2017年3月29日(水)
2017年3月28日(火)日本経済新聞
日本郵便 書留もロッカー受領 ネットで本人確認
(記事)
2017年3月27日
日本郵便株式会社
宅配ロッカー「はこぽす」の機能拡大
ttp://www.post.japanpost.jp/notification/productinformation/2017/0327_01.html
はこぽす
ttp://www.post.japanpost.jp/service/hakopost/
高木ブーさん84歳、運転免許を返納 「家族の一言で」
(朝日新聞 2017年3月29日19時39分)
ttp://www.asahi.com/articles/ASK3Y5CLKK3YUTIL02W.html
【コメント】
宅配ロッカーと呼ばれる宅配物の保管ロッカーが最近話題になっているようです。
郵便局の宅配ロッカーは「はこぽす」と呼ばれているようです。
単純に考えて、書類や荷物を家(自宅)まで届けてくれるから便利なのであって、
郵便局や鉄道駅やコンビニエンスストアに設置してあるロッカーで書類や荷物を受け取ることにどれほどの意義があるのかは
私には分からない気がします。
このたびのサービス拡充により、「はこぽす」ではゆうパックに加え、一般書留と簡易書留を受け取れるようになるとのコトです。
ただ、現金書留は「はこぽす」では受け取れないようです。
他の郵便物も重要なのでしょうから、現金書留だけは「はこぽす」では受け取れないというのはおかしいような気がしました。
この記事を読んで気になったのは、「はこぽす」利用者の本人確認をインターネット上で行う、という点です。
「はこぽす」の説明ページを読みますと、「はこぽす」を利用するに際して、
荷物の受け取りに必要なパスワードをeメール等でお知らせする、とのことです。
つまり、簡単に言えば、パスワードを知っているから本人であると見なす、という確認方法を行っているわけです。
現実には、その確認方法で問題はないのだろうとは思います。
パスワードを知っている=自宅の鍵を持っている(家の中に所在している、玄関で荷物を受け取りサインできる)、
と考えてよいのだと思います。
配達員も、宛先の本人やその家族の顔まで知っている、ということは要求はされない(住所のみで判断する)のでしょうから。
結局、この確認方法で現実には何の問題もないことなのだろうとは思ったのですが、
最も性悪説に立てば、本人かどうかは顔を見て判断する、ということになるだろうかと思いました。
例えば、運転免許証には顔写真が貼ってあるわけですが、それは運転手が運転免許証を所持しているから本人だ、
という確認方法を警察当局は行っていない、ということを意味しているでしょう。
また、パスポートには顔写真が貼ってあるわけですが、それは渡航者がパスポートを所持しているから本人だ、
という確認方法を各国外務当局は行っていない、ということを意味しているでしょう。
"Seeing
is
believing."(「百聞は一見にしかず」)ということわざがありますが、
ことわざの意味とは少し文脈が異なりますが、顔を見ることは本人だと信じることができる、ということであるわけです。
最も性悪説に立てば、本人確認の方法は顔で確認する、ということになるのだろうと思います。
犯罪防止等の観点から、警察当局や各国外務当局は、顔で本人であることを確認する、という確認方法を取っているわけです。
では、例えば、健康保険証はどうでしょうか。
健康保険証には顔写真は貼ってありませんが、健康保険証は持っている人が本人、という考え方をしています。
私も、病院で健康保険証を見せても、「あなたは本人ですか?」とは一度も問われたことはありません。
これは、地方自治体は、その人が健康保険証を持っているから本人だ、
という確認方法を取っているということを意味しているでしょう。
また、登記済証には顔写真は貼ってありませんが、このことは、登記済証は持っている人が本人(登記を行った人、所有者)だ、
という確認方法を法務省は取っている、ということを意味しているでしょう。
登記済証は、本人確認の手段そのものであるわけです。
地方自治体や法務省の確認方法は、良く言えば「法理」(原理的な考え方)ということなのでしょう、
悪く言えば、性善説に立っている、ということになるでしょう。
最近日本で導入されたマイナンバー・カードには顔写真が貼ってあります。
このことは、総務省は性悪説に立っている、という言い方ができるでしょう。
「本人確認の方法」には様々な考え方があるな、と今日は思いました。