2017年3月1日(水)
MONO消しゴムとセブンの看板、色彩で初の商標登録
特許庁は1日、トンボ鉛筆とセブン―イレブン・ジャパンが出願していた「色彩」の商標の登録を認めたと発表した。
色彩の登録を認めるのは初めて。
登録が認められたのは、トンボ鉛筆が、消しゴム「MONO」のケースに使っている色彩と、
セブン―イレブン・ジャパンがコンビニの看板などにしている色彩の2件。
トンボ鉛筆は約半世紀、セブン―イレブン・ジャパンは約30年、それぞれの色彩を使っているという。
特許庁は2015年4月、商標の登録対象を拡大。文字やロゴマークに加え、
色彩やCMなどの「音」、動画の「動き」なども登録できるようになった。
だが、特許庁は約500件ある色彩の出願の登録をこれまで認めていなかった。
色だけで商品やサービスの識別が難しいことに加え、「お茶の商品に緑色」といった申請は簡単に認められないと考えていたためだ。
特許庁は今回の2件について、複数の色を使っているうえ、「長く使用され、認知度が高い」(担当者)ことなどから、
商標登録できると判断した。
ただ、単色で出願している企業も多く、特許庁は「今後も認めないわけではないが、例外的なケースに限られる」(同)としている。
トンボ鉛筆は「消費者に愛され続け、高い認知度や知名度があってのこと」(広報)、
セブン―イレブン・ジャパンは「ブランド価値が認められ、大変うれしい」(同)としている。
(朝日新聞 2017年3月1日20時04分)
ttp://www.asahi.com/articles/ASK315F0CK31ULFA03H.html
「商標登録が認められたセブン―イレブンの看板などに使われている色彩」
「商標登録が認められた色彩が使われているトンボ鉛筆の消しゴム「MONO」=トンボ鉛筆提供」
「商標登録が認められた消しゴム「MONO」のケースに使われている色彩=トンボ鉛筆提供」
>トンボ鉛筆は約半世紀、セブン―イレブン・ジャパンは約30年、それぞれの色彩を使っているという。
と書かれてあります。
また、他の新聞記事には、”正式登録後は同じ色の組み合わせを使うと、商標権の侵害になる。”と書かれていました。
商標の登録については今までに何回か書いてきたわけですが、今日は今まで気付かなかったある重要な問題点に気付きました。
その重要な問題点とは、まさにそれらの色彩は「これまでの間長く使用されてきた」という事実です。
この事実の何が問題なのかと言えば、商標権の保護期間は10年間しかないからなのです。
セブンイレブンとトンボ鉛筆が現在使用している色彩を2017年3月1日付けで商標登録しても、
その商標権は10年間しか保護されない、ということになります。
登録日から保護期間である10年間が過ぎたら、すなわち、2027年3月1日になったら、
セブンイレブンとトンボ鉛筆の色彩を誰でも自由に使用できる、ということになるわけです。
これでは商標登録の意味は全くない、と思いました。
このように書きますと、商標権は更新できるのではないか、と思われるかもしれません。
確かに、商標法上、商標権の有効期限は10年間だけなのですが、申請すれば何度も更新できる、と定められています。
しかし、私が思うに、そもそもいわゆる知的財産権を法的に保護する理由は、
「その期間だけはその知的財産権を独占的に使用してよい」というあくまで消極的理由であると思います。
つまり、本来は、自分で発想を行い、自分で考えた仕組みや意匠を使用することは全く自由であるわけなのですが、
他者による単なる模倣や便乗を避けるため、たとえ自分で考えた仕組みや意匠であっても、
先に登録を行った者がいる場合は一定の期間だけは使用できない、というふうに、
限定的に使用を禁止する意味合いしか知的財産権の権利保護にはない、ということなのだと私は思います。
必要以上に使用禁止に重きを置くことは、経済や文化の発展をかえって阻害するものである、という考えが基本にあると思います。
むしろ、自由に発想を行い自由に仕組みや意匠を考え出すことを促進することが、知的財産権の権利保護の趣旨だと思います。
知的財産権の保護そのものが目的なのではなく、自由な発想の促進が究極の目的だ、と言っていいと思います。
もちろん、自社と非常に良く似たロゴマークを他社に使用されると、商取引上問題が生じることは考えられます。
そこは別途、公正な取引を阻害する行為という形で、法的に禁止を行っていく必要はあるのですが、
少なくとも知的財産権の権利保護という文脈では、むしろ自由な発想を促進するという趣旨・目的があるわけです。
ですので、商標権の権利保護期間が10年間だけであるということ自体は、理論的には正しいのだと思います。
ただ、仮に、公正な商取引の促進ということに重点を置くのならば、
逆に、商標権の権利保護期間は当然に永久(特段の期限はない)、という考え方になると思います。
例えば、会社法上の「商号」に使用期限があるでしょうか。
現在、商標は「商号」と共に、会社を表象する一識別要素となっているわけです。
本来の知的財産権の権利保護の考え方とは逆になりますが、商標を「商号」に準じるものと考えるならば、
一旦特許庁に商標を登録しさえすれば、後は登録者が存続する限り商標として当然に期限はなく保護される、
という法制度にしなければならないと思います。
トンボ鉛筆のライバル企業である三菱鉛筆株式会社からは、次のような新製品が発表されました。
「ADVANCE(アドバンス)」とは完全に普通名詞(辞書にも載っている一般の言葉)なのですが、
この商品名も法的に保護されると考えるべきでしょうか。
形式上登録しているか否かでは線は引けないと私は思います。
2017年3月1日
三菱鉛筆株式会社
文字の濃さも、太さもずっと同じ。
キレイな文字が書けるシャープ『アドバンス』
〜ハードユーザーである学生のニーズに対応した、新しいシャープ〜
3月22日(水)新発売
ttp://www.mpuni.co.jp/news/pressrelease/detail/20170228092814.html
また、「商標登録」、「登録商標」と言えば、次のような記事もありました↓。
米コムキャスト、USJを完全子会社化 4月中に
米ケーブルテレビ大手のコムキャストがユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の運営会社ユー・エス・ジェイ(大阪市)
を4月末までに完全子会社化することを決めた。
コムキャストは独自のマーケティング戦略を駆使して復活を遂げたUSJのアトラクション開発などのノウハウを吸収。
各地の系列パークに展開し、グローバルでのテーマパーク事業の成長につなげる。
コムキャストは2015年にユー・エス・ジェイの発行済み株式の51%を取得して経営権を取得した。
今回、残りの49%を米投資銀行のゴールドマン・サックス(GS)などから23億ドル(2548億円)で買い取る。
東京証券取引所の再上場に向けた申請準備も進めてきたが方針を転換した。
巨額を投じてコムキャストが手に入れたかったのはUSJが持つアトラクション開発などのノウハウだ。
その一つがUSJが20年夏の東京五輪前の開業を目指す「スーパー・ニンテンドー・ワールド」だ。
スーパーマリオなどの有力コンテンツを持つ任天堂と組み、過去最大の500億円超を投じる大型アトラクションだ。
同じ施設は日本に続き、ユニバーサル・パークス&リゾーツが運営する米国内の2パークでも建設が決まった。
大阪市などの第三セクターとして01年に開業したUSJ。07年に東証マザーズに上場したがその後、業績が低迷。
09年に上場廃止し、GS傘下で再建を進めた。従来の大人向けの映画テーマパークからの脱却を図り、客層を広げた結果、
16年度の来場者数は過去最高の15年度(1390万人)超えが確実視される。
だが完全子会社になれば、コムキャストの世界戦略のもと、USJの自由な発想による独自の施策にも制限がかかる懸念もある。
独自色を発揮し続けることができるかが、継続的な成長を占うカギとなる。
(日本経済新聞 2017/3/1
20:50)
ttp://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ01HR5_R00C17A3TI5000/
The protection term of a trademark is 10 years only.
商標権の保護期間は10年間だけなのです。
People say "Sweet 10 diamond," so the brilliance of diamond may last out for
10 years.
I don't know how long the love of a married couple lasts (10 days
or something?),
but the actual results of having used this logomark and these
characters last forever.
世に「スイート10ダイヤモンド」と言います。
ですので、ダイヤモンドの輝きは10年間は持つのでしょう。
夫婦の愛がどれくらい続くのかについては分かりませんが(10日間ほどでしょうか?)、
このロゴマークやこれらのキャラクターをこれまで使ってきたという実績は、永遠に続くのです。
It is reported that both the darkness and the thickness of letters
written
by the Mitsubishi Pencil Co., Ltd.'s new product "ADVANCE" last out uniquely
till its lead ends.
三菱鉛筆株式会社の新製品である「アドバンス」は、文字の濃さも太さもずっと同じ、とのことだ。