2017年2月13日(月)



2017年2月11日(土)日本経済新聞
春秋
(記事)




【コメント】
閉店したとんかつ店をカフェと宿に改装した、という内容の記事であるわけですが、どこにあるのだろうかと思いました。
記事の冒頭に、

>東京都内の巨大ターミナル駅、池袋から徒歩で20分。私鉄を使えば1駅という商店街に、

とありますので、地図を見てみますと椎名町なのかもしれないと思い、インターネットで検索してみました。
すると、やはり椎名町にある旧とんかつ店の改装が様々なサイトで取り上げられていました。
ある不動産専門サイトが新装開店直後に取材をした記事がありましたので紹介します(下記参照)。
紹介している不動産専門サイトの記事を読んで、ある記述に目がとまりました。
それは次の文です。

>椎名町は、西武池袋線で池袋から一駅という好立地に位置するまちだ。にもかかわらず、なかなか新しい商売が根付かず、

春秋にも書かれていますように、椎名町は西武池袋線で池袋から一駅のところにあり、池袋駅から徒歩でも約20分です。
これはいわゆる「商圏」をどのように捉えるかの問題であるわけですが、私はこのサイトの記述とは逆に、
椎名町は西武池袋線で池袋から一駅・徒歩でも約20分という好立地に位置するまちだからこそ、なかなか新しい商売が根付かない、
というふうに思います。
一言で言えば、椎名町に住んでいる人々は、買い物をしようと思うと、池袋まで足を運ぶような気がします。
家からコンビニに行くのに徒歩20分はやや遠いかもしれませんが、複数の商品を買うのに徒歩20分は遠くないと思います。
コンビニには毎日行くかもしれませんが、食料品と雑誌以外の買い物は毎日はしないからです。
他の言い方をすれば、食料品を中心とした最寄品は毎日買うかもしれませんが、買回品は毎日は買わない、ということです。
池袋まで行けば、はっきり言って欲しい商品は全て買い揃えることができるでしょう。
しかし、池袋に非常に近い椎名町にそれだけの商業施設はいらないわけです。
「住んでいるところ」に必要なのは、食料品を始めとする日々必要な品物を買い物できるところです。
現代で言えば、まさにコンビニエンス・ストアがそれに該当するでしょう。
一方、いわゆる買回品を買い物できる商業施設は家の近隣(徒歩圏内など)にはなくてもよい、と日常生活上言えると思います。
人にとって「日々買い物をするもの」と「毎日は買わないもの」とは別であるわけです。
全ての商品を買い揃えることができる巨大ショッピング街・商業施設は全ての街に必要というわけではない、と思いました。

 



とんかつ店をカフェと宿にリノベーションしてまちの“世代をつなぐ”


2016年3月18日、東京・豊島区の椎名町(しいなまち)で50年近く地域に愛されてきたとんかつ店「とんかつ一平」だった
2階建ての空き家がリノベーションされ、なんと「旅館」と「ミシンカフェ」として生まれ変わったという。
さっそく編集部が見に行ってきたので、オープニング内覧会の様子とともに紹介する。

まちの課題は「世代継承がされていないこと」
このプロジェクトは、2015年3月に豊島区で開催されたリノベーションスクールという、
空き家を活用したビジネスプランを考えるプログラムの案件が事業化されたものだ。
豊島区が掲げる「豊島区リノベーションまちづくり構想」の対象となったまちの一つが、椎名町だった。
椎名町は、西武池袋線で池袋から一駅という好立地に位置するまちだ。にもかかわらず、なかなか新しい商売が根付かず、
商店街の個人商店は二代目が後を継がず、駅前はだんだんシャッター通りに。豊島区のなかでも、
最も少子高齢化の進むエリアの一つであり、「30年・40年とこの街に住んでいるおじいちゃん・おばあちゃん世代と、
小さい子どもがいる子育て世代の交流がない」そんな課題が、椎名町にはあった。
こうした課題を解決するべく、リノベーションスクールで議論されたのは、「世代がつながる=“ものづくり”なのではないか?」
ということ。必要なものは何でも手づくりをしてきたシニア世代と、これから子育てをする世代がつながるものは何なのか?
一方、池袋のエアポートリムジン発着数は都内最多だという。池袋まで徒歩圏内で、下町情緒を残す椎名町は、
実は海外からの観光客が多い。某旅行サイトで、日本を訪れた外国人旅行者に聞いた「人気の宿泊施設ランキング」で
高級ホテルと並び4位に並んだ宿も椎名町にある。外国人の宿泊先としてのポテンシャルは無限大だ。
そこで、繋ぐものとして着目したのが「布」。布は世界共通の文化、布の存在しない国はない。そこに気づいたことで
「布は世界の共通言語であり、まちの共通言語」をコンセプトとする宿とミシンカフェを開業することに行き着いた。

 


世界中の人々が交流できる宿を椎名町の商店街に
そして、約1年をかけて旅館業の許可を取得し、1階部分をミシンカフェ、2階部分を旅館に用途変更してフルリノベーション。
こうして、外国人旅行者をメインターゲットとする「お宿・シーナと一平」が誕生した。全5部屋で10ベッド。
素泊まり1泊3800円のドミトリーもあれば、外国人が好む和室4部屋は1泊1万4000円〜1万8000円で宿泊可能。
いずれは朝食の提供も検討しているという。個室以外はシャワールームだけだが、
「宿のすぐ隣にはコインランドリー、近所には3つの銭湯もありますから、どんどんまちに出ていって商店街の人と交流してほしい」
と話すのは、運営会社である株式会社シーナタウン代表の日神山(ひかみやま)晃一さん。

1カ月間のプレオープンで、人がどんどん入ってきた
「半開き」と呼んだ1カ月間のプレオープンで1階を開けていたところ、商店街を歩く多くの人々が、気になって中をのぞいていく。
「ここのとんかつ、美味かったんだよ〜」と言いながら入ってくるおじいちゃんも。
「もっと椎名町と関わる場をつくりたい」「この宿に愛着をもってほしい」という思いから、
餅つきイベントや宿の壁塗りイベントも実施した。
「今後も、お宿・シーナと一平が商店街のみなさんに認めていただけるような、盛り上がるイベントを企画・開催していきたい」
(日神山さん)とのこと。
運営している株式会社シーナタウンのメンバーは5人。
「老若男女が、このまちで生きることがイメージできるように、“このまちに住むっていいよね、アリだよね”
と思ってもらえるように、さらには世界中の人々が交流できる場がこの椎名町の商店街になるように……
と“お宿・シーナと一平”は夢見ている。そんな未来をつくっていく」と語るメンバー達。今後を見守っていきたい。
(SUUMOジャーナル 2016年3月18日 (金))
ttp://suumo.jp/journal/2016/03/18/108036/

 

シーナと一平
ttp://sheenaandippei.sakura.ne.jp/