2016年12月22日(木)
日本郵政グループの日本郵便は22日、はがきの料金を来年6月から62円に引き上げることを発表した。現在は52円。
はがきの値上げは消費税率が8%に上がった2014年4月以来、3年ぶりだが、消費増税以外では23年ぶりになる。
昨年11月のグループ上場を受け、収益が低迷する郵便事業を立て直す。はがきのうち、年賀状は52円に据え置く。
封書も現在の82円のままで据え置く。
はがきの配達数は減少傾向にあるが、2015年度で約63億通。値上げによる年間の利益改善効果は数百億円規模になる見通し。
まとめて集配できる年賀状は黒字になっており、料金を据え置く。
封書の料金も法令上の上限が82円と定められており、値上げしない。
(日本経済新聞 2016/12/22
17:05)
ttp://www.nikkei.com/article/DGXLASFS22H5B_S6A221C1000000/
日本郵便、値上げの増収効果は300億円 はがき62円に
日本郵政(6178)傘下の日本郵便は22日、2017年6月1日に郵便料金を値上げすると発表した。
消費増税に伴う価格転嫁を除くと、1994年に事業収支の悪化で値上げして以来23年ぶり。
郵便物の取扱量減少と人件費高騰の逆風が吹く中、事業収支の改善につなげる。
値上げにより日本郵便は300億円程度の増収効果を見込む。
通常はがきは62円と10円引き上げる。往復はがきも124円と20円上げる。
取扱量が多く、コストが抑えられる年賀はがきは52円のまま据え置く。
定形外郵便物とゆうメールは新たに規格を設け、そのサイズを上回る場合は料金を引き上げる。
2015年度の郵便事業の営業利益は123億円だった。
日本郵便は国内のはがき関連の収支悪化などで「(価格を据え置くと)2017年度には営業赤字になる」と分析している。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕
(日本経済新聞 2016/12/22
18:02)
ttp://www.nikkei.com/article/DGXLASFL22HQA_S6A221C1000000/
2016年12月22日
日本郵便株式会社
郵便料金等の改定
ttp://www.post.japanpost.jp/notification/pressrelease/2016/00_honsha/1222_01_01.pdf
別紙
ttp://www.post.japanpost.jp/notification/pressrelease/2016/00_honsha/1222_01_02.pdf
>年賀葉書
>12月15日から翌年1月7日の間に差し出された通常葉書であって
>表面に「年賀」の文字を明瞭に朱記して差出されたものとします(私製のものを含みます)。
>年賀特別郵便以外の特殊取扱とするこはできません。また、料金割引の適用はありません。
郵便法
(料金)
第六十七条第二項第三号
第一種郵便物(郵便書簡を除く。第四項第二号において同じ。)のうち大きさ及び形状が総務省令で定める基準に
適合するものであつて、その重量が二十五グラム以下のもの(次号において「定形郵便物」という。)の料金の額が、
軽量の信書の送達の役務が国民生活において果たしている役割の重要性、国民の負担能力、物価その他の事情を勘案して
総務省令で定める額を超えないものであること。
郵便法施行規則
(定形郵便物の料金の上限)
第二十三条 法第六十七条第二項第三号 の総務省令で定める額は、八十二円とする。
【コメント】
郵便局が郵便料金を値上げするとのことです。
記事を読んでいて気になった点について一言だけコメントします。
まず、
>はがきのうち、年賀状は52円に据え置く。
という点についてです。
郵便局で年賀状を購入する時は、後で不足してはいけないので多めに購入することがほとんどだと思います。
すると、毎年、年賀状を投函し終わった後(1月8日以降)には、年賀状が何枚か余るわけです。
その年賀状は、若干の手数料を支払うことで郵便局で通常のはがきに交換してもらうこともできますが、
例えば雑誌の懸賞に応募する時などは、特段に失礼に当たるというわけでもないでしょうから、
そのまま年賀状のはがきを用いてポストに投函したりするわけです。
これまではそれで何の問題もなかったわけなのですが、来年2017年6月からは、そのままでは相手方に届かないことになるわけです。
なぜなら、年賀状を用いて郵便物を差し出したその人は、郵便局に郵便料金を52年しか支払っていないからです。
ですので、その際は(2017年6月以降は)、1月8日以降に年賀状を用いて郵便ポストに投函をする場合は、
10円分の切手を年賀状に貼った上で投函しなければならないわけです(52円+10円=62円)。
また、このことは、毎年の年賀状についてだけではなく、2017年6月以前に郵便局で購入した通常はがき全般に当てはまります。
「62円はがき」がいつから郵便局で販売されるようになるのかは分かりません(2017年4月くらいからでしょうか?)が、
それ以前に郵便局で購入した通常はがきは「52円はがき」であるわけです。
2014年4月以前に郵便局で購入した通常はがきは「50円はがき」でしょうし、
23年以上前に郵便局で購入した通常はがきは「40円はがき」であるわけです。
ですので、「52円はがき」には10円分の切手を、「50円はがき」には12円分の切手を、「40円はがき」には22円分の切手を
それぞれのはがきに貼った上で郵便ポストに投函するようにしないと、はがきが宛先に届かない(郵便料金不足)、
ということになります。
このことは、実は過去はがきの郵便料金が値上げされるたびに差出人が取らなければならない対応策であったと言えるのですが、
このたびの郵便料金の改定では、年賀状だけは郵便料金を据え置くというおそらく郵便局史上初めての改訂ということで、
通常はがきと比較すると、年賀状は余る(正月後も手許に残る)ことが多いように思いましたので、注意点を書いてみました。
次に、封書についてですが、記事には次のように書かれています。
>封書も現在の82円のままで据え置く。
>封書の料金も法令上の上限が82円と定められており、値上げしない。
郵便局としては、封書の郵便料金も値上げしたかったのではないかと思うのですが、
郵便法と郵便法施行規則の規定により、定形郵便物の料金の上限は82円と定められているため、それはできなかったようです。
郵便法と郵便法施行規則にははがきの料金については特段の定めはないようなのですが、そうだとすると、
通常はがきと年賀はがきの郵便料金の上限も82円ということになると思います。
つまり、封書の郵便料金よりもはがきの郵便料金の方を高く設定できるのだろうかとふと思ったのですが、それはできないようです。
三菱商事は21日、国内コンビニエンスストア3位のローソンへのTOB(株式公開買い付け)を22日から始めると発表した。
保有比率を現在の33.4%から50%強に高め、連結子会社化する。ローソンは上場を維持する。
資本関係の強化で三菱商事からの人材派遣を増やすなどし、国内での商品力向上や海外でのコンビニ出店を拡大する。
国内外の競争法の手続きが完了したのにともない、買い付けを始める。買い付け期間は2017年2月9日まで。
ローソンの発行済み株式の1664万9900株を上限に、1株あたり8650円で取得する。21日の終値は8280円だった。
上限に達すれば、取得金額は合計で約1440億円となる見通し。
(日本経済新聞 2016/12/21
20:57)
ttp://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ21I6O_R21C16A2TI1000/
2016年12月22日(木)日本経済新聞
ローソンTOB きょうから開始 三菱商事
(記事)
2016年12月22日(木)日本経済新聞 公告
公開買付開始公告についてのお知らせ
三菱商事株式会社
(記事)
2016年12月21日
株式会社ローソン
菱商事株式会社による当社株式に対する公開買付けに関する意見表明のお知らせ
ttp://www.lawson.co.jp/company/news/detail/1287933_2504.html
2016年9月16日
三菱商事株式会社
株式会社ローソン株式に対する公開買付けの開始予定に関するお知らせ
ttp://www.mitsubishicorp.com/jp/ja/pr/archive/2016/files/0000031077_file1.pdf
2016年9月16日
株式会社ローソン
三菱商事株式会社による当社株式に対する公開買付けの開始予定に関する意見表明及び業務提携契約の変更のお知らせ
ttp://www.lawson.co.jp/company/news/detail/1279848_2504.html
【コメント】
「公開買付開始公告についてのお知らせ」やプレスリリースを見ますと、
「買付予定数の下限」が設定されていませんが、これは根本的に間違っているのではないでしょうか。
なぜなら、三菱商事株式会社は株式会社ローソンを連結子会社化することを目的としているからです。
このたび開始する公開買付は、明確に「対象者を連結子会社とすることを目的とした公開買付」であるわけですから、
50%未満の議決権割合だけを取得しても意味が全くないわけです(それではただの株式の買い増しというに過ぎない)。
ですのでこの場合、公開買付を実施する目的を鑑みれば、「買付予定数の下限」が「16,649,900株」でなければならないわけです。
次に「買付予定数の上限」に関してはですが、所有議決権割合は過半数ギリギリの「50.11%」にしたいということであるのなら、
「買付予定数の上限」も「16,649,900株」に設定すればよいと思います。
また、「50.11%」という議決権割合には特段こだわらない(過半数を超えさえすればよい)が、
上場を維持しかつ今まで通り十分に分散した株主構成を維持したいといった目的があるならば、
例えば議決権割合が「3分の2未満」となるようなある「買付予定数の上限」を設定するというのもよいと思います。
上場は今後とも維持するという目的があるなら、やはり何らかの「買付予定数の上限」を設定しなければならないとは思います。
ただ、このたびの公開買付は「支配権(過半数)の獲得」が明確な目的であるわけですから、
最低でも過半数となる「買付予定数の下限」を必ず設定しなければ、その目的を果たせなくなります。
一定度株式は買い増ししたいが支配権の獲得は全く目的とはしていないので、半数以下となる「買付予定数の上限」を設定する、
というのであれば意味が分かりますが、
この設定では、上限に達しない応募しかない場合は、公開買付者はただの株式の買い増しで終わってしまうわけです。
この設定では、そもそも公開買付制度に「買付予定数の下限」を設定できる意味・目的を否定しているようにすら思いました。
公開買付者のフィナンシャル・アドバイザーは一体どこなのだろうかと思いました(実はプレスリリースに記載されていますが)。
プレスリリースには、公開買付者のフィナンシャル・アドバイザーは、
>公開買付者及び対象者の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して重要な利害関係を有しません。
と書かれていますが、ふと、いわゆるアドバイザーは当事者と利害関係を有していた方がよいのではないかと思いました。
「身銭を切る」という言葉がありますが、人は自分のことになると力の入り具合が違うものなのかもしれないなと思いました。
ところで、プレスリリースによりますと、対象者は外部の法務アドバイザーとしてある大手法律事務所を選任し、
公開買付について法的助言を受けているとのことですが、
公開買付者は法務アドバイザーを雇い法的助言を受けているという記述はプレスリリースにはないようです。
「だから間違えたのか、Lawson
だけに。」と書いて終わろうと思いましたら、公開買付者は三菱商事株式会社の方でした。
三菱グループだけに、買付予定数の設定方法については「いや、さっきやったろう。」
と岩崎弥太郎であれば三菱商事株式会社を叱り付けたと思います。
三菱グループの中核企業に日本郵船株式会社がありますが、買付予定数の設定方法については「ようせん。」(上手くできない)、
と三菱商事株式会社は意見を表明すると思います。(終)