
エコノミストの予想を取りまとめたものをいう。
QUICKコンセンサスを利用したものとして、QUICKコンセンサスと会社予想の業績を比較した「QUICK決算星取表」や
「決算サプライズレシオ」、QUICKコンセンサスの変化をディフュージョン・インデックス(DI)という指数にした
「QUICKコンセンサスDI」などがある。
また、「QUICKコンセンサス・プラス」は、アナリストの予想対象外の銘柄に会社発表の業績予想などを採用して、
国内上場企業の業績予想を100%カバーしたものをいう。
(野村證券株式会社 証券用語解説集)
ttps://www.nomura.co.jp/terms/english/q/A02106.html

 


【コメント】
昨日2017年4月26日(水)から、大手上場企業が2017年3月期の決算を発表(決算短信を開示)し始めたようです。
「決算短信」自体は、会計監査人による監査とは全く無関係なのですから、会社側が財務諸表を作成し次第開示して構いません。
一番分かりやすい企業が「株式会社あみやき亭」です。


2017年4月3日
株式会社あみやき亭
平成29年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)
ttp://www.amiyakitei.co.jp/wordpress/wp-content/uploads/2017/04/H29_3_kessantanshin.pdf


今年2017年は4月1日が土曜日だったので、決算短信は2017年4月3日(月)に開示したわけですが、
今年も4月1日が平日であったならば、今年も4月1日に決算短信を開示したことでしょう。
過年度を振り返っても、「株式会社あみやき亭」は毎年4月1日に決算短信を開示しています。
では記事の冒頭を引用します。

>本日から「決算サプライズ」を掲載します。
>事前の市場予想と会社側の発表結果の乖離(かいり)の大きい主な企業を掲載します。

事前の市場予想と実際の業績とが異なっていると、市場にとっては驚きだ、ということで「決算サプライズ」と名付けたようです。
「決算サプライズ」で用いる事前の市場予想には、「QUICKコンセンサス」が使われるようです。
証券用語としての「コンセンサス」とは、一言で言えば「市場予想」のことを意味するようです。
市場(証券会社や調査会社のアナリスト等)が企業の業績を予想するわけですが、
その平均値のことを「コンセンサス」と呼ぶようです。
「コンセンサス」と呼ばれる指標自体は市場にたくさんあるようですが、
中でも「株式会社QUICK」が集計し発表している「コンセンサス」が最も歴史があり信頼性があるものと考えられているようです。
その「株式会社QUICK」が集計し発表している「コンセンサス」のことを「QUICKコンセンサス」と呼んでいるようです。
「株式会社QUICK」は日本経済新聞社グループの金融情報サービス会社であり、
1971年に日本初の金融情報ベンダー「株式会社市況情報センター」として創業されたようです。
日本経済新聞が本日から掲載する「決算サプライズ」は、「市場の予想がどれほど外れたか」を見るのに参考となると思います。
ところで、「日経平均株価」を算出しているのも「株式会社QUICK」とのことです。
今般の「決算サプライズ」は、「事前の市場予想と実際の業績との比較」であるわけですが、
「日経平均株価」自体は多数の上場企業の「実際の株価(結果)」の平均値であるわけです。
つまり、平均値の意味合いが少し違うわけです。
株価には予想株価というものもあります(証券会社などが予想株価を発表していたりします)が、
「事前の予想株価と実際の株価との比較」もまた興味深い比較かもしれないなと思いました。
また、「事前の市場予想と実際の業績との比較」を受けて、その後株価がどう変動したのかを見るのも興味深いと思います。

 



蛇足ながら書きますと、各投資家による業績予想には意味がありますが、業績予想の平均値には意味は全くありません。
なぜなら、「その平均値の数値を予想した市場関係者は1人もいない」からです。
例えば、市場予想(コンセンサス)がズバリ的中したとします。
つまり、事前の市場予想と会社側の発表結果の乖離は文字通り「0%」だったとします。
ではこの時、市場にとってサプライズは一切ないと言えるでしょうか。
実は全く違います。
市場予想(コンセンサス)がズバリ的中しても、結局「市場関係者全員の予想が外れた」ことになるのです。
その理由は、市場関係者1人1人は、市場予想(コンセンサス)ことは異なる予想を行っていたからです。
「平均値」というのは、傍観者であれば参考にはなるでしょうが、それほどまでに市場の1人1人にとっては全く意味がないのです。
たとえ市場予想(コンセンサス)がズバリ的中しても、「市場関係者全員の予想が外れた」結果、株価は変動することになります。
証券用語で「コンセンサス」(意見の一致)とは表現するものの、コンセンサス値(平均値)を予想した人は1人もいないのです。
英語の"consensus"の語源は、ラテン語で「お互いに同様に感じる」という意味のようですが、
証券用語における「コンセンサス」では、「お互いの意見は皆独立している」のです。
平均値というのは、
それぞれの意見・予想は独立したまま(他者の意見・予想は全く見ないまま、他者の意見・予想は関係ないまま)、
数値計算のみを行って算出するものなのです。
証券用語における「コンセンサス」は、英語の"consensus"の語源や語義とはある意味正反対の意味を持つのです。
市場の投資家は、それぞれに企業の業績を予想します。
その業績予想の差異が、株式の取引につながるわけです。
市場の投資家全員の業績予想が同じなら、株式の取引は行われない(誰も売らない、誰も買わない)のです。
理論上は、市場の投資家はそれぞれ自分の予想を持っています
(市場の投資家の予想が一致することは全く前提ではない。それどころか、市場の投資家の予想にコンセンサスはないのが前提)。
ですので、市場の予想が一致することは決してないのです。

 

Each investor in the market has his own expectation, so the expectations in the market never reach a consensus.

市場の投資家はそれぞれ自分の予想を持っています。ですので、市場の予想が一致することは決してないのです。