2016年10月25日(火)
2016年10月25日(火)日本経済新聞
AT&TのCEO 独禁当局の承認に自信 ワーナー買収巡り
日本勢も収益強化探る
(記事)
2016年10月25日(火)日本経済新聞 社説
AT&Tの巨大買収は未来を開くか
(記事)
2016年10月25日(火)日本経済新聞
決算短信の簡素化容認 情報開示 後退に懸念も
(記事)
2016年10月25日(火)日本経済新聞
統合報告書、320社が発行 今年4割強増える 宝印刷調べ 9割が英語版も
(記事)
【コメント】
決算短信に関する記事を読んで初めて知ったのですが、
現行の上場規則でも、「財務諸表」の開示はあくまで「要請」という位置付けに過ぎないようです。
現行の上場規則上、開示することが義務付けられているのは何と「サマリー情報」だけであるようです。
現行の上場規則でも、決算短信で「財務諸表」を開示しないことは企業の自由であるようです。
例えば、「当社としましては、監査済みの財務諸表を開示することが投資家の投資判断に一番資することであると考えておりますので、
当期の財務商標につきましては、後日提出いたします有価証券報告書をご覧いただくようお願いいたします。」
などと理由をつければ、現行の上場規則でも、決算短信で「財務諸表」を開示しないことは認められるのだと思います。
この点について、確認のためもう少し調べた方がいいなと思い、東京証券取引所の上場規則を見てみました。
すると、次のような条文がありました。
有価証券上場規程(東京証券取引所) -
定款等諸規則/諸規則内規
ttp://jpx-gr.info/rule/tosho_regu_201305070007001.html
>(決算短信等)
>第404条
> 上場会社は、事業年度若しくは四半期累計期間又は連結会計年度若しくは四半期連結累計期間に係る
>決算の内容が定まった場合は、
>当取引所所定の「決算短信(サマリー情報)」又は「四半期決算短信(サマリー情報)」により、
>直ちにその内容を開示しなければならない。
確かに、場規則上開示しなければならないのは、「決算短信(サマリー情報)」だけであるようです。
また、「決算短信(サマリー情報)」を開示するに当たり、東京証券取引所所定の様式があるようなのですが、
それについても検索してみましたら、次のような雛形をダウンロードできるページがありました。
決算短信作成要領・四半期決算短信作成要領
ttp://www.jpx.co.jp/equities/listed-co/format/summary/
確かに、決算短信で開示を義務付けているのは、サマリー部分だけのようです。
財務諸表は、決算短信における「添付資料」という位置付けのようです。
現在上場企業が開示している決算短信の実は最初の2ページほどだけが、
東京証券取引所が上場規程上義務付けている開示情報、ということのようです。
現在上場企業は、財務諸表という添付資料も自主的に含めて、決算短信を開示している、ということになります。
「現行の上場規則でも、『財務諸表』の開示はあくまで『要請』という位置付けに過ぎない。」という点については、
最初にも書きましたように、この記事を読んで今日初めて知ったところです。
ものすごく基本的なことを知らなかった気がしていまして、非常に驚く気持ちととまどう気持ちが自分の中にあるところです。
「極めて基本的なことを知らずにいたな。」と、これまで自分でもかなり勉学を積んできたつもりでいたのですが、
「こんな基本的なことも知らなかったとは。」と少々恥じ入っております。
ただ、言い訳になりますが、決算短信は上場規則上は実は2枚ほどのサマリー情報のことだ、
というのは、改めて考えてみますと、自分では非常に納得がいくことではあります。
以前も、「決算短信とは
brief
(概要、短い報告(発表))のことではないだろうか。
今の決算短信は分量が非常に多く詳細で、有価証券報告書と変わらないのではないか。」といったことを書きましたが、
このことを指摘した時は、「現行の上場規則でも、『財務諸表』の開示はあくまで『要請』という位置付けに過ぎない。」
ということは知らなかったわけですが、改めて、自分の考えは正しかったのかもしれない、と思っているところです。
「サマリー情報」だけの開示であれば、まさに
brief
であると思います。
決算短信は上場規則上は「サマリー情報」だけだと考えますと、決算短信に掲載する財務諸表が未監査なのは、
ある意味当然のこととも言えるのでしょう。
財務諸表は未監査だが参考情報ということで開示しているだけだ、ということなのだと思います。
ただ、ではその「サマリー情報」は正しいことが保証されているのかと言えば、
結論だけ言えば、「サマリー情報」は正しいことは保証されていない、ということになると思います。
「サマリー情報」を開示するにしても、結局のところは、企業としては財務諸表を作成する必要があります。
財務諸表を作成して初めて決算の各数値が確定し、それでやっと「サマリー情報」も開示できるようになるわけです。
結局のところ、「財務諸表は正しい」=「サマリー情報は正しい」という関係にあるわけです。
企業が作成した財務諸表は間違っているのだがサマリー情報は正しい、ということはあり得ないのです。
ですので、たとえ「サマリー情報」だけの開示だとしても、正確性を保証したいのならば、
やはり「監査済みの財務諸表から重要数値を抽出したサマリー情報」を開示するようにしなければならないことになるわけです。
決算短信では、迅速性に最も重きを置いているということで、現行の上場規則では、
「未監査の財務諸表から重要数値を抽出したサマリー情報」を開示するようにしているのだと思います。
On the principle of law, what you call an accounting audit is unnecessary or
unconceivable.
法理的には、いわゆる会計監査は必要ないものなのです。すなわち、観念できないものなのです。
On the principle of law, the conception that directors can make a mistake
about preparing financial statements leads to
the conception that an
accounting auditor can, too.
法理的には、取締役は計算書類の作成を間違え得るという考えは、
結果、会計監査人も計算書類の作成を間違え得るという考えにつながってしまうのです。
2016年10月25日(火)日本経済新聞
マンション高層階
増税 「富裕層の節税」けん制 18年以降の新築 20階建て以上で 政府・与党方針
(記事)
2016年10月25日(火)日本経済新聞 広告
週刊ティー・アンド・エーマスター 10月24日号
ビジネス法務 12月号
(記事)
関連する過去のコメント
2016年10月23日(日)
http://citizen.nobody.jp/html/201609/20161023.html
2016年10月24日(月)
http://citizen.nobody.jp/html/201609/20161024.html
【コメント】
タワーマンションに課する固定資産税と相続税の見直しについては、昨日コメントを書きました。
それで、昨日、「売り越し」が生じる場合として、マンションの贈与を受け他者に有償で譲渡した場合を
一つの例として書いたわけですが、今日はその「贈与」について一言だけ書きたいと思います。
基本的考え方としては、贈与が行われた場合は、贈与を受けた人が贈与税を支払わなければならないわけですが、
贈与を行った人が贈与税を支払わなければならない、という考え方にも一定の理があるようにふと思いました。
その理由は、担税力です。
端的に言いますと、贈与を受けただけでは担税力は生じないわけです。
なぜなら、贈与を受けても所有する現金額は増加しないからです。
一方、贈与をするくらいであるから、贈与を行う人には既に十分な資力がある、という見方はできるように思うわけです。
また、贈与を受けるくらいであるから、贈与を受けた人は財務的に困窮している、という見方ができるように思うわけです。
それで、贈与税は贈与を行った側が支払う、という考え方にも一定の理はあるように思いました。
また、贈与だけではなく、現金の寄付についても全く同じ考え方ができるように思いました。
すなわち、寄付が行われた場合は、寄付を受けた人ではなく、寄付を行った人が所得税を支払う、
という考え方にも一定の理があるように思うわけです。
担税力という観点から言えば、寄付を受けた人には現金の受け取りにより当然に担税力が生じていると言えます。
しかし、寄付をするくらいであるから、寄付を行う人には既に十分な資力がある、という見方はできるように思うわけです。
また、寄付を受けるくらいであるから、寄付を受けた人は財務的に困窮している、という見方ができるように思うわけです。
財務的に困窮しているからこそ寄付を受けたのに、所得税を支払えでは、寄付の意味がないように思うわけです。
さらに、別の視点から言えば、寄付の受け取りは収益の獲得を目的に現金を受け取ることとは異なる(だから受け取る方は無税だ)、
という見方ができるように思います。
商取引において、目的物の引渡しの対価として現金を受け取ることは、まさに収益の獲得を目的にしているわけです。
ですから、その場合の現金の受け取りには所得税がかかるわけです。
一方、寄付を受け取ることは、何らの対価でもないわけです。
むしろ、定義からして、何らの対価でもないから寄付でしょう。
つまり、収益の獲得という目的の結果、現金(果実)を受け取った場合は、益金であり、
収益の獲得という目的はないにも関わらず、現金(果実)を受け取った場合は、益金ではない、
という見方ができないだろうか、と思ったわけです。
通常、資力の大きい方が資力の小さい方へ寄付を行うことから、この考え方でも課税の公平性の観点には反さない、と思います。
それで、寄付による所得税は寄付を行った側が支払う、という考え方にも一定の理はあるように思いました。
The reason why the fixed asset tax on a high-rise apartment building is
progressive is
that a sale price of respective rooms is progressive.
高層マンションに課される固定資産税が累進的である理由は、各部屋の販売価格が累進的であるからです。